○毛糸帽部屋に被りし独りかな (けいとぼうへやにかぶりしひとりかな） ○昔々アナーキストの毛糸帽 秋甫 ○冬帽や「蟹工船」の男たち 々 ○上野行く手垢のニット帽子かな 々

○毛糸帽部屋に被りし独りかな （けいとぼうへやにかぶりしひとりかな） ○昔々アナーキストの毛糸帽 秋甫 ○上野公園手垢のニット帽子かな 々 ○冬帽や「蟹工船」の男たち 々

○山茶花の一気呵成に散華かな （さざんかのいっきかせいにさんげかな） ○山茶花の身も世もなしに散るを見る 秋甫 ○山茶花や昔長屋の井戸の根際 々 ○山茶花の咲いて散って賑やかし 々

○山茶花に一気呵成の散華かな （さざんかにいっきかせいのさんげかな） ○山茶花の身も世もなしに散ってをり 秋甫 ○山茶花や昔長屋の井戸の根際 々 ○山茶花の咲いて散って賑やかし 々

○暮早し昼餉の茶碗出でし儘 （くれはやしひるげのちゃわんいでしまま） ○殊の外昼餉の後の暮早し 秋甫 ○惣菜の値の半額や暮早し 々 ○短日や朝餉昼餉に夕餉かな 々

○殊の外昼餉の後の暮早し （ことのほかひるげのあとのくれはやし） ○暮早し昼餉の茶碗出でしまま 秋甫 ○惣菜の値の半額や暮早し 々 ○短日や朝餉昼餉に夕餉かな 々

○今日もまた人待ってゐる石蕗の花 （きょうもまたひとまっているつわのはな） ○石蕗咲いて少し明るい午後の雨 秋甫 ○石蕗の花曇天の端曳き寄せる 々 ○石蕗の花首切って葉を寄せにけり 々

○今日もまた人待ってゐる石蕗の花 （きょうもまたひとまっているつわのはな） ○石蕗咲いてすこし明るい午後の雨 秋甫 ○石蕗の花曇天の端曳き寄せる 々 ○石蕗の花首切って葉を寄せにけり 々

○小春日の瀬戸はきらきら兎波 （こはるびのせとはきらきらうさぎなみ） ○外湯から瀬戸の小春を覗きをり 秋甫 ○小春日や中風は鍋を抱へをり 々 ○小春日や指で背押せばあの世かな 々

○小春日の瀬戸はきらきら兎波 （こはるびのせとはきらきらうさぎなみ） ○外湯から瀬戸の小春を覗きをり 秋甫 ○縁は小春中風は鍋を抱えへをり 々 ○小春日や指で背押せばあの世かな 々

○三の酉あって今年の火の用心 （さんのとりあってことしのひのようじん） ○猫の見る吉原越しに酉の市 秋甫 ○風吹けば火の戸締りを三の酉 々 ○売れ残る於福も売れて三の酉 々 今日11月25日は三の酉の日である。 酉の日が3回ある年は火事が多いという言い伝え…

○三の酉あって今年の火の用心 （さんのとりあってことしのひのようじん） ○猫の見る吉原越しに酉の市 秋甫 ○風吹けば火の戸締りを三の酉 々 ○売れ残る於福も売れて三の酉 々

○葱刻む窓に製紙の煙立つ （ねぎきざむまどにせいしのけむりたつ） ○停泊の真白き船や葱刻む 秋甫 ○葱ぬいて鈍色の瀬戸迫りくる 々 ○船の灯や夕餉の葱を刻みけり 々

○葱刻む窓に製紙の煙立つ （ねぎきざむまどにせいしのけむりたつ） ○停泊の真白き船や葱刻む 秋甫 ○葱ぬいて鈍色の瀬戸迫りくる 々 ○船の灯や夕餉の葱を刻みけり 々 急遽新居浜の居住へ応援に行くことになった。 今度はベランダのデッキの修理である。この前…

○一葉忌駅に火鉢の埋め火や （いちようきえきにひばちのうずめびや） ○一葉忌母の手職の糊をねる 秋甫 ○幾つかの母の思い出一葉忌 々 ○一葉忌母には何も教わらず 々

