2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

報恩講

〇夜叉の面取れて帰るや報恩講 (やしゃのめんとれてかえるやほうおんこう) 〇報恩講吾成仏を疑わず 河童三子 〇すがるやうに僧声明す親鸞忌 々 〇報恩講首こっくりと好々爺 々

冬の虹

〇屋根の上に架かる標や冬の虹 (やねのえにかかるしるしやふゆのにじ) 〇冬の虹わが家の屋根へ降りてゐる 河童三子 〇丘の上の団地から来る時雨虹 々 〇半分は西谷へ行く冬の虹 々

山茶花

〇山茶花や博士の生家朽ゆかむ (さざんかやはかせのせいかくちゆかむ) 〇廃屋の庭に山茶花昼の月 河童三子 〇山へ来て山茶花日和てふ疲れ 々 〇山茶花や終活ノート賑やかに 々

冬囲

〇白湯くすり卓にならべし冬囲 (さゆくすりたくにならべしふゆがこい) 〇荒磯を隠くす蜑家の冬囲い 河童三子 〇冬囲いされ癒えていく病かな 々 〇家一軒一縄に巻く冬囲い 々

冬の陽

〇冬の陽に我楽多市の金光る (ふゆのひにがらくたいちのかねひかる) 〇冬の陽を瞼の裏に溜めており 河童三子 〇冬の陽や老嬾(ろうらん)の身の置きどころ 々 〇冬の陽や老老介護の陽だまりに 々

冬耕

〇冬耕や荒草を刈る木霊かな (とうこうやあさぐさをかるこだまかな) 〇冬耕の影を伸ばして暮れにけり 河童三子 〇冬耕のミレーの絵より戻る人 々 〇冬耕の火の治まりて月出でぬ 々

冬の蜂

〇冬蜂のしずかに針と翅しまふ (ふゆばちのしずかにはりとはねしまう) 〇日を求めまた歩き出す冬の蜂 河童三子 〇陽だまりはすぐ冬蜂を影にする 々 〇蜘蛛の糸足に絡める冬の蜂 々

万年青の実

〇気の抜けぬ術後二年や万年青の実 (きのぬけぬじゅつごにねんやおもとのみ) 〇深窓に隠しおおせぬ万年青の実 河童三子 〇実を付けて隅より出さる万年青かな 々 〇門松の裾を装ふ万年青の葉 々

石蕗の花

〇石蕗咲いて命一つを食ひ繋ぐ (つわさいていのちひとつをくいつなぐ) 〇石蕗の花心解いて飛び行けり 河童三子 〇八錠の朝飲む薬石蕗の花 々 〇庭中に石蕗を咲かせて家終ふ 々

帰り花

〇緩やかに下る坂道帰り花 (ゆるやかにくだるさかみちかえりばな) 〇帰り花世の小康に佇めり 河童三子 〇薔薇一輪妖しき赤や狂ひ咲き 々 〇蒲公英の帰り花咲く地べたかな 々

草紅葉

〇わが径に取り零されて草紅葉 (わがみちにとりこぼされてくさもみじ) 〇母訪ね来よ草紅葉踏んで来よ 河童三子 〇世の中は草におはりし紅葉かな 々 〇草紅葉野はブタクサの鮮やかし 々

短日

〇古書店の本の背文字に日短し (こしょてんのほんのせもじにひみじかし) 〇短日や写経の筆に影さし来 河童三子 〇短日やシフト代りし仕事出る 々 〇日短し蝋燭の灯に燐寸擦る 々

冬鴎

〇冬鴎同じ病の人の訃に (ふゆかもめおなじやまいのひとのふに) 〇西岸の群より日浴ぶ冬鴎 河童三子 〇鴨川の魚を好むや冬鴎 々 〇冬かもめ朝騒がしきミーティング 々

渋柿

〇渋柿を暮しに吊るす萱の軒 (しぶがきをくらしにつるすかやののき) 〇渋柿や炸裂の火を留めけり 河童三子 〇熟柿一つ無縁仏に供えらる 々 〇賑やかに渋柿ばかり径の端 々

浅漬け

〇浅漬の色とりどりに京みやげ (あさづけのいろとりどりにきょうみやげ) 〇浅漬や夕餉の後の水仕事 河童三子 〇浅漬や大根葉つけて貰ひ受く 々 〇浅漬に手ごろな石を見つくろふ 々

