2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ハロウィン

○ハロウィンの日の魔女にアメ強請らるる (ハロウィンのひのまじょにアメねだらるる) 収穫祭 東京の目抜き通りでは、このハロウィンの日のために歩行者天国になっているようだ。若者たちがいろいろなコスプレ衣装で大いに盛り上がっている様子がテレビに流…

ゆく秋

○ゆく秋や泰西名画の雪の街 (ゆくあきやたいせいめいがのゆきのまち) モンマルトルの雪の朝 急に寒くなった。とはいっても雪はまだ先のことだろうが、ユトリロの雪景色が思い浮かんだ。「モンマルトルの朝の雪」雪景色ではなかったが、私も、このモンマル…

穭田

○穭田の宴の後の雨降りそむ (ひつじたのうたげのあとのあめふりそむ) 祭の後 ○雨降れば穭田に淡き幻想 秋甫 ○穭田を子らとゆきけり笛太鼓 〃

落し水

○落し水流れ止まるは旅の果て (おとしみずながれとまるはたびのはて) 収穫の一段落 ○落し水百均に買う洗面器 ○落し水惚けたらもうすててよし ○落し水行き着く先の大河かな 日野原重明さんの穏やかな105歳の天寿を想っている。

藁塚

○夕映えの藁塚モネを焦がれけむ (ゆうばえのわらづかモネをこがれけむ) 秋晴れ ○晩鐘の祈りのやうに藁たちぬ 秋甫 ○夕映えの野に藁塚の祈りかな 〃 ○夕映えに藁塚の影一つかな 〃

木の実

○抽斗は孫の木の実と子の木の実 (ひきだしはまごのこのみとこのこのみ) 木の実の形 団栗もさまざまな形をしている。大小、まん丸、細長、等々。箱の中を開けて木の実を見てみると団栗の他にも色々な種が入っていた。藤の種、これはおはじきのように平べっ…

霧流る灯下に猫の朝帰り (きりながるとうかにねこのあさがえり) 11月の冷え込み 夜明けが随分遅くなった。散歩の時刻はまだ足元がはっきりしない薄明かりの中になる。雨がつづいていたので、久しぶりの散歩となった。中学校のグランドの横で会ういつもの犬…

温め酒

○温め酒京都に遊ぶ話など (ぬくめざけきょうとにあそぶはなしなど) 京都が楽しみ 紅葉の声もそろそろ、来月京都へ行くことにしているが、二年半ぶりになる。娘のマンションに二泊と一泊は北区の方にホテルを予約している。今回はパートナーの高校の同窓会…

きのこ狩り

○きのこ狩り小楢の森に月の出で (きのこがりこならのもりにつきのいで) 台風一過 台風は去ったもののいわゆる台風一過のイメージである秋晴れにはならなかった。 今日74歳になって、銀行から祝いの箸が郵送で届いた。眼鏡屋の見知らぬ男からも電話でおめ…

櫨の実

○櫨の実のはしやぐ枝を雨垂るる (はぜのみのはしやぐえだをあめたるる) 大雨の投票 大雨が降っている中投票に出たが、投票場のあの広いスペースを取り囲むように並んでいる選挙管理委員に見つめられての移動はいつもちょっと苦手なものだった。その上この…

残る虫

○残る虫そぼふる雨をなきにけり (のこるむしそぼふるあめをなきにけり) 秋祭り 当地は今日から3日間地方祭。雨の中法被を着た漢が二人コンビニから肩をすくめて出て来た。太鼓は出るのかどうかどこの町内も組み立てている風は見られなかったが...。 久し…

新豆腐

○新豆腐箸をやさしく入れにけり (しんとうふはしをやさしくいれにけり) [Y君へ 毎日雨がよく降るね 傘さしての通学は大変でしょう 一日一日気温が低くなっていきます いつかのような薄着だと 風邪ひいてしまいそうだよ 来月10日にNさんと一緒に京都へ行…

鵙の贄

○ゴルゴダの丘に三つの鵙の贄 (ゴルゴダのおかに三つのもずのにえ) 10月の台風 台風21号が接近している。四国にもっとも近づくのは23日(月)頃とか、まだまだ雨がつづくのかと思うとちょっとうんざりする。 どこかの木の枝に刺されている鵙の贄もこ…

秋湿り

○秋湿り画帳抱へて教室へ (あきじめりがちょうかかえてきょうしつへ) 絵の日は雨が多い 画帳や絵具など入れるとバッグは少し大きめになって、車止めから広い庭を傘さして行くのは厄介なことだった。しかもこの教室の日には雨がよく降るのだ。庭には四季お…

夜寒

○丸寝の子夜寒の夢の迷路の中 (まるねのこよさむのゆめのめいろのなか) 大布団を出す うたた寐をすると正式に床へ入らなければと思うけれど、なかなか起き上がれない、けっして快眠とは言えない状況なのに体がいう事を聞いてくれないのだ。 私の場合居間で…

