2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月尽

〇海山を詠む駄句ならべ五月尽 (うみやまをよむだくならべごがつじん) 〇六投句掲載二句に五月尽 河童三子 〇クレーンと都会の空と五月尽 々 〇採血の順番を待つ五月尽 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇沈む日のあまりに大き五月尽 三浦カヨ子(酸漿)

玉葱

〇玉葱を島の長さに並べられ (たまねぎをしまのながさにならべられ) 〇夕暮の玉葱金に輝やきぬ 河童三子 〇玉葱の香が鼻突くや軒の下 々 〇玉葱に三和土(たたき)取られし家を訪ふ 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇玉葱のころげてありし海女の村 伊谷詢子(不…

五月病

〇三毛猫に避妊手術や五月病 (みけねこにひにんしゅじゅつやごがつびょう) 〇庭の木に登って見るや五月病 河童三子 〇五月病塵処理場へトラックで 々 〇しおかぜや鳴門の潮に五月病 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇ガードレールに腰かけてゐる五月病 林誠司(…

青葉雨

〇青葉雨杭に川鵜の只管打坐 (あおばあめくいにかわうのしかんたざ) 〇青葉雨柳の下に鯰かな 河童三子 〇交替の皇居の兵に青葉雨 々 〇ストーブに灯油入れ足す青葉雨 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇霧くらし青葉のいきれ地を這へる 瀧春一(1901━1996)

袋掛

〇南国の枇杷山飾る袋掛 (なんごくのびわやまかざるふくろがけ) 〇西向の枇杷に黄色い袋掛 河童三子 〇青枇杷に太陽の色袋掛 々 〇袋掛一房づつのテントかな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇山国の空は底なし袋掛 林徹(1926━2008)

卯の花腐し

〇窓の外は卯の花腐しジャムを煮る (まどのとはうのはなくだしじゃむをにる) 〇渦潮の道より覗く卯の花腐し 河童三子 〇玉葱の中の腐りや卯の花腐し 々 〇卯の花腐し蛙の轢死仰向けに 々 ブル便り (此の一句〉 〇ひと日臥し卯の花腐し美しや 橋本多佳子(…

蛇の衣

〇蛇の衣や原罪の跡のこしをり (へびのいやげんざいのあとのこしおり) 〇松の枝にしっとり掛る蛇の衣 河童三子 〇蛇の衣や再生に身をくねらせる 々 〇蛇脱皮地を這ふ業を背負ひけり 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇御仏の膝の上なり蛇の衣 小林一茶(1763━182…

蚕豆

〇蚕豆のみな黒ずみて漁師村 (そらまめのみなくろずみてりょうしむら) 〇蚕豆のお多福顔を好まれて 河童三子 〇蚕豆や黒き爪して仕事人 々 〇蚕豆やチベット僧の手問答 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇蚕豆の今年強気の値を持して 鈴木真砂女(1906━2003)

箱根空木

〇浜風や箱根空木と海辺のホテル (はまかぜやはこねうつぎとうみべのホテル) 〇紅白に箱根空木や鳴門道 河童三子 〇白から赤箱根空木の移ろひぬ 々 〇躑躅(つつじ)の後箱根空木の花咲けり 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇富士見えぬ峠の箱根空木かな 土屋勝…

〇萍の流れながれて下京区 (うきぐさのながれながれてしもぎょうく) 〇萍や深泥池の天然物 河童三子 〇浮草の偶数に増へ栄けり 々 〇モネの池模す池の萍となる 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇浮草や蛙のつらの浮きあがる 寺田寅彦(1878━1936)

穴子

〇夜が明けて提に浮かぶや穴子釣り (よがあけてていにならぶやあなごつり) 〇飛び交うやウキの光の穴子釣り 河童三子 〇釣り上げし穴子の貌の怒りかな 々 〇明方の油断に穴子釣られけり 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇尾道や手押車の穴子売 冲鴎潮(不詳)

青葉潮

〇青葉潮黒き海よりかつを跳ぶ (あおばじおくろきうみよりかつおとぶ) 〇万次郎漂流記など青葉潮 河童三子 〇青葉潮みなと賑はす藁炎 々 〇鯛旨し鳴門を回る青葉潮 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇椰子の実の乗って来さうな青葉潮 塚腰杜尚(1922━2013)

サングラス

〇サングラス目にもの言はす漢かな (サングラスめにものいわすおとこかな) 〇近寄れば垂れ目が笑ふサングラス 河童三子 〇胸元にサングラス湘南の海 々 〇目を病みて心隠しぬサングラス 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇サングラスかけて薄暑の軽井沢 田中冬二…

踊り子草

〇踊子草夕べの雨の雫かな (おどりこそうゆうべのあめのしずくかな) 〇ガウディーのマリアの塔や踊子草 河童三子 〇輪舞する踊子草のトゥシューズ 々 〇喝采のカーテンコール踊子草 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇おへんろの通り過ぎたる踊子草 今井千鶴子(…

夏霞

〇夏霞山を隠して子を攫ふ (なつかすみやまをかくしてこをさらう) 〇夏霞行方不明の子が帰る 河童三子 〇混沌の中泳ぐかに夏霞 々 〇すぐそこの島を隠して夏霞 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇山々に懸かれば青き夏霞 木暮陶句郎(1961━)

