2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧
◦荒神の灯りて路地に神迎え (こうじんのともりてろじにかみむかえ)
◦大楠の沸き立つ今朝は鳥渡る (おおくすのわきたつけさはとりわたる)
◦秋うららハイシニア達の草野球 (あきうららハイシニアらのくさやきゅう)
◦肩巾に腕吊る身かな秋深し (けんきんにうでつるみかなあきふかし)
◦鵯の悲喜めくるめくひと日かな (ひよどりのひきめくるめくひとひかな)
◦稲すずめ子らのいぬ野と思はざる (いなすずめこらのいぬのとおもわざる)
◦青菜干す枝に贄する鵙日和 (あおなほすえだににえするもずびより)
◦表札の字の丸みゆく野分かな (ひょうさつのじのまるみゆくのわきかな) 石垣りんの詩 若い頃に彼女の詩「シジミ」を朗読に聞いて、そのインパクトに圧倒されました。その後忘れていましたが、きのう図書館の本棚にみつけました。 「シジミ」 石垣りん 夜中…
◦数珠玉の祈りに見えて空青き (じゅずだまのいのりにみえてそらあおき) 三島祭りの最終日 昨夜は夜太鼓がでたのでしょう。団地の高台から高揚する太鼓の音が夜の10時ころまで響いていました。この祭りの最終日は私の誕生日でもあります。68回目になり…
◦門口の氏守りおり貴船菊 (かどぐちのうじまもりおりきふねぎく)
◦太鼓来て合羽の中の秋祭り (たいこきてかっぱのなかのあきまつり) 四国中央市の三島地区は 21日〜23日まで地域の秋祭りです。お隣の新居浜市や西条市のように祭りにかけるエネルギーの大きさは比べものになりませんが、地元の人たちの想いは一緒のよ…
◦短か日や晩学の徒のたゆたひし (みじかひやばんがくのとのたゆたひし) わが家にパソコン教室が発足しました。 教える人も教わる人も共に老齢、往きつ戻りつ、たゆたいながら短い日は過ぎていきます。また良きかな。
◦枸杞の実の赤き灯あわれ廃家より (くこのみのあかきひあわれはいかより)
◦銀杏のお宮の砂と拾われし (ぎんなんのおみやのすなとひろわれし)
◦抽き出しの団栗古りて世を継ぎし (ひきだしのどんぐりふりてよをつぎし)
◦椿の実鬢付けの香の祖母憶ふ (つばきのみびんつけのかのそぼおもう)
◦秋茜少年の背は夕日負ふ (あきあかねしょうねんのせはゆうひおふ)
◦幽かなる母の記憶や榠樝の実 (かすかなるははのきおくやかりんのみ) 庭のかりんの木が今年二度目の実をつけました。
◦螻蛄鳴く身のほどを知る地中かな (おけらなくみのほどをしるちちゅうかな)
◦旅をへて伊予路の山は青蜜柑 (たびおえていよじのやまはあおみかん)
◦山陰の旅うら浦に梨を剥く (さんいんのたびうらうらになしをむく)
◦秋の湯に温泉津の街のセピア色 (あきのゆにゆのつのまちのせぴあいろ)
◦秋燈や石見神楽の龍頭に (しゅうとうやいわみかぐらのりゅうとうに)
◦秋興に隠岐の島見る草枕 (しゅうきょうにおきのしまみるくさまくら)
◦龍田姫笠きておはす伯耆富士 (たつたひめかさきておはすほうきふじ)
◦出雲路の神と足湯の神無月 (いずもじのかみとあしゆのかんなづき)
◦栗飯の栗のさびしき世相かな (くりめしのくりのさびしきせそうかな)
◦ほつほつと湾つくりゆく秋燈 (ほつほつとわんつくりゆくあきともし)