日々是好日

冬の虫

○踏石に緑色して冬の虫 (ふみいしにみどりいろしてふゆのむし) ○冬の蜂虚しき足の動きかな 秋甫 ○冬の蟻畳の角を曲がりけり 々 ○お前たち種を残したか冬の虫 々

終戦日

○終戦日伝道の書にタブレット (しゅうせんびでんどうのしょにタブレット) ○白寿の書平積みにして生身魂 秋甫 ○魂迎胡瓜の馬に乗せたき人 々 ○終戦日父は敗者としてもどる 々 未完現実の原稿を瀬戸内寂聴の句集「ひとり」にしたいと思って一冊に載っている…

蜻蛉

○黄の衣精霊蜻蛉が墓の前 (きのころもしょうりょうとんぼがはかのまえ) 盆蜻蛉 ○銀やんま夕餉の卓を吟味する 秋甫 ○秋茜里へ帰る日山の駅 々 ○白熱の甲子園にも盆とんぼ 々 家の周辺では赤とんぼが見られなくなった。精霊トンボと呼ばれるくすんだような黄…

時の日

○時の日のからくり時計麦を刈る (ときのひのからくりとけいむぎをかる) [高知の野良時計 ○時の日や少年の灯は四時に消え 秋甫 ○時の日や電波時計はみな同じ 々 ○時の日や鎌もつ人形時計から 々 何故かしら母が6月10日、この時の記念日生まれってことが頭に…

葱坊主

○思案せずまずは生ききる葱坊主 (しあんせずまずはいききるねぎぼうず) ロシアで出した絵ハガキはまず横浜に1枚届いたらしい。モスクワ空港の近くのホテルから20日かかって届いたのである。あと京都と四国はまだのようである。 かって「キャストアウエ…

三月

○三月の麦立ち直り易からむ (さんがつのむぎたちなおりやすからむ) AIのデーター ━AI(ひろし君)が収集した働き方━ ○仕事の効率を上げたければ11時間54分以上働け ○仕事に対する満足度が高い人は、お金に余裕のない人で水道の栓をこまめに閉めない…

寒戻る

○紙漉きの手元に添え湯寒戻る (かみすきのてもとにそえゆかんもどる) 寒漉 ○三椏のトロロと揺れて寒の漉き 秋甫 ○戻り寒湯気の高さの楮釜 々

青写真

○青写真遠い昔の忘れ物 (あおしゃしんとおいむかしのわすれもの) 製本が完成 青写真は触ったことがあるようなないような不確かな記憶であるが、日光写真は兄が石の上へ置いていたのを覚えている。青写真も日光写真も同じものらしい。それに冬の季語とあっ…

水仙花

○ちらちら舞う雪より白し水仙花 (ちらちらまうゆきよりしろしすいせんか) 寒の底 とても冷たい、昨夜は水道が凍ってはいけないと思って少し栓を緩めて流しながら眠ったほどであった。 恒例の俳句集作りに取りかかっている。一年ごとの総集編は7冊めになる…

初天神

○願い事絶えることなき初天神 (ねがいごとたえることなきはつてんじん) 25日は天神さん 初大師や初天神などと一月はなんでも初をつけて、まるで一番最初にありがたい事がいっぱいあるのだよ、と言わんばかりだ。 京都の天神さんにお参りしてきた孫は去年…

蛞蝓

◦蛞蝓の句集綴れば銀の道 (なめくじのくしゅうつづればぎんのみち)

うららけし

◦うららけし夢見ごこちの道祖神 (うららけしゆめみごこちのどうそじん)

菜飯

◦老いる日の野にあるままに菜飯食ぶ (おいるひののにあるままになめしたぶ) きのう惠ノ窪池の下の土手へ土筆の生えぐあいを偵察に行ってきました。寒波が戻ってきて、風は肌を刺す冷たさに、まだすこし早いだろうかと思いながら出かけましたが、土手を離れ…

春キャベツ

◦春キャベツ鵯の残りをいただきぬ (はるキャベツひよののこりをいただきぬ) 「鵯に突かれて商品にならんから、嘴のは入ったところだけ取り除いて食べて」と言って、真ん中が喰い破られた大きなキャベツをいただきました。 今年は鵯が大量にやって来ました…

春の潮

◦稚貝らも春の潮吹く鍋の中 今年最初のアサリが届きました。潮周りを見ると、土曜日が大潮だったから、下の浜で掘ってきたのでしょう。昨日は啓蟄と、いよいよ地上にいろいろなものが出て来て賑やかになります。しかし、いただいたアサリの方はもう少し砂の…

