2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

片時雨

〇キャンパスの銀杏並木や片時雨 (キャンパスのいちょうなみきやかたしぐれ) 〇片しぐれ共に走って濡れにけり 河童三子 〇コンビニの前にバス停片しぐれ 々 〇今海を二つに分けて片時雨 々

冬の日

〇あるだけの座布団ならべ冬日かな (あるだけのざぶとんならべふゆびかな) 〇冬の日や座布団一枚愛しむ 河童三子 〇冬の日の島を浮かべて遊ぶかな 々 〇座布団に夢み心地の日向かな 々

〇眼より口がもの言ふ鮃かな (まなこよりくちがものいうひらめかな) 〇鰈鮃寄り目を見よと右往左往 河童三子 〇沈黙の鰈の口の小さきこと 々 〇口あんぐりと鯛に焦がれる鮃かな 々

冬の草

〇道祖神の睦びにそっと冬の草 (どうそじんのむつびにそっとふゆのくさ) 〇冬青草神の慈愛をしろしめる 河童三子 〇絶望と失意を被り冬の草 々 〇冬の草吾庭に在り青なりき 々

根深汁

〇根深汁明けゆく沖に具を刻む (ねぶかじるあけゆくおきにぐをきざむ) 〇焼けばまた香り立つかな根深汁 河童三子 〇根深汁椀もつ手にも皺増えし 々 〇根深汁二人暮らしを装ひて 々

朴落葉

〇糾ひて裏見せたがる朴落葉 (あざないてうらみせたがるほうおちば) 〇朴落葉ふんで泣きたき心かな 河童三子 〇朴落葉踏めば玉砕する音ぞ 々 〇朴落葉栗落葉とや遊歩道 々

〇鮫担ぐ者銛に刺す者海の幸 (さめかつぐものもりにさすものうみのさち) 〇延縄(はえなわ)に鮫上がり来る鈍の海 河童三子 〇クレーンの大鈎呑むや鱶か和邇(わに)か 々 〇老漁師罅割れし手に鮫の夢 々

松葉蟹

〇ふんどしを締めて真っ赤な松葉蟹 (ふんどしをしめてまっかなまつばがに) 〇ブランド名舞鶴までの松葉蟹 河童三子 〇松葉蟹釧路に揚がりタバラかな 々 〇ふんどしからばらすビデオや松葉蟹 々

冬鴎

〇真っ白な胸して並ぶ冬鴎 (まっしろなむねしてならぶふゆかもめ) 〇鈍色の海が鳴くかな冬鴎 河童三子 〇冬鴎杭を掴みて風に立つ 々 〇冬かもめ符号で喋る浜の糶 々

波郷忌

〇大綿のふうわり飛ぶや波郷の忌 (おおわたのふうわりとぶやはきょうのき) 〇鉄橋を夕映へ渡る忍冬忌 河童三子 〇風鶴忌一文字に息のむごとく 々 〇波郷忌や日暮れは寂し病得て 々

大根

〇大根に花の梵字を書く坊主 (だいこんにはなのぼんじをかくぼうず) 〇雲水の姉さん被り大根引く 河童三子 〇精進の大根一椀禅の寺 々 〇寺大根お涅槃のごと並べらる 々

切干

〇切干を縁に並べて吾鄙ぶ (きりぼしをえんにならべてわれひなぶ) 〇切干の筵ひろげる庫裡の庭 河童三子 〇切干を縁にひろげてダイエット 々 〇故里は日々切干しのごとくなり 々

風除け

〇風除けの低き軒並み村の道 (かぜよけのひくきのきなみむらのみち) 〇風除けの風通る道つくりけり 河童三子 〇風除けの裏山一つおいてある 々 〇風除けの軒を回りて行く噂 々

吊るし柿

〇軒高く風の道なる吊し柿 (のきたかくかぜのみちなるつるしがき) 〇猿も来て揉んで行くかな吊るし柿 河童三子 〇故里は軒にも過疎の吊るし柿 々 〇一人棲む縁に陰差す吊るし柿 々

冬の虫

〇蠅虎蜘十一月は冬の虫 (はえとりぐもじゅういちがつはふゆのむし) 〇冬の虫門扉の裏の薄明り 河童三子 〇豆殻とカラカラ揺るる冬の虫 々 〇故里の陽だまりにゐる冬の虫 々

