2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒雷

〇寒雷やお腹にひびくビバルディー (かんらいやおなかにひびくビバルディー) 〇寒雷や未明の玻璃を震わせる 河童三子 〇ユトリロの白の街角寒の雷 々 〇寒雷や山は静かに眠ったまま 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇寒雷や肋骨のごと障子ある 臼田亜浪(1879━1…

冬麗

〇冬うらら烏ひらひら汐遊び (ふゆうららからすひらひらしおあそび) 〇冬麗や東向きたる鬼瓦 河童三子 〇裏山の三千尺や冬うらら 々 〇冬うらら錨を上げて船帰る 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇冬麗や汐に漂ふ松ぼくり 鈴木真砂女(1906━2003)

〇雪山の朝焼けの窓一人占む (ゆきやまのあさやけのまどひとりしむ) 〇石鎚や今朝新しき雪に装う 河童三子 〇一編の雪の詩得むと窓の一日 々 〇雪予報想定外の雪の量 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇駅の名の峠と呼ぶや雪の声 寺田虎彦(1878━1935)

手袋

〇手袋の人差し指の解れ糸 (てぶくりのひとさしゆびのほつれいと) 〇ランナーの投げ捨てゆける手袋か 河童三子 〇スマホ打つ手袋の指鋏に剪る 々 〇手袋の中指噛んで脱ぎにけり 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇寒雀わが手袋の色に似る 田中冬二(1894━1980)

白菜

〇白菜を二つに斬れば仰向きぬ (はくさいをふたつにきればあおむきぬ) 〇白菜の旬をざっくり二つにす 河童三子 〇白菜をザクザク切ってキムチ鍋 々 〇白菜は尻の絞まりを見て買ひぬ 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇洗はれて白菜の尻陽に揃ふ 楠本憲吉(1921━1…

悴む

〇英文のスペル打つ指悴めり (えいぶんのスペルうつゆびかじかめり) 〇悴める心身かくし娘にメール 河童三子 〇悴むや大統領のサインペン 々 〇悴むや我が氷河期の八十代 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇氷河期の人類と共に悴みぬ 相馬遷子(1908━1976)

初天神

〇初天神梅の香の匂袋かな (はつてんじんうめのかのにおいぶくろかな) 〇初天神牛の頭へ寄り付けづ 河童三子 〇初天神去年の嘘とことしの鷽 々 〇初天神裏へつづきし梅の道 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇日おもてに雀群れたり初天神 柴田白葉女(1906━1984)

水仙

〇花盗人野水仙とて心寧し (はなぬすっとのすいせんとてこころやすし) 〇一輪挿して凛としている野水仙 河童三子 〇野水仙三本挿して愛らしく 々 〇投げ入れて元の元気に野水仙 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇考へてをる水仙ほころひる 種田山頭火(1882━194…

寒卵

〇モンサンミッシェルふんわり寒卵 (モンサンミッシェルふんわりかんたまご) 〇寒卵鶏舎どんどん山登る 河童三子 〇寒卵赤ならさらに尊ばれ 々 〇核といふ最初のいのち寒卵 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇つつましく日を過ごしをり寒卵 森澄夫雄(1919━2010)

寒雷

〇寒雷やプレジデントのサインかな (かんらいやプレジデントのサインかな) 〇寒雷を旨とす父の像消えし 河童三子 〇寒雷や何か崩れる音にあらむ 々 〇寒雷の光の後の音震ふ 々 ブル便り 1月21日の絵 1月22日の絵 〈此の一句〉 〇寒雷や針を咥へてふり返り…

寒晴れ

〇寒晴れやマストに鴎休ませて (かんばれやマストにかもめやすませて) 〇雲一つ天照の山寒の晴 河童三子 〇電柱の鴉のびする寒の晴れ 々 〇寒晴れや地球錯綜する電波 々 ブル便り 1月21日の絵 1月22日の絵 〈此の一句〉 〇寒晴れの誰も気付かぬ誕生日 中原…

大寒

〇深夜ラジオ消して大寒入りにけり (しんやラジオけしてだいかんいりにけり) 〇大寒やマグカップの温もり抱く 河童三子 〇杉の木を伐られ大寒の鴉かな 々 〇一口の骨沁みゆける寒の水 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇花林糖噛み大寒の音立つる 原裕(1930━199…

冬菜畑

〇予後の日の冬菜届くや縁日向 (よごのひのふゆなとどくやえんひなた) 〇採りだちの冬菜商ふ無人棚 河童三子 〇蕪すずなすずしろの畝冬菜畑 々 〇若冲の果蔬図巻やう冬菜畑 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇海に尽く一村冬菜濃かりけり 鷲谷七菜子(1923━2018)

冴える

〇五年目の予後を迎へて冴へ返る (ごねんめのよごをむかえてさえかえる) 〇乳房喪き手術の痕の胸冴へる 河童三子 〇朝日受く今朝雪山の冴へ返る 々 〇冴へるより遠ざかりゆく老後 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇人形や玩具や冴えてゆく齢 市原光子 此の作者…

寒烏

〇凍て山を下りて田に凍つ寒烏 (いてやまをおりてたにいつかんがらす) 〇寒烏善人をや成仏すと 河童三子 〇宿業(すくごう)の黒衣纏ひて寒烏 々 〇夕暮て凍つる塒(ねぐら)へ寒烏 々 ブル便り 1月⒗日の絵 1月⒘日の絵 〈此の一句〉 〇寒烏戦争の向こう…