花鳥

◦花鳥と競はぬ鳩の夫婦かな (はなどりときそわぬはとのめおとかな) 二三日まえから、鳩の番いがうちの庭や塀の上を仲睦ましく歩いています。そろそろ巣作りの相談でもしているのでしょうか。 鳩の巣作りは春だけに限らず真夏を除いて年に数回卵を抱くよう…

菜の花

◦明日はしる道は菜の花咲けるかも 早速本屋さんへ行って買って来ました。きのうテレビで曾野綾子氏が紹介されていたのは「老いの才覚」だったのです。この田舎の書店にもすでに並べられていて、それは目立つように置かれていたから人気筋だったのでしょう。…

春風

◦春風にけむり棚引く製紙(かみ)の街 今朝のテレビに曾野綾子氏が登場していました。2000年の7月〜9月にあったNHK人間講座以来に見る彼女の姿です。すっかりおばあちゃんになられたとなあと思ったら(78歳)という字幕が出て納得しました。 実は私…

まだら雪

◦遠山の翳りさびしいまだら雪 夜半に霰の降る音がしました。今朝はまた山に雪がかかっています。春は逡巡するといいますが、やっぱりという思いです。 金比羅参道のうどん屋 昨日の讃岐うどん巡りは満濃町から金比羅へ出て、参道の店々を見て回りました。

雛(ひいな)

◦ひとり娘の嫁(ゆ)きて小さき雛(ひいな)かな ぶらりと讃岐のうどん屋巡りに行ってみました。わたし自身は特に麺類が好物という訳でもないのですが、四国の人にはうどん好きが多いように感じます。こちらに来た一期松山から叔母がやって来る時は、捏ねた…

春耕

◦春耕の轟きあまり海に入る 俳句を始めて今月でまる二年になりました。初めの頃は次々心に浮かんで来て句作が楽しかったのですが、この頃では苦しく感じるようになっています。 先日、古本屋めぐりをしていると、分厚く大きな「日本大歳時記」講談社のカラー…

二月尽

◦よべの雨けさの草萌す二月尽 三月の出だしは雨になりました。しかし寒さも緩んで冷たいなかにも安堵感があります。多分この雨は明日の草萌を急かせていることでしょう。

探梅にまだ二、三分の品定め

今週は四月の陽気に恵まれました。早速に探梅と洒落てみましたが、、、。 ◦探梅にまだ二、三分の品定め ◦梅もまた一重の白をめでるべし 白加賀 ◦園の子の囀りも来て梅林 ◦「思いのまま」という梅の蕾みかな 思いのまま ◦若枝のほんのり紅き寡紅梅 ◦菜の花と…

正月やうさぎ跳び出せ木の根っこ

年末年始を娘の所で過ごすのがここ数年の慣例になってしまった。正月は故郷の実家へ家族みんなで帰省する、そんな風な絵に描いたようにはいかないまでも、移動するのは一人ですむ方が合理性に叶っているように思う。 若い頃に経験した帰省ラッシュの乗り物は…

賀状書く何はともあれ生きていて

今年も年賀状を書き始めなければならない時節になった。絵を描く年もあればどこかのカットを拝借して済ます年もあり、今年は後の方になったが50枚ほどの年賀状には毎年かなりのエネルギーを注入している。(出来ばえは兎も角) 俳句をはじめた事もありこの…

未完現実

「未完現実」、これは私が参加している俳句雑誌の名前である。この11月号(234号)が一昨日届いた。何か自分にフィットする入り口を探していたとき俳句に辿り着いた訳であるが、16ヵ月前、世の中に数ある俳句誌の中で「未完現実」に縁をもったのには…

かけ違い

最近は朝ベッドから起き出すとき、とても慎重になる。畢竟自分の内のあらゆる五感を集中させて恐る恐る自らを打診してみるのが癖になっていた。 ボタンをかけ違ったままスタートすると、その日はどんなに焦っても駄目なのは、すでに経験しているから神に祈る…

最高の人生の見つけ方

うちへ来て部屋に上がって話していく訪問者は、ここ数年ずっと固定されているようだ。しかも二、三人と極少数なのに、最近は決まって「死」の話しが出てくるようになった。 現実には話している相手よりきっと自分の方が長生きしてみせると、心のうちに燃える…

キャベツ3個

夕刻、勝手口から「いる?」と恵子さんの声がして戸を開けてみると、キャベツを3個抱えて立っていた。 トラックの荷台にはキャベツを山積みにして博さんがエンジンをかけたまま運転席で待っていた。畑からの戻りに届けてくれたのである。 きのうは菠薐草を出…

朝風呂

起き立ちはそれほどでもなかった気温が 7時8時近くになって冷え始めた 冷えると胃だかお腹だか曖昧な辺りが痛みだす その上今朝は頭の芯も痛い こっちの方はどうも別の原因を抱えているようだ。とりあえず風呂に入った 少しづつこり固まった頭の筋がほぐれ…