七五三

〇七五三案内貼られし宮司の筆 (しちごさんあないはられしぐうじのふで) 〇吾よりも長生きせよと千歳あめ 河童三子 〇父母祖父母三歳の子の七五三 々 〇末は大臣博士も除く七五三 々

十夜講

〇十夜講婆いそいそと粥炊きに (じゅうやこうばばいそいそとかゆたきに) 〇十夜講こくりこくりと頷くや 河童三子 〇十夜粥なかなか出でぬ痺れかな 々 〇十夜婆々真如堂出て聲高し 々

新海苔

〇新海苔の香りぱりぱり弾くかな (しんのりのかおりぱりぱりはじくかな) 〇初網の海苔漆黒に輝けり 河童三子 〇新海苔に白飯包む朝ごはん 々 〇新海苔の網ことことと巻きあがる 々

牡蠣

〇牡蠣殻の山の裾なる蜑の小屋 (かきがらのやまのすそなるあまのこや) 〇船の名の牡蠣小屋一軒にぎわいし 河童三子 〇牡蠣の身の窶れているや水袋 々 〇土手鍋の牡蠣の身味噌に隠れけり 々

〇卓袱台にバドジズデジドダ鯨鍋 (ちゃぶだいにバドジズデジドダくじらなべ) 〇山くじら鯨をだしのジビエかな 河童三子 〇コロといふ鯨肉に添え水菜かな 々 〇明々と錦市場の鯨肉や 々

石蕗の花

〇石蕗の花アトランダムに脱家族 (つわのはなアトランダムにだつかぞく) 〇塀越して脱出したき石蕗の咲く 河童三子 〇石蕗の花ぼさぼさ咲くも恋ゆへに 々 〇蹲の残照となる石蕗の花 々

浅漬け

〇浅漬けの重石上げれば壬生菜の香 (あさづけのおもしあげればみぶなのか) 〇浅漬けの小石の備へ三つ四っつ 河童三子 〇浅漬けの壬生菜こぼるる歯の隙間 々 〇浅漬けをおにぎりのやう絞るかな 々

初時雨

〇チップ船の荷揚げ濡らしぬ初時雨 (チップせんのにあげぬらしぬはつしぐれ) 〇羽やすめ越し海見るや初時雨 河童三子 〇初時雨連絡船の汽笛かな 々 〇光の帯沖に残して初時雨 々

花八手

〇花八手父にまさりし母の背 (はなやつでちちにまさりしははのせい) 〇家族写真兄抱かれて花八手 河童三子 〇八手咲く庭の老人消えゆくよ 々 〇花八手苫屋の戸口隠しをり 々

冬の蝶

〇帰去来の田園に舞ふ冬の蝶 (ききょらいのでんにまうふゆのちょう) 〇冬蝶の健気や生れし庭に舞ふ 河童三子 〇いま生れし喜びに舞ふ冬の蝶 々 〇吾背丈ほどの高さに冬の蝶 々

達磨忌

〇達磨の忌摩崖仏には空がある (だるまのきまがいぶつにはそらがある) 〇達磨忌や引き籠る子に七年目 河童三子 〇黄檗の落ち葉を拾ふ達磨の忌 々 〇達磨忌や足萎えるまで座るも佳 々

山粧ふ

〇翌檜の一樹も山の粧ひか (あすなろのいちじゅもやまのよそおいか) 〇パレットへ十色揃ふや山粧ひぬ 河童三子 〇粧ひの比叡山へ向け画架立てり 々 〇山粧ひて吉報届く日となりし 々

文化の日

〇文化の日亀を洗へば亀嗤ふ (ぶんかのひかめをあらえばかめわらう) 〇歳時記の果ては枕や文化の日 河童三子 〇文化の日ノルウェーの鯖を焼く 々 〇膝に猫のせて縁側文化の日 々

亥の子

〇うかうかと昼ねの神に亥の子石 (うかうかとひるねのかみにいのこいし) 〇亥の子石打って亥の子の餅もらふ 河童三子 〇うり坊の筋入れてある亥の子餅 々 〇鄙の道大黒唄に亥の子石 々

神渡

〇美しき白波寄せて神渡る (うつくしきしらなみよせてかみわたる) 〇一湾に広がりゆくや神渡 河童三子 〇燧灘ぎしぎし鳴って神渡り 々 〇夜もすがら神渡るらん浦の波 々