草笛

〇草笛や田苗の風に乗ってくる (くさぶえやたなえのかぜにのってくる) 〇草笛やただヴィーヴィーと鳴くばかり 河童三子 〇草笛や鷺首上げて聞きにけり 々 〇草笛を作る授業や三年生 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇からたちに来て草笛の曲変る 中戸川朝人(19…

棕櫚の花

〇しゅるしゅると伸びて高きに棕櫚の花 (しゅるしゅるとのびてたかきにしゅろのはな) 〇一房で満腹しそう棕櫚の花 河童三子 〇バナナでもヤシの実でなく棕櫚の花 々 〇棕櫚の蕾レシピを作る気にさせる 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇棕櫚の花海に夕べの疲れ…

穀象虫

〇備蓄米放出されて穀象虫 (びちくまいほうしゅつされてこくぞうむし) 〇穀象虫絶滅危惧の憂ひかな 河童三子 〇田の苗に穀象虫と名を予約 々 〇穀象の消えて戦時下戻けり 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇穀象の住むほどもなき米買うて 樋笠文(不詳)

若葉

〇マグカップのホットミルクと窓若葉 (マグカップのホットミルクとまどわかば) 〇柿若葉あまねく光転がりぬ 河童三子 〇壁登り屋上覗く蔦若葉 々 〇大欅三階窓の若葉かな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇若葉して光は光影は影 今橋眞理子(1952━)

母の日

〇無事にゐて母の日忘れられしかな (ぶじにいてははのひわすれられしかな) 〇母の日の音沙汰もなくきのう過ぐ 河童三子 〇母の日や行く径果てて道祖伸 々 〇母の日や女の道の一里塚 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇母淋しがらせし遠き母の日も 山田弘子(1934…

生節

〇生り節蕗筍と煮物鉢 (なまりぶしふきたけのことにものばち) 〇しっとりと出汁沁むまで生節煮る 河童三子 〇母の煮し生節の味懐かしき 々 〇京に食ぶ蕗筍と生節煮 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇ノスタルジーとは生節のある夕餉 安倍正浩(不詳)

リラ

〇胸の上に詩集眠らすリラの夜 (むねのえにししゅうねむらすリラのよる) 〇人を待つ翳りの中やリラの冷 河童三子 〇釣人のロワール河やリラの花 々 〇リラ咲くやセーヌの船にキスの影 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇重ねあふ真昼の翳りリラ白し 今橋真理子(…

青嵐

〇青嵐白い煙がバチカンに (あおあらししろいけむりがバチカンに) 〇棕櫚の葉を号泣させし青嵐 河童三子 〇奉書紙に筆をかまへて青嵐 々 〇青嵐棚田の水の舞い上がる 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇青嵐死にゆく人の力かな 内田美紗(1938━)

風薫る

〇空の涯不老不朽の風薫る (そらのはてふろうふきゅうのかぜかおる) 〇風薫る桃源郷に珈琲の香や 河童三子 〇風薫る元町に麺麭焼きあがる 々 〇ロケット落下EEZ内は薫風 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇薫風大文字を吹く神の杜 正岡子規(1867━1902)

燕の巣

〇燕の巣六家族なる長屋門 (つばめのすろくかぞくなるながやもん) 〇巣燕や昼のラジヲの村便り 河童三子 〇本能に目覚めて仔猫巣燕見る 々 〇燕の巣ここも少子化志向かな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇店じまひしたる米屋の燕の巣 塩谷康子(不詳)

羊の毛刈る

〇羊の毛刈られ肥満の体ろてい (ひつじのけかられひまんのたいろてい) 〇羊の毛刈るバリカンのリズミック 河童三子 〇外套を脱ぐやうに羊毛刈らるる 々 〇手際よく刈られ羊の夢心地 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇とら刈の羊ほほえみきたるかな 山田六甲(不…

立夏

〇我が山は峯の向こうや夏来る (わがやまはみねのむこうやなつきたる) 〇山の影いよいよ濃くしきょう立夏 河童三子 〇口あけて立夏の光呑みこみぬ 々 〇田の水に山を映して夏立ぬ 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇橡欅雲美しと見る夏来たり 及川貞(1899━1993)

柏餅

〇柏餅物性研に柏の樹 (かしわもちぶっせいけんにかしわのき) 〇昔より今が嬉しき柏餅 河童三子 〇柏の葉ほのかに薫り柏餅 々 〇柏餅分け隔て無く育ちしや 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇男の子あり並みに育ちて柏餅 ふけとしこ(1946━)

憲法記念日

〇渋滞の憲法記念日逆走す (じゅうたいのけんぽうきねんびぎゃくそうす) 〇憲法記念日アカハタ読んだ日も 河童三子 〇新聞に泥付け憲法記念日 々 〇憲法記念日休日のファームかな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇国旗立つ憲法記念日のパン屋 山田弘子(1934━2…

子猫

〇朝市の隅に子猫の筐置かる (あさいちのすみにこねこのはこおかる) 〇穢れなき子猫の肉球薄桃色 河童三子 〇仔猫の目もろて呉れろと哀願す 々 〇哀れ気に装ふ仔猫貰われし 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇虹消えゆく仔猫一匹いりませんか 鮫島康子(不詳)