2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

山粧ふ

◦今朝の山粧ふところ匿しけり (けさのやまよそおうところかくしけり)

木の実雨

〇胸底の音聞いている木の実雨 (むなそこのおときいているきのみあめ)

松手入れ

◦松手入れ降り来て闇に包るる (まつていれおりきてやみにつつまるる)

榠樝の実

◦榠樝の実少しあそびの欲しいもの (かりんのみすこしあそびのほしいもの)

後の月

◦後の月寺の法話の帰り道 (のちのつきてらのほうわのかえりみち) 2015年(平成27年) 高野山開創1200年記念大法会に因んで、各真言宗の寺で法話があった。 檀那寺の実相寺でも漏れなく行われて、高野山から派遣された僧の法話を村人一同は拝聴し…

冬したく

◦ふる里や背中に重き冬したく (ふるさとやせなかにおもきふゆしたく)

稲架

◦山峡の稲架は夕日に遠かりき (さんきょうのはざはゆうひにとおかりき)

ひつじ稲

◦雀らに憂ひなき日やひつじ稲 (すずめらにうれいなきひやひつじいね)

新米

◦故郷や新米一俵のみやげかな (ふるさとやしんまいいっぴょうのみやげかな)

秋まつり

◦太鼓ゆく野面の中の秋まつり (たいこゆくのづらのなかのあきまつり)

昼の霧

◦夫婦岩綱重くなる昼の霧 (めおといわつなおもくなるひるのきり)

秋更けり

◦ふる里は人の手厚く秋更けり (ふるさとはひとのてあつくあきふけり)

秋の空

◦信楽やたぬき羅漢に秋の空 (しがらきやたぬきらかんにあきのそら)

秋深く

◦秋深く天岩戸に水を汲む (あきふかくあまのいわとにみずをくむ)

秋雨

◦秋雨や遷宮まぢか御敷地 (あきさめやせんぐうまぢかおんしきち)

秋天

◦秋天に少年癒えてブーメラン (しゅうてんにしょうねんいえてブーメラン)

天高し

◦天高し畑に円座の野良しごと (てんたかしはたにえんざののらしごと)

秋の暮

◦大根の間引き仕舞ふや秋の暮 (だいこんのまびきしまうやあきのくれ)

秋刀魚焼く

◦秋刀魚焼く家肉じゃがの家通る (さんまやくいえにくじゃがのいえとおる)

木犀

◦裏戸開け木犀の香を閉じ込める (うらどあけもくせいのかをとじこめる)

ばったんこ

◦家も畑も草生ふ処ばったんこ (やもはたもくさおうところばったんこ)

◦うらうらと汐満ちくるや月のせて (うらうらとしおみちくるやつきのせて)

秋漁

◦秋漁の戻り来も夜は明けぬまま (あきりょうのもどりくもよはあけぬまま)

葦刈る

◦親鸞の片葉の葦も刈らるるや (しんらんのかたはのあしもからるるや) 親鸞上人は 流罪で越後へ流されましたが、舟で直江津に上陸して、すぐその地の居多神社に一日も早い放免を祈願したところ、一夜のうちにその辺の葦はみな片葉になったという伝説があり…

飛騨の秋

◦店先にどぶろく飲めり飛騨の秋 (みせさきにどぶろくのめりひだのあき) 白川郷には 五つの神社があって、秋にはそれぞれの神社でどぶろく祭りが開催されます。 今年は10月14日〜19日の期間です。とろりとして濃厚な味に体の芯から酔いがまわります。

落し水

◦落し水北陸に悲話多かりき (おとしみずほくりくにひわおおかりき) 北陸道には 越前余呉湖の菊石姫と龍神伝説、越中尼御前の物語り、越後の親不知など哀しい話がたくさんあります。

蕎麦の花

◦一面に清貧しろき蕎麦の花 (いちめんにせいひんしろきそばのはな) 今の時季 国道の両側は蕎麦の白い花が一面に咲いていました。白い花は蕎麦という地味な食材からか、どんなに広く咲き誇っていても豊かさの印象はなく、むしろ広がって咲けば咲くほどその…

秋の庭

◦合掌の家にシーツ干す秋の庭 (がっしょうのやにシーツほすあきのにわ) 世界遺産に暮す 日常生活の大変さは充分にわかります。

すすき

◦合掌の屋根より高きすすき哉 (がっしょうのやねよりたかきすすきかな) 北陸本線は 美川駅で脱線して、東海北陸自動車道を白川郷へ寄り道しました。

◦山中に芭蕉も来たり菊の頃 (やまなかにばしょうもきたりきくのころ) 松尾芭蕉は 「奥の細道」の旅の途中、山中温泉に杖をとどめました。 ー山中や菊は手折らじ湯のにほひー 芭蕉