2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧
◦天空にサーカスの舞ひ秋の鵯 (てんくうにサーカスのまいあきのひよ)
◦水引の花慎ましき祝ひ哉 (みずひきのはなつつましきいわいかな)
◦漸寒や雀が起こす寝屋の窓 (ややさむやすずめがおこすねやのまど)
◦後の月廚に出て寝間に入る (あとのつきくりやにいでてねまにいる)
◦黒豆の粉に丹波の霜のあと (くろまめのこなにたんばのしものあと)
◦捨てた句を夢中に拾う夜寒かな (すてたくをむちゅうにひろうよさむかな)
◦秋の蚊を宙に広げて叩きけり (あきのかをちゅうにひろげてたたきけり)
◦古稀の歯に入れ歯入れよと秋の医者 (こきのはにいればいれよとあきのいしゃ)
◦七十を太鼓が祝う秋まつり (七十をたいこがいわうあきまつり)
◦軽トラの神輿走るや泡立草 (けいトラのみこしはしるやあわだちそう)
◦またおいて太鼓の音や秋暮れる (またおいてたいこのおとやあきくれる)
◦秋興や頬肘にリスト聞く一日 (しゅうきょうやほおひじにリストくひとひ)
◦銀杏の柄の実ふたつや潤びけり (ぎんなんのえのみふたつやほとびけり)
◦山寺の秋燈ゆれる脇障子 (やまでらのしゅうとうゆれるわきしょうじ)
◦水澄むや縞馬かける夜の夢 (みずすむやしまうまかけるよるのゆめ)
◦黒雲の颱風去りし後を追ふ (くろくものたいふうさりしあとをおう)
◦宮入や国道に練る里祭 (みやいりやこくどうにねるさとまつり)
◦神の留守宮に投げらる神輿かな (かみのるすみやになげらるみこしかな)
◦椋の実を鳥が落せば濃紫 (むくのみをとりがおとせばこむらさき)
◦大紙の一枚合わせ障子貼る (おおがみの一まいあわせしょうじはる)
◦風の来て机上に置きし秋思かな (かぜのきてきじょうにおきししゅうしかな)
◦落葉松の風が落しぬ新松子 (からまつのかぜがおとしぬしんちぢり)
◦匙添えてきみに出される熟柿かな (さじそえてきみにだされるじゅくしかな)
◦枝払われて秋茄子の色深し (えだはらわれてあきなすのいろふかし)
◦牛膝付いては来たが波の際 (いのこづちついてはきたがなみのきわ)
◦客に出す郷土料理や芋の秋 (きゃくにだすきょうどりょうりやいものあき)
◦一人いて海になりしか秋の雨 (ひとりいてうみになりしかあきのあめ)
◦メーカーの幟の中の秋普請 (メーカーののぼりのなかのあきふしん)
◦秋潮や補陀落へ向く小舟かな (あきしおやふだらくへむくこぶねかな)
◦秋うらら瓢箪島の曳かれいく (あきうららひょうたんじまのひかれいく)