2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

紙漉

◦紙漉や雁皮の水の和みけり (かみすくやがんぴのみずのなごみけり)

遅き日

◦遅き日や夕餉の窓に沖光る (おそきひやゆうげのまどにおきひかる)

遠霞

◦もの言わぬ一日に海の遠霞 (ものいわぬひとひにうみのとおがすみ)

◦『おもいのまま』という梅の贈られて (おもいのままといううめおくられて)

春泥

◦春泥を辿れば籠の青い鳥 (しゅんでいをたどればかごのあおいとり)

朝霞

◦浦を出る隻を隠くすや朝霞 (うらをでるせきをかくすやあさがすみ)

春浅し

◦春浅し堂に遠忌の経を聞く (はるあさしどうにえんきのきょうをきく)

霜くすべ

◦籾殻の焼土くろぐろ霜くすべ (もみがらのしょうどくろぐろしもくすべ)

冴返る

◦用に立つ階の軋みや冴返る (ようにたつかいのきしみやさえかえる)

ねこやなぎ

◦ねこやなぎ祖母の背中に銀の空 (ねこやなぎそぼのせなかにぎんのそら)

雪代

◦雪代や荒ぶ行者の走るかな (ゆきしろやすさぶぎょうじゃのはしるかな)

猫柳

◦猫柳日に日に水の増すことよ (ねこやなぎひにひにみずのますことよ)

斑雪

◦斑雪きのふより今日暖かし (まだらゆききのうよりきょうあたたかし)

雪閑

◦雪閑狩猟の民にバイアスロン (ゆきしずかしゅりょうのたみにバイアスロン)

落椿

◦落椿茶呑み話に又ひとつ (おちつばきちゃのみばなしにまたひとつ)

春耕

◦春耕や牛馬の米を作れとや (しゅんこうやぎゅうばのこめをつくれとや)

氷上

◦氷上の黒人紅いコスチューム (ひょうじょうのこくじんあかいコスチューム)

雪の端

◦ジャンプする飛景に雪の端見えて (ジャンプするひけいにゆきのはしみえて)

亀鳴く

◦亀鳴くと言ってはみたが憂き晴れず (かめなくといってはみたがうきはれず)

淡雪

◦淡雪の靴底やわし朝かな (あわゆきのくつそこやわしあしたかな)

牡丹雪

◦牡丹雪一戸一戸の包みかな (ぼたんゆきいっこいっこのつつみかな)

凍戻る

◦賃上げの話も出るが凍戻る (ちんあげのはなしもでるがいてもどる)

春寒し

◦春寒し「和」という心擦りけり (はるさむしわというこころこすりけり) NHK全国俳句大会の平成26年度の題詠は「和」ということです。

寒明く

◦寒明くと謂ひ婚活の鴉かな (かんあくといいこんかつのからすかな)

春隣

◦手のひらの薬ころがる春隣 (てのひらのくすりころがるはるどなり)

追儺

◦追儺なる豆が飛礫となりて打つ (ついななるまめがつぶてとなりてうつ)

柊挿す

◦柊挿す独り暮らしの盾ならむ (ひいらぎさすひとりぐらしのたてならん)

霜柱

◦エフェソスの遺跡のごとき霜柱 (エフェソスのいせきのごときしもばしら)