○一葉忌駅に火鉢の埋め火や （いちようきえきにひばちのうずめびや） ○一葉忌母の手職の糊をねる 秋甫 ○幾つかの母の思い出一葉忌 々 ○一葉忌母には何も教わらず 々

○汝と吾と紛うことなき木の葉髪 （なとわれとまがうことなきこのはがみ） ○木の葉髪おかっぱの子の幾星霜 秋甫 ○強者も世に鞣されし木の葉髪 々 ○パソコンのキーの隙間に木の葉髪 々

○パソコンのキーの隙間に木の葉髪 （パソコンのキーのすきまにこのはがみ） ○強者も世に鞣されし木の葉髪 秋甫 ○汝と吾と紛うことなき木の葉髪 々 ○木の葉髪おかっぱの子は幾星霜 々

○柊の花距離おいて暮しをり （ひいらぎのはなきょりおいてくらしをり） ○柊の花より棘の大きけり 秋甫 ○柊の花も棘だに吾になし 々 ○柊の棘に守られ花浄し 々

○柊の花距離おいて暮しをり （ひいらぎのはなきょりおいてくらしをり） ○柊の花より棘の大きけり 秋甫 ○柊の花も棘だに吾になし 々 ○柊の棘に守られ花浄し 々

○絵にすれば虫食いもよき落ち葉かな （えにすればむしくいもよきおちばかな） ○落ち葉焚きキツネの気持ち乗りうつる 秋甫 ○楓落ち葉「葉っぱのフレディ」かもせれぬ 々 ○落ち葉踏めば瓦礫を歩く巨人のごと 々

○絵にすれば虫食いもよき落ち葉かな （えにすればむしくいもよきおちばかな） ○落ち葉焚きキツネの気持ち乗りうつる 秋甫 ○楓落ち葉「葉っぱのフレディ」かもしれぬ 々 ○落ち葉踏んで瓦礫を歩く巨人のごと 々

○冬の雨旅行案内書など広げ （ふゆのあめりょこうあないしょなどひろげ） ○新聞のビニール袋冬の雨 秋甫 ○スーパーの安売り卵冬の雨 々 ○冬の雨緑茶を淹れて腰据える 々

○冬の雨旅行案内書など広げ （ふゆのあめりょこうあないしょなどひろげ） ○新聞のビニール袋冬の雨 秋甫 ○スーパーの安売り卵冬の雨 々 ○冬の雨緑茶を淹れて腰据える 々

○冬の虹瀬戸を架けんと伸ばしけり （ふゆのにじせとをかけんとのばしけり） ○アトリエの二階に見える冬の虹 秋甫 ○冬の虹北欧の旅計画す 々 ○ヒョドルに立ち上がりたる冬の虹 々

○冬の虹瀬戸を架けんと伸ばしけり （ふゆのにじせとをかけんとのばしけり） ○アトリエの二階に見える冬の虹 秋甫 ○冬の虹北欧の旅計画す 々 ○ヒョドルに立ち上がりたる冬の虹 々

○漁師らの潮の匂いや冬ぬくし （りょうしらのしおのにおいやふゆぬくし） ○冬暖か港に糶の終わる頃 秋甫 ○糶済んで空のトロ箱冬ぬくし 々 ○冬ぬくし猫も糶見る魚市場 々

○冬ぬくし猫も糶みる魚市場 （ふゆぬくしねこもせりみるうおいちば） ○冬暖か港に糶の終わる頃 秋甫 ○漁師らの潮の匂いや冬ぬくし 々 ○糶済んで空のトロ箱冬ぬくし 々

○踏石に緑いろして冬の虫 （ふみいしにみどりいろしてふゆのむし） ○冬の蜂虚しき足の動きかな 秋甫 ○冬の蟻畳の角を曲がりけり 々 ○お前たち種は残したか冬の虫 々

○踏石に緑色して冬の虫 （ふみいしにみどりいろしてふゆのむし） ○冬の蜂虚しき足の動きかな 秋甫 ○冬の蟻畳の角を曲がりけり 々 ○お前たち種を残したか冬の虫 々