初しぐれ

            〇人待つ間足から冷えて初しぐれ

                (ひとまつまあしからひえてはつしぐれ)

            

             〇初時雨昼の駅舎に灯の燈る    河童三子

             〇野天市人走らせる初時雨      々

             〇初時雨瀬戸の唐橋絵のやうに    々

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   〈此の一句〉

   〇旅人とわが名よばれん初しぐれ     松尾芭蕉(1644━1694)

吾亦紅

            〇一番に風を喜ぶ吾亦紅

             (いちばんにかぜをよろこぶわれもこう)

       

          〇喜びも悲しみもある吾亦紅       河童三子

          〇吾亦紅チベット僧のツェンニー     々

          〇吾亦紅怒りにあげる拳かな       々

 From Buru to grandson

   

    

   〈此の一句〉

      〇嵐めく風が吹く丘吾亦紅     高木晴子(1915━2000)

秋袷

          〇秋袷着て昭和の人となりにけり

            (あきあわせきてしょうわのひととなりにけり)

            

            〇矢絣の母の俤(おもかげ)秋袷    河童三子

            〇今着るや叔母の形見の秋袷    々

            〇秋袷宿の湯へ行く長廊下      々

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   〈此の一句〉

   〇人は憂を包むやうにも秋袷     細見綾子(1907━1997)

青蕃椒

            〇青蕃椒此れに一とう泣かされる

                (あおばんしょうこれにいっとうなかされる)

                

               〇掛うどん青蕃椒入れ肝試し       河童三子

               〇蕃椒を好む民族に候(そうら)はず        々     

               〇赤鬼も喰らひて泣くや青蕃椒        々      

               〇 青蕃椒ペンキ塗りたてに候(そうろ)ふ    々    

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   〈此の一句〉

   〇煮る前の青唐辛子手に久し     日野草城(1901━1956)

皇帝ダリア

            〇皇帝のダリア見上げる十一月

             (こうていのダリアみあげるじゅういちがつ)

            

            〇皇帝ダリア竹の杖ついて咲く      河童三子

            〇仰ぎ見る皇帝ダリアは空仰ぐ      々

            〇二階にて皇帝ダリアと貌合わす     々

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   〈此の一句〉

   〇腰のばし皇帝ダリア仰ぎけり      阿部文子(不詳)

 

ハロウィン

          〇百均に魔女の衣装もハロウィン

            (ひゃくっきんにまじょのいしょうもハロウィン)

          

           〇ハロウィンや魔女ぶりのすぐ板に付き  河童三子

           〇トラックも出てハロウィンの南瓜行く  々

           〇ハロウィンの南瓜疲れて皺だらけ    々

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   〈此の一句〉

   〇乳母車に魔女の児もゐるハロウィン     成宮紀代子(不詳)

冬瓜

           〇朝市の冬瓜抱いてみる人も

             (あさいちのとうがんだいてみるひとも)

       

          〇冬瓜抱いて赤児のやうに揺ってゐる  河童三子

          〇冬瓜を煮て思ひ出しをり夫のこと   々

          〇冬瓜や誌の掲載は一句のみ      々

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   〈此の一句〉

   〇冬瓜や霜ふりかけし皮の色     正岡子規(1867━1902)