○九月尽仕切り直して水を飲む （くがつじんしきりなおしてみずをのむ） ○涼しさにまだ慣れぬ日の九月尽 秋甫 ○颱風の同じ道来て九月尽 々 ○捨てるものばかり集めて九月尽 々 颱風24号 朝から準備万端颱風を待っています。沖縄から、奄美へ、やがて九州の南の…

○九月尽仕切り直して水を飲む （くがつじんしきりなおしてみずをのむ） ○涼しさのまだ慣れぬ日の九月尽 秋甫 ○台風の同じ道来て九月尽 々 ○捨てるものばかり集めて九月尽 々

○芒原出て来て尻尾生えてをり （すすきはらでてきてしっぽはえており） ○芒野に人の逝く道すでにあり 秋甫 ○夕阿蘇に産毛生えたり銀薄 々 ○幾たびも野分に耐えし芒かな 々 颱風24号が又この前のようなコースを辿って来るようだ。今日はまだ沖縄辺りをゆっく…

○夕阿蘇の産毛のごとき銀薄 （ゆうあそのうぶげのごときぎんすすき） ○芒原出て来て尻尾生えてをり 秋甫 ○芒野に人の逝く道すでにあり 々 ○幾たびも野分に耐えし薄かな 々

○賢治の童話繙けば秋の声 （けんじのどうわひもとけばあきのこえ） ○樫の木はぽとりころころ秋の声 秋甫 ○佇めば何かはじける秋の声 々 ○秋の声集めて走る電車かな 々

○賢治の童話繙けば秋の声 （けんじのどうわひもとけばあきのこえ） ○樫の木はぽとりころころ秋の声 秋甫 ○佇めば何かはじける秋の声 々 ○秋の声あつめて走る電車かな 々 シグナルとシグナレス 「ガタンコガタンコ、シュウフッフッ、 さそりの赤目が 見えたこ…

○肌寒の丸寝にわれを奪われし （はださむのまるねにわれをうばわれし） ○肌寒や独りの部屋の灯を燈す 秋甫 ○肌寒し露天風呂して星を見る 々 ○肌寒しオカルト映画が戸を叩く 々

○肌寒や独りの部屋の灯を燈す （はださむやひとりのへやのひをともす） ○肌寒の丸寝にわれを奪われし 秋甫 ○肌寒し露天風呂して星を見る 々 ○肌寒しオカルト映画が戸を叩く 々 豊受山の頂上はすっかり雲にかかり肌寒い朝である。 今日の肌寒さ、というか鳥肌…

○友の句のメールに来たる良夜かな （とものくのめーるにきたるりょうやかな） ○明か明かとわが寝所まで良夜かな 秋甫 ○良夜にて心ゆるしてしまひけり 々 ○良夜の道山頭火らし影法師 々 やまなし 宮沢賢治 かにの子どもらはもうよほど大きくなり、底の景色も…

○良夜の道山頭火らし影法師 （りょうやのみちさんとうからしかげぼうし） ○友の句のメールに来たる良夜かな 秋甫 ○明か明かとわが寝所まで良夜かな 々 ○良夜にて心ゆるしてしまひけり 々

○鵙の贄イエスのやうに架けられし （もずのにえイエスのようにかけられし） ○朝鵙の早よ早よ早よと事件かな 秋甫 ○贄おいて三日目も鵙は来ず 々 ○探し物まだ見つからぬ鵙の贄 々

○鵙の贄イエスのやうに架けられし （もずのにえイエスのようにかけられし） ○朝鵙の早よ早よ早よと事件かな 秋甫 ○贄おいて三日目も鵙は来ず 々 ○探し物まだ見つからぬ鵙の贄 々 なめとこ山のくま 宮沢賢治 小十郎は落ちついて足をふんばって鉄砲をかまえた…

○秋桜や身の振り方は風任せ （こすもすやみのふりかたはかぜまかせ） ○秋桜の噂話に揺れる時 秋甫 ○風とゐて心変わりぬ秋桜 々 ○秋桜他生の縁に袖擦りぬ 々 コスモスの詩 与謝野晶子 少し冷たく 匂はしく 清くはかなく たよたよと コスモスの花 高く咲く 秋…

○秋桜や身の振り方は風任せ （こすもすやみのふりかたはかぜまかせ） ○秋桜の噂話に揺れる時 秋甫 ○風とゐて心変わりぬ秋桜 々 ○秋桜他生の縁に袖擦りぬ 々

○あの世から赤い糸張る曼珠沙華 ○彼岸花葉を忘れきて寂しけり 秋甫 ○曼珠沙華咲き切って絡まりにけり 々 ○曼珠沙華中華の街の灯を愛す 々

○あの世から赤い糸張る曼珠沙華 （あのよからあかいいとはるまんじゅしゃげ） ○曼珠沙華咲き切って絡まりにけり 秋甫 ○曼珠沙華中華の街の灯を愛す 々 ○彼岸花葉を忘れきて寂しけり 々 下の畑の畦に咲いていた彼岸花を切ってきて机の上に置いてみた。何かを…