雪女

〇月を見る障子の影や雪女 (つきをみるしょうじのかげやゆきおんな) 〇雪女娘を守る父の息吸いぬ 河童三子 〇平家谷に白旗あげし雪女 々 〇雪女朝の戸口が濡れて在る 々 ブル便り 1月⒗日の絵 1月⒘日の絵 〈此の一句〉 〇雪女まぎれてゐたり上野駅 黛まど…

小正月

〇小正月またいそいそと厨ごと (こしょうがつまたいそいそとくりやごと) 〇書を選りて反古積み上げし小正月 河童三子 〇小正月とて小豆粥炊くならひ 々 〇女正月あやとりの糸廻りくる 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇夜をこめて大根を煮る小正月 細見綾子(19…

煮凝り

〇煮凝りの片身を返す独りの餉 (にこごりのかたみをかえすひとりのげ) 〇煮凝りの鯛の目玉を琥珀とも 河童三子 〇煮凝りや貨物列車の闇長く 々 〇煮凝りを輪島の箸に掬ふかな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇棚深く煮凝の皿小家族 井上雪(1931━1999)

寒旱

〇山火事の自ずと海へ寒旱 (やまかじのおのずとうみへかんひでり) 〇冬旱牛糞燃して粥炊く国 河童三子 〇寒旱湯ノックスの湯使ひきる 々 〇牛糞の堆肥燻る寒旱 々 ブル便り 1月12日の絵 1月⒔日の絵 〈此の一句〉 〇象の貌に涙の迹や冬旱 貞弘衛? 〇寒旱…

寒夕焼

〇三階の窓の梢に寒夕焼 (さんがいのまどのこずえにかんゆうやけ) 〇寒茜みて極楽をみる心地 河童三子 〇寒夕焼け冲を見てゐる烏かな 々 〇再生の力に充ちて寒夕焼け 々 ブル便り 1月12日の絵 1月13日の絵 〈此の一句〉 〇寒夕焼反身に魚の焼かれ居り 桂…

新成人

〇富士登山五合目に立つ新成人 (ふじとざんごごうめにたつしんせいじん) 〇誇らかに子を抱いてゐる新成人 河童三子 〇成人式短く祝す世相かな 々 〇欲もなくただ健やかに新成人 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇成人の日の母として厨ごと 今井千鶴子(1928━)

寒灯

〇一つ消え二つ消えゆく寒灯 (ひとつきえふたつきえゆくかんともし) 〇寒灯や終の棲家へつづく道 河童三子 〇寒の道寒の灯の下戻るかな 々 〇厳寒や小さき一灯我家守る 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇寒灯のひとつひとつに家あらん 福田蓼汀(1905━1988)

ラガー

〇ラガーらのハカ長大の舌をだす (ラがーらのハカちょうだいのしたをだす) 〇ラガーらの声スタンドを押上げる 河童三子 〇ラガーらの熱気滴る草の上 々 〇雄叫びのラガー戦意をむき出しに 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇膝くづすラガーは風へ哭くごとく 石寒…

〇寒暁や渺々と瀬戸の海 (かんぎょうやびょうびょうとせとのうみ) 〇カクカクと階段降りる寒の膝 河童三子 〇喪の明けし寒中見舞い届くかな 々 〇寒四郎次郎三郎とびこして 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇降りさうで寒の日空の浚渫船 長谷川双魚(1897━1987)

七草粥

〇唄にして思ひだす春の七種 (うたにしておもいだすはるのななくさ) 〇粥好きの七種除けて七日粥 河童三子 〇七日粥炊いてスズ菜は浅漬で 々 〇陽の当たる縁に座って七種爪 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇七草のはじめの芹ぞめでたけれ 高野素十(1893━1976)

初読

〇ハン・ガン「すべての白いものたちの」初読 (ハン・ガン「すべて白いものたちの」はつよみ) 〇初読や四五頁読み栞挟む 河童三子 〇初読や図書館の本返本す 々 〇読初文字見える裸眼めでたし 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇霜、雪のごとくめでたし読初す 久…

松の内

〇松の内終章にくるレントかな (まつのうちしゅうしょうにくるレントかな) 〇松の内針の振り切る体重計 河童三子 〇松の内鶴や坊主の花かるた 々 〇図書館の本積み上げて松の内 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇おだやかな子に母に松の内 高木晴子(1915━2000)

淑気

〇旭日の瀬戸へ船行く淑気かな (きょくじつのせとへふねいくしゅくきかな) 〇居間に見る山の稜線淑気満つ 河童三子 〇松の湯の注連縄くぐる淑気かな 々 〇サウナより燧灘見る淑気かな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇雪吊の縄百本に淑気充つ 神蔵器(1927━201…

三日

〇喪章つけて箱根を走る三日かな (もしょうつけてはこねをはしるみっかかな) 〇CCリンクの訃報受く三日かな 河童三子 〇追加の節胸やけ気味の三日かな 々 〇大津絵の鬼が三味弾く三日かな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇元日二日ことに三日の日和かな 高橋淡…

初夢

〇初夢に亀あらはれて水聖し (はつゆめにかめあらわれてみずきよ) 〇追ひかける夢は初夢傘寿も過ぎ 河童三子 〇初夢に富士駆け登る砂ばしり 々 〇初夢に喜怒哀楽の淡きかな 々 ブル便り 〈此の一句〉 〇地の上は被害者ばかり初夢や 能村登四郎(1911━2001)