七五三

〇貼り紙に七五三告ぐ村の宮 (はりがみにしちごさんつぐむらのみや) 〇こっぽりの鈴音転がる七五三 河童三子 〇子も孫も千歳飴なる味知らず 々 〇七五三吾にリボンす母の見栄 々

山粧う

〇光堂出てみちのくの山粧ふ (ひかりどうでてみちのくのやまよそおう) 〇山粧ふ小便こぞう虹添えし 河童三子 〇寂しさの三室戸に来て山粧ふ 々 〇断捨離の箪笥すっきり山粧ふ 々

大根

〇今は昔おしん大根大流行り (いまはむかしおしんだいこんおおはやり) 〇大根の身の潔白は土の中 河童三子 〇大根は頭の青き青二才 々 〇鼻風邪に大根おろしの涙かな 々

散る木の葉

〇力学の法則に散る木の葉かな (りきがくのほうそくにちるこのはかな) 〇散る木の葉夜はいよいよランダムに 河童三子 〇散る時だよ葉っぱのフレディーさようなら 々 〇神の手にトリアージされ散る木の葉 々

花八手

〇坪庭の侵攻とどめぬ花八手 (つぼにわのしんこうとどめぬはなやつで) 〇酒蔵の糀と花と花八手 河童三子 〇地味なのに派手に広げる花八手 々 〇花八手風呂覗くかに首伸ばす 々

冬に入る

〇立冬や生き逝き手帳書き始む (りっとうやいきいきてちょうかきはじむ) 〇癌とって引き攣る創や今朝の冬 河童三子 〇給付金送り込まれて冬に入る 々 〇冷凍の蟹鍋にして冬来たる 々

秋深

○丸刈りに分厚き帽子秋深む (まるがりにぶあつきぼうしあきふかむ) ○秋深し烟をぼかす萱の屋根 河童三子 ○鴨川に番鴨きて秋深む 々 ○秋深み余命を一つ食いつぶす 々

末枯れ

〇末枯れの対岸へ背伸びする日よ (すえがれのたいがんへせのびするひよ) ◯予後延びて末枯れの路戻る来る 河童三子 ◯末枯れや皆既月食見とどける 々 ◯末枯れて年に2回の検診日 々

初霜

〇茅葺きは初霜の湯げあげにけり (かやぶきははつしものゆげあげにけり) 〇化野の仏は霜の初着かな 河童三子 〇周山道抜けて美山の霜の里 々 〇初霜をばりばあり崩す夜行バス 々

冬めく

〇冬めくや考えてゐる烏かな (ふゆめくやかんがえるからすかな) 〇鴨川にサックスひびく冬隣 河童三子 〇豆餅を買う列にゐて冬となり 々 ◯淀川を上って京の冬隣 々

小春日

〇海小春烏が拾ふ光る貝 (うみこはるからすがひろうひかるかい) 〇小春日のそこをミサイル通過かな 河童三子 〇小春日の新幹線に予後の身を 々 〇鴨川に小春日和や石の亀 々

神の旅

〇この地球の日本列島神の旅 (このほしのにっぽんれっとうかみのたび) 〇神の旅熊野案内に八咫烏 河童三子 〇出迎への潮にて発たむ神の旅 々 〇ミサイルの飛び交ふ空や神の旅 々

文化の日

〇宿坊に写経の時間文化の日 (しゅくぼうにしゃきょうのじかんぶんかのひ) 〇大阪弁拭いきれない文化の日 河童三子 〇文化の日紫蘇の実噛んで肯けり 々 〇文化の日インタネットが繋がらぬ 々

十一月

〇十一月洗濯物を高く干す (じゅういちがつせんたくものをたかくほす) 〇古本を立ち読みしたる十一月 河童三子 〇亀洗ふ十一月の手持無沙汰 々 〇十一月すずめの遊ぶ日の障子 々

黄落

〇聞法の域出でざるに黄落期 (もんぼうのいきいでざるにこうらくき) 〇黄落の詩情流るる御堂筋 河童三子 ◯キャンパスに昼の食堂黄落期 々 〇黄落の木端微塵に踏まる音 々