2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧
アマルフィーに来ています。お天気は快晴で海の色は世界遺産の色です。ここにエメラルドの洞窟を見る商売があって、四角い箱船に乗って30〜50平方メートル未満の洞窟の中をほんの5分ほどまわるのですが、これで5€。ツアーだから辛抱できますが、自前のお金…
◦山深く茂り入り往く五月尽 (やまふかくしげりいりゆくごがつじん)
日曜日のシニョリア広場はさまざまな人種に溢れていました。市街地にはバスが入れないため、そこへ行く道を現地のガイドに案内されて、細い路地を右へ曲がり左に折れたり、カメラのシャッターをカシャカシャ。その通りの建物から出てきた初老の紳士は我々の…
◦浅漬けの夏かぶら添え朝茶粥 (あさづけのなつかぶそえあさちゃがゆ)
昨日サンマルコ広場で書いたハガキは日本へ無事に着くのかどうか、どうも宛先を間違えた気がします。イタリアの夢のような旅に頭が興奮して大聖堂の塔の辺り迄舞い上がっているのでしょう。「ベニスを観て死ね」と誰かが言っていた様に、ベニスは魅惑の街で…
◦藁しべにひたすら縋る瓜の蔓 (わらしべにひたすらすがるうりのつる)
今、サンマルコ広場の敷石に座って鐘楼から響く鐘の音を聞きながらこれを書いています。この聖なる広場でちょっとしたハプニングがありました。 トイレは使用料が一人1、5€いるのですが、下の入り口で集める人が居て二人で3€だと手をだすので、3€払って…
◦野良着ぬぎ梅雨の走りに髪を切る (のらぎぬぎつゆのはしりにかみをきる)
◦緑陰やふと口ずさむ待ちぼうけ (りょくいんやふとくちずさむまちぼうけ)
北欧(北極圏まわりで)フィンランドのヘルシンキに午後到着。飛行中はツンドラの氷原や氷の大地が延々と広がり、神秘的でした。まさしく地球を見るという規模の眺めにわれわれの住む地球は青い星であるということを確認しました。 フィンランド空港に降り立…
◦のびるのびるや野蒜の花ののびる (のびるのびるやのびるのはなののびる)
◦早ばやと旅へ出る荷と衣更へ (はやばやとたびへでるにところもがへ)
◦滴りの堪へて一滴生まるらん (したたりのたえていってきうまるらん)
◦蛙らの渋谷銀座か明け早し (かえるらのしぶやぎんざかあけはやし)
◦短夜の夢に二幕を拵へり (みじかよのゆめににまくをこしらえり)
◦石載せて屋根に夏日の余熱かな (いしのせてやねになつびのよねつかな)
◦薫風やあす棟上がる束柱 (くんぷうやあすむねあがるつかばしら)
◦廃屋の枇杷一本に袋掛け (はいおくのびわいっぽんにふくろかけ)
◦夏めくや波止に網干す船泊まり (なつめくやはしにあみほすふなどまり)
◦暁の雲よりきたる聖五月 (あかつきのくもよりきたるせいごがつ)
◦水馬のかさなり合うて水かるし (あめんぼのかさなりおうてみずかるし) 下のは、わたしが田圃で撮った水生昆虫の写真です。すぐ思い浮かべた虫の名まえは「あめんぼ」でしたが、イメージしていたより躯が太めだったから水面は一時いるだけで、すぐどこかへ…
◦豌豆やジャックが登る空の城 (えんどうやジャックがのぼるそらのしろ) 今朝のフォト取材、(どこかの記者のようですが)散歩の途中甘いみかんの香りに誘われて茂みに入り込むと、足元に野いちごが実っていました。かがみ込んで3つ4つ口に入れてみると、…
◦罌粟の花はらりと落ちる眠りかな (けしのはなはらりとおちるねむりかな)
◦雨三日四日鳴きたる雨蛙 (あめみっかよっかなきたるあまがえる) 颱風一号がからんだ雨もようがつづいています。お陰で今年最初の雨蛙の洗礼を受けることになりました。ぐじゅっ、ぐじゅっとひとりごとを呟いていてくれるうちはいいのですが、拡声器にでも…
◦思ひため茅花流しの時を待つ (おもいためつばなながしのときをまつ) タンポポの綿毛を目の高さで夕闇に透かして見ると、昼間そこに立っている姿とは別の造形が構築されています。ひっそりとした幻想の世界に吸い込まれそうです。 ちょっとしたひと風に分…
◦幾たびも手に確かむる若葉雨 (いくたびもてにたしかめるわかばあめ)
◦弔ひて鳴き砂踏めばしかた吹く (とむらいてなきすなふめばしかたふく) 娘婿のお父さんが亡くなられて、島根県の江津へ葬送に参列して来ました。ここのお通夜に座って初めて浄土真宗のお経に触れましたが、「なも〜だ、なも〜だぶ、南無阿弥陀仏」とご導主…
◦晩鐘や植田に夕日落ちにけり (ばんしょうやうえたにゆうひおちにけり)
◦枯れ鹿尾菜岩に濯がす卯波かな (かれひじきいわにすすがすうなみかな)