○秋の雨ようすの知れぬ便りかな （あきのあめようすのしれぬたよりかな） ○秋雨やなかなか来ないメール待つ 秋甫 ○秋雨の止んでつくつくまた啼くや 々 ○秋の雨降ったり止んだり虫の声 々

○秋の雨ようすの知れぬ便りかな （あきのあめようすのしれぬたよりかな） ○秋雨やなかなか来ないメール待つ 秋甫 ○秋雨の止んでつくつくまた啼くや 々 ○秋の雨降ったり止んだり虫の声 々 今年は何処へ行ってもまだコスモスを見かけない、いつまでも猛暑がつ…

○男郎花はなの下など長かりし （おとこえしはなのしたなどながかりし） ○男郎花案外心細やかし 秋甫 ○男山隠して咲けり男郎花 々 ○七草に入れてもらえぬ男郎花 々

○男郎花はなの下など長かりし （おとこえしはなのしたなどながかりし） ○男郎花案外心細やかし 秋甫 ○男山隠して咲くや男郎花 々 ○七草に入れてもらへぬ男郎花 々 男郎花はやはり枝がパキパキしていて白がいい。去年北陸の旅をしたと時那谷寺へ行ったがその…

○草の穂を分けて海への小径かな （くさのほをわけてうみへのこみちかな） ○草の穂や汽水の風を右左 秋甫 ○草の穂に軍配振るやがき大将 々 ○草の穂の夜露に濡れて帰る道 々

○草の穂や汽水の風を右左 （くさのほやきすいのかぜをみぎひだり） ○草の穂に軍配振るやがき大将 秋甫 ○草の穂を分けて海への小径かな 々 ○草の穂の夜露に濡れて帰り道 々 三日目の釣り行脚は雨になって牟礼、庵治の半島の港を次回のために車で回って調べる…

○車中泊一歩が外の虫の闇 （しゃちゅうはくいっぽがそとのむしのやみ） ○草枕昼の波音夜の虫の闇 秋甫 ○波音のやがては深き虫の闇 々 ○虫の闇足もとさぐる旅ねぐら 々

○車中泊一歩が外の虫の闇 (しゃちゅうはくいっぽがそとのむしのやみ） ○草枕昼の波音夜はむしの闇 秋甫 ○波音のやがては深き虫の闇 々 ○虫の闇足もとさぐる旅ねぐら 々 12時を回ると大きな街灯は消されて暗く、トイレにでると文字通り虫の闇の中を歩む状態で…

○鯊の目の哀しみ隠す色目金 （はぜのめのかなしみかくすいろめがね） ○草の穂を鯊釣りの子が踏みゆけり 秋甫 ○鯊の餌の沙蚕（ごかい）の鼓動指先に 々 ○針呑んでおどけて見える鯊の貌 々 朝6時出発で、釣り旅人となった。今回は香川県の方面の東回りである。…

○鯊の餌の沙蚕の鼓動指先に (はぜのえのゴカイのこどうゆびさきに) ○針呑んでおどけて見えるはぜの貌 秋甫 ○草の穂をハゼ釣りの子が踏みゆけり 々 ○鯊の目の哀しみ隠す色眼鏡 々

○新生姜刻んで漢よろこばす （しんしょうがきざんでおとこよろこばす） ○新生姜年端も行かぬひね生姜 秋甫 ○新生姜ほんのり紅を指してをり 々 ○頑なに一家眷属大生姜 々 新生姜を大量に頂いた。葉生姜でもなく、谷中生姜でもない、大生姜である。これを3か月…

○午後の陽を切子細工に秋簾 （ごごのひをきりこさいくにあきすだれ） ○秋簾学童の声高くなり 秋甫 ○秋簾けさは翠波に雲掛かる 々 ○秋蝉の別れを告げる簾かな 々 2年目日記（2019年9月16日月曜日） 敬老の日。大体において粗雑さからくる性格で自分の全てが漏…

○秋簾学童の声高くなり （あきすだれがくどうのこえたかくなり） ○秋簾今朝は翠波に雲掛かる 秋甫 ○午後の陽を切子細工に秋簾 々 ○秋蝉の別れを告げる簾かな 々 わが家の簾は台風21号の時外したそのままである。午後の西日が畳の上に日々領域を喰い込ませる…

○百歳が七万人に老人の日 （ひゃくさいがななまんにんにろうじんのひ） 115歳の田中力子さん ○喜寿などはお世話する役敬老会 秋甫 ○老人の日や優先席を若者に 々 ○敬老日長寿の国に吾もゐて 々 2年日記（2019年9月15日） 「敬老の日」。先週自治会の班長さん…