2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

烏の子

〇子烏のヤコブと呼ばれママっこで (こがらすのヤコブとよばれママっこで) 〇六月のカレンダー剥がし子烏発つ 河童三子 〇投げてやる餌に子烏の首傾ぐ 々 〇子烏の瞳に写る世の暗雲 々

夏帽子

〇夏帽子目深に被り予後を行く (なつぼうしまぶかにかぶりよごをいく) 〇背伸びして孫に被せる夏帽子 河童三子 〇夏帽子買って雨の日つづきけり 々 〇遺影の夫麦稈帽子親しめり 々

昼寝

〇大昼寝アンモナイトに足が出て (おおひるねアンモナイトにあしがでて) 〇山海を雨が隠して昼寝かな 河童三子 〇昼ねしてカンブリア紀の海に浮く 々 〇昼ねして海月の時を浮にけり 々

曼荼羅華

〇曼荼羅華ほのかに匂ふ浄土かな (まんだらげほのかににおうじょうどかな) 〇夕風を入れてダチュラの開きけり 河童三子 〇トランペットエンゼルに奏者揃ふ 々 〇真昼間は首重たしとダチュラ謂う 々

夏安居

〇湖西より比叡一山雨安居 (こせいよりひえいいちざんあめあんご) 〇旦那寺の子一人雨見る安居かな 河童三子 〇本堂の灯消へて厨に夏安居 々 〇朝々の鐘くぐもりて雨安居 々

白玉

〇白玉に毛氈の椅子ゆずりあう (しらたまにもうせんのいすゆずりあう) 〇白玉のひんやり喉を滑りけり 河童三子 〇喉越しの白玉喉の記憶かな 々 〇白玉や笑へば揺れる四人姉妹 々

栗の花

〇栗の花虫のうごめく山路かな (くりのはなむしのうごめくやまじかな) 〇朝露の玉輝かす栗の花 河童三子 〇朝焼けのお天気変はる栗の花 々 〇雨の日の絶望名言栗の花 々

柿の花

〇柿の花侏儒の頭蓋を抱いて落つ (かきのはなしゅじゅのずがいをだいておつ) 〇朝々に小坊主掃きぬ柿の花 河童三子 〇柿の花落ちれば猫の跳びはねて 々 〇柿の花第二国道幌の上 々

水羊羹

〇竹取の竹に生まれし水羊羹 (たけとりのたけにうまれしみずようかん) 〇美しく着太りするや水羊羹 河童三子 〇京に食ぶ水羊羹の口さびし 々 〇夏痩せを美しくして水羊羹 々

夏至

〇夏至の浜轍どこまでつづくかな (げしのはまわだちどこまでつづくかな) 〇浚渫船ひねもす夏至の砂掬ふ 河童三子 〇長居の客夏至の日暮れを所為にして 々 〇出番待つ宮の芝居や夏至の月 々

夏暖簾

〇打ち水の石渡り来て麻暖簾 (うちみずのいしわたりきてあさのれん) 〇藍染に天井高き夏暖簾 河童三子 〇麦飯を出す昼餉の舖や麻暖簾 々 〇糊きいて突っ張ってゐる麻暖簾 々

桜桃忌

〇桜桃忌フリーハンドの設計図 (おうとうきフリーハンドのせっけいず) 〇濁流の水域越すや桜桃忌 河童三子 〇きのふから雨降りつづき桜桃忌 々 〇太宰の忌都知事候補に五十人 々

十薬

〇十薬の花立ち尽くす雨の中 (じゅうやくのはなたちつくすあめのなか) 〇どくだみを挿せば薬の匂ひして 河童三子 〇十薬の清楚に咲くや京町屋 々 〇十薬に立ちたるさまはイエスかな 々

六月

〇六月の雨宿らせる大欅 (ろくがつのあめやどらせるおおけやき) 〇レインツリー目を閉じて六月の音 河童三子 〇六月や木の天辺へ烏の子 々 〇厨より六月の水海へ出る 々

〇萍を鯉吐き出して池静か (うきくさをこいはきだしていけしずか) 〇平八郎の波萍は模様描く 河童三子 〇萍に由緒もあるや水泥池 々 〇萍やすぐ手を離すことに慣れ 々

