2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

零余子飯

◦旬ものの栗芋零余子飯にして (しゅんもののうちくりいもむかごめしにして) 小芋飯

障子貼り

◦破る子のなき障子貼り延び延びに (やぶるこのなきしょうじはりのびのびに) 障子紙購入

十五夜

◦十五夜や一千一話聞き終わる (じゅうごやや一千一わききおわる) スーパームーン 満月が楕円軌道で地球に最接近する時の月。最大の満月、極上の月であった。

銀漢

◦パソコンねむらせて銀漢へつなぐ (パソコンねむらせてぎんかんへつなぐ) 宇宙の交信 最近はパソコンの電源を切らないで、属にいうスリープ状態にしている。夜中、真っ暗な中で目を覚ますと、机の上のパソコンは蛍の灯のような光を明滅させているから、そ…

天高し

◦カーナビに老女と老女天高し (カーナビにろうじょとろうじょてんたかし) 隠れ家 仕事をリタイアしてから15年余り経ってしまった。心も体もすっかり仕事から解放さているが、あまりみごと過ぎてもそこで費やした何十年もの時間が少し愛おしく思われてく…

夢二の忌

◦牛窓のヨットハーバー夢二の忌 (うしまどのヨットハーバーゆめじのき) 牛窓(九月二十二日) 以前から「牛窓」という地名に惹かれるものがった。夢二の生誕の地であることで牛窓に大正ロマンのようなものを抱いていたのである。 そこで目的の駅めぐりから…

鯔跳ねる

◦鯔跳ねてこよひ旅寝の波枕 (ぼらはねてこよいたびねのなみまくら) あいおい白龍城道の駅(九月二十一日) 駅めぐりの最終日の泊まりは「あいおい白龍城」と言う道の駅で、海の側だった。夕日にキラキラ輝く海面を時々鯔が飛び跳ねていた。 混沌さん、久し…

彼岸華

◦彼岸華ケンタウルスを悩ませる (ひがんばなケンタウルスをなやませる) 彼岸の中日 実は18日から22日まで、中国地方の各駅めぐりをしていたのである。 赤穂線、姫新線、播但線、それに山陽本線の神戸〜岡山間など。お天気には恵まれて車中泊も楽であっ…

秋天

◦秋天や北京に描く昔かな (しゅうてんやぺきんにえがくむかしかな) 梅原龍三郎の北京秋天 以前中国を旅行したのは春であったが、北京は粉塵と柳絮で終日マスクを離せなかった。梅原龍三郎の北京秋天は遠い昔のことであろう。

敬老日

◦紅白の饅頭のなき敬老日 (こうはくのまんじゅうのなきけいろうび) 敬老饅頭 われわれの親世代の頃は敬老の日にはお弁当と紅白饅頭が配られたものだがいつ頃か、お弁当はお年寄りが食中毒になってはいけないと言うことで饅頭と品物に変わった。あれから何…

秋の声

◦ピストルの音してわっと秋の声 (ピストルのおとしてわっとあきのこえ) 運動会シーズン 日本全国、ほぼ運動会の真最中だ。

鰯雲

◦鰯雲いりこに細身好まれし (いわしぐもいりこにほそみこのまれし) いりこがピンチ だしにする煮干しの片口いわしがピンチらしい。漁が出来ないなのではなく鰯が栄養過多、肥満体になっていて、干しても油が回って黄色くなってしまって、良質のいりこにな…

◦萩寺の萩また咲きぬ尋ね人 (はぎでらのはぎまたさきぬたずねびと) 尋ね人の写真 何年か前、萩寺を訪れた時「尋ね人」の写真が貼ってあった。それは恩師の写真だったので胸が痛んだ。あれから行方知れずのまま十数年が経ってしまったが、萩の花が咲くと恩…

秋の雨

◦秋の雨国会前に九条の盾 (あきのあめこっかいまえにきゅうじょうのたて) 安保関連法案 参議院での審議は、野党の阻止によって深夜に及んだが結局参議院の審議は開かれず今朝に持ち込まれた。Y君へ(孫への手紙) 安全保障関連法案をめぐって、昨夜は徹夜…

曼珠沙華

◦難民や国境越えて曼珠沙華 (なんみんやこっきょうこえてまんじゅしゃげ)

秋の潮

◦浮き雲の島浮かべおり秋の潮 (うきぐものしまうかべおりあきのしお) 朝の散歩 この頃の朝5時はまだ外が暗い、少しづつ夜明けが遅くなっている。散歩もそれに合わせて少しづつ遅い出発になっていくようだ。それでも、お寺では本堂のお勤めの灯が脇障子を…

