かわほり

         〇かわほりや運河の街の灯ともしに

             (かわほりやうんがのまちのひともしに)

            

            〇黒繻子着てかわほりの夜遊びか   河童三子

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豆飯

          〇一人炊く豆飯によき豆もらふ

             (ひとりたくまめめしによきまめもらう)

           

            〇一合の豆飯三度食べ余す     河童三子

            〇豆ごはん塩按配も色も良く   々

            〇豆もろて豆飯炊きぬ一人かな  々

 

あいの風

            〇とび魚の羽の傾きあいの風

              (とびうおのはねのかたむきあいのかぜ)

            

            〇江津より電話かかりしあいの風    河童三子

            〇サーフィンの子を引き戻すあいの風  々

            〇あいの風少し悲しきみすずの海    々

都草

              〇俤の烏帽子哀しき都草

               (おもかげのえぼしかなしきみやこぐさ)

           

            〇外つ国の陽だまりにあり都草   河童三子

            〇都草咲く砂山の離宮めく     々

            〇流木に波の夢みる都草      々

 

麦の秋

          〇松っつあんとおよねが雀麦の秋

             (まっつあんとおよねがすずめむぎのあき)

           

            〇麦秋や薄っすら埃る風狂伝    河童三子

            〇二階より烏が下に麦の秋     々

            〇麦秋やコットンコットン一輌車  々

 

サングラス

          〇サングラスかけ遠足の列よぎる

             (サングラスかけえんそくのれつよぎる)

             

           〇もう少し胸を張れよとサングラス    河童三子

           〇白杖を持てと囃しぬサングラス     々

           〇サングラスの奥大胆に値踏みする    々

 

薄暑

          〇磨ガラス薄暑のへやに受診待つ

             (すりガラスはくしょのへやにじゅしんまつ)

           

            〇葱闌けて麦の高さや薄暑来る   河童三子

            〇大学の門のはき出す薄暑かな   々

            〇嵐電に薄暑が乗って嵐山     々