青葉木菟

〇青葉木菟比叡の僧に懸想する (あおばずくひえいのそうにけそうする) 〇比叡の闇湖西に伸びて青葉木菟 河童三子 〇青葉木菟夜討ちの僧に加勢して 々 〇青葉木菟僧に代わりて経を読む 々

青簾

〇青簾町行く人を品定め (あおすだれまちいくひとをしなさだめ) 〇通し間の微かな香り青簾 河童三子 〇先斗町(ぽんとちょう)格子の内の青簾 々 〇青簾舞子の顔の涼やかに 々

南風

〇釣り船を揺蕩はせをり瀬戸の南風 (つりぶねをたゆたわせおりせとのはえ) 〇揺蕩(たゆとう)と午後南風胸に夢のなか 河童三子 〇南風(みなみかぜ)満帆揚げて終の旅 々 〇心地よき南風抜けて行く蜑の家 々

紫陽花

〇紫陽花の裾の名もない草愛でらる (あじさいのすそのなもないくさめでらる) 〇飽きられまいと紫陽花の七変化 河童三子 〇紫陽花の大輪一つ土の上 々 〇首垂れて紫陽花の嘆き大きく 々

植田

〇静かなる雨の中なる植田かな (しずかなるあめのなかなるうえたかな) 〇しばらくは植田のつづく車窓かな 河童三子 〇東から西へ植田の風走る 々 〇朝霧に今目覚めたる植田かな 々

青葉冷え

〇雨あがり鳥の声聞く青葉冷え (あめあがりとりのこえきくあおばびえ) 〇白鷺の塒(ねぐら)を行かず青葉冷え 河童三子 〇青葉冷え朝一番の水を汲む 々 〇青葉冷え机上のマラカス振ってみる 々

走り梅雨

〇向日葵の茎立ち直る走り梅雨 (ひまわりのくきたちなおるはしりつゆ) 〇走り梅雨瓦濡れたり乾いたり 河童三子 〇山頂の雲走らすや走り梅雨 々 〇梅雨まじか製紙の煙海へ行く 々

〇蛍舞ふ川の向こうは隣村 (ほたるまうかわのむこうはとなりむら) 〇看取り夜の簷下(のきした)に来る蛍かな 河童三子 〇幼日の蚊帳に放ちし蛍の火 々 〇戦世に父みまかりて幾ほたる 々

木苺

〇木苺が誘ひし径のほの暗く (きいちごがさそいしみちのほのぐらく) 〇木苺や八月の鯨みる姉妹 河童三子 〇木苺や幼心(おさなごころ)をかどわかす 々 〇木苺摘みコロポックルを見しと言ふ 々

油虫

〇一匹のごきぶり追ひて恙なし (いっぴきのごきぶりおいてつつがなし) 〇油虫嫌悪と憎悪理屈なく 河童三子 〇吾を避け髭振ってゐるごきかぶり 々 〇戦ひに疲れし今朝の油虫 々

目高

〇上向いて人懐かしき目高かな (うえむいてひとなつかしきめだかかな) 〇水族館〆はめだかを観て出でぬ 河童三子 〇買って来た水と酸素と目高四つ 々 〇銀目高白目高めを剥く高値 々

単衣

〇単衣きてカンブリア紀の海に浮く (ひとえきてかんぶりあきのうみにうく) 〇単衣着て胸のあたりのうそ寒き 河童三子 〇単衣来て路地行く人のくさめかな 々 〇単衣きて右脳体操してをりぬ 々

初鰹

〇初鰹藁灰まみれ焙らるる (はつがつおわらばいまみれあぶらるるるる) 〇初かつを久礼の港の祭かな 河童三子 〇真新し縞の合羽や初鰹 々 〇藁の火のぼおうと上る鰹まつり 々

蝸牛

〇フランスにでで虫食めばエスカルゴ (フランスにででむしはめばエスカルゴ) 〇蝸牛ベルベロベッロの石舐めて 河童三子 〇壁に這う忍者の動き蝸牛 々 〇それなりの家を背負うや蝸牛 々

葦切り

〇葦切りの父の来ぬ巣のさびしけれ (よしきりのちちのこぬすのさびしけれ) 〇子育ての夕餉の仕度行々子 河童三子 〇葦(よし)きりや国領川の西東 々 〇行々子渡船で帰る下校の子 々