2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧
◦墜つ星の美しく消ゆ冬銀河 (おつほしのうつくしくきゆふゆぎんが)
◦冴える夜イカルスの羽尽きにけり (さえるよるイカルスのはねつきにけり)
◦真冬日やササラ電車の初出動 (まふゆびやささらでんしゃやのはつしどう)
◦昼の熱下がりつつあり月冴える (ひるのねつさがりつつありつきさえる)
◦田舎といふ縁の節からすきま風 (いなかというえんのふしからすきまかぜ)
◦冬の靄ひと文字読めぬ診断書 (ふゆのもやひともじよめぬしんだんしょ)
◦枯蔦を足に絡める風邪の夢 (かれつたをあしにからめるかぜのゆめ)
◦風邪の熱カチカチ山とぼうぼ山 (かぜのねつカチカチやまとぼうぼやま)
◦いちご風味こども優先吸入器 (いちごふうみこどもゆうせんきゅうにゅうき)
◦土鳩とて帰巣からるる冬の虹 (どばととてきそうからるるふゆのにじ)
◦冬の雲坂に繫がる気象台 (ふゆのくもさかにつながるきしょうだい)
◦地下鉄を出て寒柝の街くらし (ちかてつをでてかんてつのまちくらし)
◦猫通り二丁目のエステ冬茜 (ねこどおり二ちょうめのエステふゆあかね) 名古屋本山町探訪 本山町には猫洞通りやキャットロードという名の通りがあります。猫などが好んで歩く裏通りのごみごみした所かと思えば、意外にそうではなくそれぞれの店舗の前には…
◦おでんかな関東煮かな名古屋じゃけ (おでんかなかんとうだきかななごやじゃけ)
◦鯱の時雨て金の涙かな (しゃちほこのしぐれてきんのなみだかな) 名古屋にて
◦着ぶくれて「いつかは逢える」コンコース (きぶくれていつかはあえるコンコース)
◦猿山の猿が財もつ紙衾 (さるやまのさるがざいもつかみぶすま) 名古屋東山動物園
◦冬の園ゴリラと長い目を合わす (ふゆのえんゴリラとながいめをあわす) 名古屋東山動物園
◦カルメラを焼くは桂の落葉かな (カルメラをやくはかつらのおちばかな) 名古屋東山動植物園
◦冬暁の森昇り来て珈琲立つ (とうぎょうのもりのぼりきてコーヒーたつ) 名古屋にて
◦初冬の戸を叩かれて頭痛薬 (はつふゆのとをたたかれてずつうやく)
◦行く秋のわれをここにと定めけり (いくあきのわれをここにとさだめけり)
◦山茶花や隣家の婆の仰仰し (さざんかやりんかのばばのぎょうぎょうし)
◦木枯や地に堕つ蜂の軽さ哉 (こがらしやちにおつはちのかるさかな)
◦朝寒や吾より後に鶏の声 (あささむやわれよりあとにとりのこえ)
◦ナナカマド子は捨てられて赤い実に (ナナカマドこはすてられてあかいみに) 先日若い夫婦が産まれてきた子をつぎつぎ捨てていたと、いうニュースがありました。子を捨てる話しに、なぜかナナカマドが連想されました。貧しい東北地方の昔話かなにかで心に残…
◦秋の陽や病む眼は神の光にも (あきのひややむめはかみのひかりにも) この年齢でパソコンは眼に大きな負担をかけているのでしょう。健康保険が一割負担になるのを待ちかねて眼科を受診しました。 眼底写真を撮るために瞳孔を開く目薬をさされ検査を受けま…
◦口あけて目薬さすや文化の日 (くちあけてめぐすりさすやぶんかのひ)
◦献体の眼にもなれぬや暮の秋 (けんたいのめにもなれぬやくれのあき)
◦眼を病めば胸に広がる秋白し (めをやめばむねにひろがるあきしろし)