天高し

            〇限界の集落広し天高し

             (げんかいのしゅうらくひろしてんたかし)

             

            〇天高し九十九折れていろは坂   河童三子

            〇にぎり飯腰に歩けば秋高し    々

            〇秋高し釣り糸投げて鳶釣れし   々

       

 

           〇籾干や菰が広がる楽しさよ

             (もみほしやこもをひろげるたのしさよ)

             

             〇籾筵並べて庭の座敷かな   河童三子    

             〇菰敷いて庭暖かや籾筵    々

             〇陽の庭に籾干見るや湖東線  々

 

露寒

           〇露寒や目覚めて重ね着る朝

               (つゆざむやめざめてかさねきるあした)

            

             〇露寒やさらりと炊きし芋の粥   河童三子

             〇夕暮の三日月清く露寒し     々

             〇露寒や停泊船の灯ともる     々

 

 

十月

            〇十月の人遠ざける火炎茸

              (じゅうがつのひととおざけるかえんたけ)

             

                〇十月や畑の人に芋もらふ     河童三子

             〇十月や野づらに蔓を焼く煙    々

             〇十月をスマホに撮れば毒茸    々

 

             

 

落し水

               〇魂の行方海へと落し水

               (たましいのゆくえうみへとおとしみず)

            

              〇落し水海へ流れて九月果つ   河童三子

             〇落し水夜もすがら鳴る狭の村  々 

             〇工場に終業のベル落し水    々

新生姜

              〇新生姜娶らず嫁がぬ兄妹

            (しんしょうがめとらずとつがぬあにいもうと

            

             〇小流れに洗ひ置かるる新生姜   河童三子

             〇伝道者来て新生姜の香に包む   々

             〇生姜刻む窓ぽつぽつと時雨初む  々

 

 

      

 

衣被

             〇はじかれて昔を忍ぶ衣被

               (はじかれてむかしをしのぶきぬかつぎ)

            

             〇衣被鉢かぶりとて器量よし   河童三子

             〇塩梅の極みに白し衣被     々

             〇かにかくに女の一生衣被    々