2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
◦もの思ふかたち余白に四月尽 (ものおもふかたちよはくにしがつじん)
◦変遷を平成に老ゆる昭和の日 (へんせんをへいせいにおゆるしょうわのひ)
◦陽炎をバスの来て旅はじまりぬ (かげろうをバスのきてたびはじまりぬ)
◦小次郎のつばめ返しに斬る燕 (こじろうのつばめがえしにきるつばめ)
◦春泥や原発村の牛はしる (しゅんでいやげんぱつむらのうしはしる)
◦夕刻の歩兵点呼す葱坊主 (ゆうこくのほへいてんこすねぎぼうず)
◦手品師の鳩を集める暮春かな (てじなしのはとをあつめるぼしゅんかな)
◦驟雨きて踵かへせば春の虹 (しゅううきてきびすかえせばはるのにじ)
◦アパレルにあれこれ迷う春の旅 (アパレルにあれこれ迷う春の旅)
◦城北を道後へ回る春電車 (しろきたをどうごへまわるはるでんしゃ)
◦遠足や十五万石は食べるもの (えんそくやじゅうごまんごくはたべるもの)
◦満月を廚に恨む浅蜊かな (まんげつをくりやにうらむあさりかな) 夜中に目が覚めました。窓の外は煌煌とした満月で、その明るさに起こされた のでしょう。明日の俳句はこの「春の月」にしようかな、とりあえず起き上がって階下に降り立ちました。 月の光は…
◦飯蛸の壷引いて古代を覗く (いいだこのつぼひいてこだいをのぞく) ぼちぼちスーパーの店頭に飯蛸が出回り始めました。蛸好きの私には何となく心がはずみます。この飯蛸漁は弥生時代から行われていたようで、日本人は古代から蛸好きな民族だったのです。蛸…
◦丘の田へ水引けば海の霞て (おかのたへみずひけばうみのかすみて)
◦茎立の翌を憂れうる宵の月 (くきだちのあすをうれうるよいのつき)
◦一枚に全景いれて田打ち済む (いちまいにぜんけいいれてたうちすむ)
◦春潮や島へ泳がす犬の恋 (しゅんちょうやしまへおよがすいぬのこい)
◦丘に来て笑う山にや抱かれぬ (おかにきてわらうやまにやいだかれぬ)
◦脚ながき男の子になりて進級す (あしながきおのこになりてしんきゅうす)
◦原発遠くいかなごの漁響く (げんぱつとおくいかなごのりょうひびく)
◦春泥や明日の神話の目暗し (しゅんでいやあしたのしんわのめくらし)
◦春展に帰雁洛陽王湾詩 (しゅんてんにきがんらくようおうわんし)
◦ままごとの父さんは留守はなむしろ (ままごとのとうさんはるすはなむしろ)
◦爺婆の櫻の園の舞台かな (じいばあのさくらのそののぶたいかな)
◦車座に部活の子らの春の宵 (くるまざにぶかつのこらのはるのよい)
◦物思ふ春暁のいと明け易し (ものおもうしゅんぎょうのいとあけやすし)
◦早やばやと大工が家の初幟 (はやばやとだいくがいえのはつのぼり)
◦客人をセルフうどんへ風光る (きゃくじんをセルフうどんへかぜひかる)
◦銭形に外つ国の黄砂降り積む (ぜにがたにとつくにのこうさふりつむ) 茫々に生えた庭の草を帰省している母子がきのう半日がかりで取ってくれました。水仙の花も少しは誇りを取り戻せたのでしょう、今朝は心なしか生気が感じられます。そこで孫が一句。 ◦水…
◦畠を焼く烟の這へば人も這う (はたをやくけむりのはえばひともはう)