2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

綿入

○綿入やヒートテックという下着 (わたいれやヒートテックというしたぎ) 真綿 この間ユニクロの創業祭で売り出しがあった日、駐車場は満杯だった。下着のヒートテックが老年にも好評で年齢層の幅が多様になっているのかも。 子供の頃、近所の連中は綿入れの…

○葱の味分かって後の日短し (ねぎのあじわかってのちのひみじかし) 香川の太葱 「ゆめタウン」の地域生産者野菜で買った太葱は柔らくて香りもあって美味だった。何気なく買い物をして、そんなものに出会うと思わず嬉しくなる。 果たして、特別な葱に出会っ…

冬日

○冬の日やうどん屋二軒うらうらと (ふゆのひやうどんやにけんうらうらと) 小春日和 きのうは、風もなく穏やかで暖かな日であった。しばらくぶりに「うどん巡り」をすることにした。観音寺市の卸売場内にある久月は店を閉めていた。市場の裏手に仲買人たち…

冬紅葉

○冬紅葉北斎の絵に紛れこむ (ふゆもみじほくさいのえにまぎれこむ) 宇江佐真理シリーズ 今週の朗読は「酔いもせず」葛飾北斎と三女お栄の日常の一端を切り取った読み物だった。少し前にNHKの「眩くらら」を再放送で見たこともり、あの奇抜な演出が頭に…

藪柑子

○山際の木の間の陰の藪柑子 (やまぎわのこのまのかげのやぶこうじ) 往生要集 平安時代の恵心僧都源信という坊さんが仏の世界を一般の人にわかり易く説いたものを、心の時代では兵庫県、鶴林寺、真光院の吉田実盛さんが語る。 死に方のマニアルはすなわち、…

冴え返る

○燈る灯の国道沿いに冴え返る (ともるひのこくどうぞいにさえかえる) 国道の灯 日が短くなって辺りはすぐ暗くなる。厨の窓から国道の灯が一列になって映る頃は外もすっかり冷え込みが感じられる。

○鈍色の海を見ながら葱刻む (にびいろのうみをみながらねぎきざむ) 雪下ろしの風 朝方ときどき降っていたのは霙だったのだろうか、重い雨の音がしていた。 朝食といえばコーヒーとトーストでもいいが、朝餉となればやはりご飯と味噌汁だろうか。この時期の…

霜月

○霜月のお地蔵さんに赤おざぶ (しもつきのおじぞうさんにあかおざぶ) おざぶ 京都では座布団のことを昔は「おざぶ」といって客にさしだしたものである。例えば 「お尻ひえますえ、おざぶをどうぞしいとくれやす」とかなんとか、どこかで聞いて育ったような…

底冷え

○底冷えの京に名物鰊蕎麦 (そこびえのきょうにめいぶつにしんそば) 京都の名物 京都の娘一家を訪ねた時、娘は会食に中華料理の店を予約していたが、孫は京都なら鰊蕎麦でしょ。蕎麦党の孫は如才なく鰊蕎麦を出してきたのである。確かに私の記憶の中に懐か…

初冬

○初冬や瀬戸の雑魚獲る定置網 (はつふゆやせとのざことるていちあみ) 瀬戸内の雑魚網 この辺の人は瀬戸内海で獲れる小魚が一番おいしいと言っているが、私には小骨が苦手で食べにくい物だ。 昨日、アマゾンに注文していた掛け時計が届いた。早速荷を開ける…

凍て土

○凍て土におしん大根白かりし (いてつちにおしんだいこんしろかりし) おしん大根 1983年4月からNHKの朝ドラで放送された「おしん」は有名である。あのドラマのおしんから名前が付けられたのか、大根にも「おしん」というのがあった。名前の通り辛…

鎌鼬

○鎌鼬少年の頬を掠める (かまいたちしょうねんのほほをかすめる) 冷たい一日 時々霙が音をたてて斜めに降っていたが、午後は豊受山に十一月の初冠雪となって窓の外に広がった.本格的な冬になる気配に暖房具など備えることにした。 Y君へ 今日は豊受山に雪…

冬に入る

○垂直の製紙の煙冬に入る (すいちょくのせいしのけむりふゆにいる) 冬が来た 冷たい雨の一日になった。

冬支度

○私のアンドロイド(人型ロボット)に冬支度 (わたくしのアンドロイドにふゆしたく) 私がロボットかロボットが私か? 読み終えたばかりのカズオ・石黒の「わたしを離さないで」の作品の影響か、アンドロイドを作ったロボット工学博士の石黒浩という同姓名か…

冬の雷

○冬の雷珈琲館のビバルディ (ふゆのらいこーひーかんのビバルディ) 茶房フランソア 京都での一日、珈琲館フランソアの席は背後に東郷青児らしい絵があった。15の少年は「これはカ、カ?」「カノン」と母親が答えてやっていた。最近少年は音楽にも関心が…