村芝居

◦村芝居お宮の鬘転がりて (むらしばいおみやのかつらころがりて) 役者は村人 この場合だし物は「金色夜叉」である。舞台は熱海の海岸、貫一に蹴られたお宮は転ぶが鬘が脱げてしまった。「ああ、上田村の米和じゃないか」観客は普段内気な隣村の青年を見破…

虫売り

◦虫売りの生業もなし虫の家 (むしうりのなりわいもなしむしのいえ) 虫の音の佳境 夜目を覚ますと、虫の音に包まれている。春から夏は賑やかな蛙の声、朝や夕には鳥の声、一年を通して何やらの生き物が生活に音色を与えてくれる。 昔は今頃の季節になると、…

秋天

◦秋天へ畳上げたる一部落 (しゅうてんへたたみあげたるひとぶらく) 台風一過 東北の方も今日は晴天になったようだ。水が引いてあらわになった惨状は水のものすごい力を見せつけているようだった。決壊した近くの民家は数軒根こそぎ跡形も無く消えていたり…

野分

◦大利根や野分の雨を余しけり (おおとねやのわきのあめをあましけり) 利根川水系の決壊 台風18号は日本海へ抜けたが、周辺に広がっていた台風の雨雲が、関東から東北にかけて集中的に降った(ゲリラ豪雨)。 利根川水系を流れる鬼怒川で堤防が決壊した。

秋の航

◦国勢に吾が名ひとりを秋の航 (こくせいにわがなひとりをあきのこう) 国勢調査 国勢調査員がやって来た。5年に一度のこの申告、これまで3、4回くらい自分で書いた記憶がある。初回の調査用紙には家族の学歴や家の間数や建坪まで記入したように思う。隣…

野分

◦野分やる大庇より大揚羽 (のわきやるおおひさしよりおおあげは) 台風18号 真っ直ぐに北上すると近畿辺りへ上陸するように見えた台風18号の予想図は東の方へずれて、本体は980hPaと風自体は弱く、今日午前中に愛知県知多半島へ上陸した。

新豆腐

◦デパ地下のブランド物や新豆腐 (デパちかのブランドものやしんとうふ) 新豆腐(国産の今年豆) 今年採れの大豆で作る豆腐を新豆腐と言うのであるが、われわれのようにスーパで買うパックされた豆腐では、まず国産の大豆であることすら疑わしい。もとより…

秋雨

◦秋雨や二学期の子を送り出す (あきさめやにがっきのこをおくりだす) 雨の登校 二学期の始業から一週間経った月曜日。勝って気ままに過ごしていた夏休みから自由を奪うようにして始まった二学期、漸くその変化にも慣れ始めていたのに、昨日の日曜日でまた…

秋の街

◦画材展出て絵描きらにパリの秋 (がざいてんでてえかきらにパリのあき) パリの秋 この場合のパリは芸術家たちにとっての象徴の街ということである。隣県のイベント会場で画材展をやっているからと誘われた。毎年9月にそこで行われているようであった。 絵…

秋の夜

◦秋の夜や黒鉄の貨車つづきけり (あきのよやくろがねのかしゃつづきけり) 闇に疾走する貨物列車 空気が乾燥しているせいか海岸通りや国道の音が夜はよく上がってくる。長い貨物列車が通過しているようだった、ゴロンゴロンといつまでも闇の中に音だけがつ…

相撲

◦神と取る相撲は神に勝たせおく (かみととるすもうはかみにかたせおく) ひとり相撲 大山祇神社のひとり相撲は有名である。目に見えない神と相撲を取ってその年の豊作を占うようであるが、神が勝てば豊作になると言われれば畢竟勝負は決まっている。 この神…

今朝の秋

◦関節に風の音きく今朝の秋 (かんせつにかぜのおときくけさのあき) 関節のこわばり 眠りに入るときはまだ少し暑さが残っているので、薄い肌蒲団ですら蹴り脱いでしまっているのだろう。朝の目覚めは関節がこわばった状態である。ロボットのような格好で階…

真葛原

◦甲斐犬を放てば潜る真葛原 (かいけんをはなてばもぐるまくずはら) 甲斐犬 昔、トビーという雑種犬を飼っていた時期があった。軽トラの荷台に乗せて山へ猟に連れて行く光景がよく見られた時代だった。トビーの体は茶と黒のまだら模様が入っていて、散歩の…

九月

◦真っ直ぐな風来る朝の九月かな (まっすぐなかぜくるあさのくがつかな) 二学期の始業式 なんとか手っ取り早く済ませた宿題を持って意気揚々と登校したものだ。 どこかで長い夏休みも慢性的な退屈に変化してしまっていたので、学校の生活が始まるのはこども…