栃の実

○栃の実やパリの舗道に拾われし (とちのみやパリのほどうにひろわれし) セイヨウトチノキ 春、パリの舗道は栃の花が盛りであった。 ちょっと気取ってみたが、この春にフランスへ行ったこともパリの街路樹のマロニエの木が花盛りだったのもすべてこの目にし…

○裏表問へば表や柿たわわ (うらおもてとへばおもてやかきたわわ) 柿の木の豊作 散歩の道々に見る柿の木は今年どの木にも柿の実をたわわにつけている。作物には裏年といったり表年といったりして、よく成った年は表年のようである。

烏瓜

○烏瓜弟の嘘淋しけり (からすうりおとうとのうそさびしけり) 郷愁 鵯のピーヨピーヨという声をキーッ、キーッと鵙が遮る。一日中そんな鳥たちの営みを聞いていると、昔々の秋の日が思い出される。 弟と私は十歳はなれた姉弟である、弟の幼い頃はほとんど私…

鱗雲

〇少年の胸の秘密や鱗雲 (しょうねんのむねのひみつやうろこぐも) Y君へ 又「一人旅行」の醍醐味を体験してきたんだって? どうして友だちと行かないのかと、言ってしまってから、自分自身の事を振り返って野暮な意見だったと思ったものだ。 吾輩も一人で…

銀杏

○銀杏の落ちる音聞く雨の夜 (ぎんなんのおちるおときくあめのよる) ギンナン 今年はギンナンを少し香園寺の境内に拾った。ギンナンは果肉を取り除かなければならずそれが手間で近年はすっかり関心を失ってしまっていたが、香園寺の近くへ行く用事があった…

秋晴れ

○秋晴れや定年の日の制服干され (あきばれやていねんのひのふくほされ) ノーベル文学賞 今年のノーベル文学賞はイシグロ.カズオの受賞だった。日本人であるがイギリス国籍のイギリス人の受賞である。代表作に「わたしを離さないせで」という作品があるらし…

草の穂

〇草の穂の夢み心地に昼の月 (くさのほのゆめみここちにひるのつき) 15歳の一人旅 久しぶりに電話を入れてみると娘は留守で孫が出た。彼の声は最近益々低音域に幅が出てきてゆったりと心落ち着かせるものがあった。Skypeしようよと、言ってみた。丁度学…

秋深し

○色も香も種になり初む秋深し (いろもかもしゅになりはじむあきふかし) 老いるという事 下の畑の老人が杖をついて大根の芽の出具合を見に来ていた。はじめに種を播いた後台風がきて大雨に芽は流されてしまったのである。次に播いたのが漸く大根の葉と見分…

○鵯の木に午後は鵙なく秋日和 (ひよのきにごごはもずなくあきびより) 朝はやくから上の廃屋の庭にあるねむの木で小鳥の鳴く声が賑やかである。ピーピーピ、ピーヨピイルルと絶え間がない、姿は見えないが雀の声もするようであった。それらの声に替わって午…

秋しぐれ

○札所来てジビエの郷の秋しぐれ (ふだしょきてジビエのきょうのあきしぐれ) 山くじら 何年か前お四国さんの札所巡りをした。その所々で檀家のお接待に逢うことがあり、それは幸運に出会った気持ちにさせてるれるものであった。山の上の雲辺寺では暖かい一…

新米

○稲の穂を添えて新米贈らるる (いねのほをそえてしんまいおくらるる) 新米 滋賀県の従妹から今年は新米が送られてきた。電話によると昨年は家畜用の飼料を作っていたらしい。そういえば何年か前、休耕地対策として飼料米にも補助金を支給しようという言う…

十五夜

○十五夜のあれこれ聞こゆものの音 (じゅうごやのあれこれきこゆもののおと) 早い月の出 昨夜は十五夜の満月だった。日没後まもなくと思われた時間に、台所の東の小窓の外がまるで球場にライトが灯されたように明るくなったので勝手口を出てみると、満月の…

朝寒

○朝寒やマグカップ持つ手の温し (あささむやマグカップもつてのぬくし) 朝晩の肌寒む 朝夕肌寒くなった。コーヒーのマグカップを両手に抱えるとき暖かくて気持ちよく感じるようになった。 旅行の写真を送ったら「背中が丸くなったね」と言われた。74歳と…

秋霖

○秋霖や瓦のしずく午後の窓 (しゅうりんやかわらのしずくごごのまど) 秋雨 静かな雨の一日であった。窓の外に降る雨を眺めて過ごしてしまった。 ○秋黴雨(あきついり)蟻も列なし雨宿り 秋甫

秋の雨

○秋の雨また一つ消ゆ歩ゆまねば (あきのあめまたひとつきゆあゆまねば) 朝からの雨 この頃目にみえていろいろな機能が衰えていくのを実感する。記憶力、体力、生活能力,等々。 7月に105歳で亡くなられた、日野原重明医師は自分の死を目の前にしてベッ…