橡落葉

○目標ははずして池の橡落葉 (もくひょうははずしていけのとちおちば) 葉っぱのフレディ 絵本の「葉っぱのフレディ」が心に浮かんだ フレディがおりたところは雪の上です。やわらかくて 意外とあたたかでした。 引っこし先は ふわふわして居心地のよいとこ…

柿を干す

○干し柿にベランダ盗られ乾燥機 (ほしがきにベランダとられかんそうき) 洗濯ものは乾燥機で ○朝顔に釣瓶とられてもらい水 加賀千代女 加賀千代女の句が頭をよぎった。朝顔と釣瓶。干し柿とベランダ。随分情景は変わってくるが詩的表現では朝顔と釣瓶には到…

紅葉花

○金閣も銀閣もみな紅葉花 (きんかくもぎんかくもみなもみじばなえいる) 金閣寺から龍安寺へ 昨夜はmayパートナーも交えて北野天満宮の近くの中華料理店での会食となった。十数年前の上野でのフランス料理店の会食以来のメンバーであった。我々の微妙な関係…

冬隣り

○丸善の本屋は地階冬隣り (まるぜんのほんやはちかいふゆどなり) 河原町の丸善へ どこか行ってみたい所は?と娘に訊かれて若い時によく通った喫茶店が思い出されて「ミューズ」と答えた。娘はそこを検索してくれると2006年閉店しました、とあったらし…

新米

○新米担ぐ女丈夫の悲哀かな (しんまいかつぐめじょうぶのひあいかな) 滋賀へ 私の母の実家は滋賀県にある。そこには94歳になる叔母が地元の老人施設に入所していた。実家の後を継いでいる従弟が近江米を育てているので、京都の娘一家に車を出してもらっ…

団栗

○団栗を呑み大鯉の知らぬ顔 (どんぐりをのみおおごいのしらぬかを) 京都、松ヶ崎へ ○桂の葉落ちて甘き香冬近し 秋甫 松ヶ崎で娘の手作りのパスタの昼食をすませてから宝ヶ池の散歩を試みた。Myパートナーも同伴とあって気取った前菜やワインなども添えて見…

秋思ふ

○シグナルの黄と赤の間の秋思かな (シグナルのきとあかのまのしゅうしかな) 短絡的な日々

立冬

○立冬や深夜に遠き救急車 (りっとうやしんやにとおききゅうきゅうしゃ) 今年は七日が立冬 夜中に下の国道を走って行くのだろうか、救急車のサイレンが聞こえた。それはかなり長い間を東に向かっているようだった。空気が冷たく澄むと国道の音も遠くまで聞…

行く秋

○行く秋をアルトサックスの咽びかな (ゆくあきをアルトサックスのむせびかな) アルトサックス 行く秋のある夜「New Beat's Orchestra」の演奏を聴いた。やはり生バンドは迫力もありお腹の底に響いてくる。ここでは林田雪夫のアルトサックスにしびれた。聴衆…

秋惜む

○一匹の蟋蟀となり秋惜む (いっぴきのこおろぎとなりあきおしむ) 新生姜 少し晴れ間がつづく。太陽があるうちは穏やかな小春日であるが、日が沈んでしまうと肌寒さに包まれる。友人が掘ったばかりの新生姜を届けてくれた。香がいい、早速刻んで、すこし煎…

熟し柿

○掌に乗せてもらいし熟し柿 (てのひらにのせてもらいしじゅくしがき) トランプ大統領来日 日本は重要なパートナーと発言。大統領当選以来失脚の日が取り沙汰されていたトランプ氏、波乱を含みながらの来日である。シークレットは何時も大統領の身辺に核の…

夜霧

○ジャズ聴いて年甲斐もなき夜霧の中 (ジャズきいてとしがいもなきよぎりのなか) ジャズコンサート 夜の運転は控えているので会場へはバスで出向いた。ミュージアムの中のレストランで食事を済ませてから階下のホールへ。 伊丹に住んでいる頃は翌大阪梅田へ…

文化の日

○文化の日文字化けのEメール受く (ぶんかのひもじばけのEメールうく) 文化的暮し ○半熟の卵を立てて文化の日 ○泡たてて髭を剃る父文化の日 ○文化の日ジャズの夕べに連なりぬ

栗名月

○栗名月老いは朧に包まれし (くりめいげつおいはおぼろにつつまれし) 後の月 ○老いるほど片見の月の身に入る 秋甫 ○豆も莢飛び出して見る後の月 〃 ○臥せて見る午前零時の十三夜 〃

冬銀河

○北斗なら漢と思ふ冬銀河 (ほくとならおとことおもふふゆぎんが) 星が近い ○窓いっぱい冬の北斗の来て話す 秋甫 ○少年の窓にも来よや冬北斗 〃 ○多きこと十一月の流れ星 〃 昨夜、夜の外が明るいと思っていたら、今日は十三夜、後の月、豆名月、栗名月、な…