2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

冬安吾

◦嘆異抄枕頭に置き冬安吾 (たんにしょうちんとうにおきふゆあんご)

日向ぼこ

◦日向ぼこ豆乾く音聞きながら (ひなたぼこまめかわくおとききながら)

感謝祭

◦感謝祭聖書を閉じて大根煮る (かんしゃさいせいしょをとじてだいこにる)

いちょう落葉

◦千年のいちょう落葉の下に立つ (せんねんのいちょうおちばのしたにたつ)

山時雨る

◦山時雨る鍋の囁き快し (やましぐるなべのささやきこころよし)

三島忌

◦三島忌や仮面の下のお面かな (みしまきやかめんのしたのおめんかな)

もみじ狩り

◦もみじ狩り箸添へらるる所まで (もみじがりはしそえらるるところまで)

枯園

◦枯園や明眸にある愁ひかな (かれぞのやめいぼうにあるうれいかな)

◦嚔してきのうを苦く呼び覚ます (くしゃみしてきのうをにがくよびさます)

湯ざめ

◦宵口の電話切れずに湯ざめかな (よいぐちのでんわきれずにゆざめかな)

温め鳥

◦温め鳥北へ逃げよと鷹の言ふ (ぬくめどりきたへにげよとたかのいう)

小春日

◦小春日や海抱く町を一輛車 (こはるびやうみだくまちをいちりょうしゃ) わが家の廚からは 海が見えます。春夏秋冬、わが家を訪れる友人は素晴らしい所に住んでいるのねと言います。確かにこれに勝る幸せは他にないと思っています。俳句に出会うべくして出…

寒潮

◦寒潮の岬一人に日を占むる (かんちょうのみさきひとりにひをしむる)

日野菜漬け

◦在りし日の母の手塩や日野菜漬け (ありしひのははのてしおやひのなづけ) 京都に住む従姉妹が 私の好きな日野菜を漬け物にして送ってくれました。 滋賀県に小学校へ上がるまで過ごした私は、祖父母に育てられたので日常の食べ物というと漬け物とみそ汁が定…

ボジョレヌーヴォ

◦生ハムにボジョレヌーヴォ箸添えて (なまハムにボジョレヌーヴォはしそえて)

冬の虹

◦大いなる神の約束冬の虹 (おおいなるかみのやくそくふゆのにじ)

ゆく秋

◦ゆく秋の小猿は乳をこひしけり (ゆくあきのこざるはちちをこひしけり)

無患子

◦無患子を拾へば重き掌 (むくろじをひろえばおもきたなごころ)

秋の陽

◦鬼瓦哭く秋の陽の薄情 (おにがわらなくあきのひのうすなさけ)

種採り

◦種採りの袋狙うて山颪 (たねとりのふくろねろうてやまおろし)

秋映え

◦秋映えはりんごの名とて故郷の空 (あきばえはりんごのなとてくにのそら)

秋深し

◦鈍ぶに浮く二艘の漁に秋深し (にぶにうくにそうのりょうにあきふかし)

冷まじ

◦冷まじや又三郎が家の中 (すさまじやまたさぶろうがいえのなか)

螻蛄鳴く

◦螻蛄鳴くや地の闇哀れ相聞歌 (けらなくやちのやみあわれそうもんか)

朝寒し

◦勤行の灯消す刻や朝寒し (ごんぎょうのひけすときやあささむし)

次郎柿

◦夕焼けや父情に薄き次郎柿 (ゆうやけやふじょうにうすきじろうがき)

林檎

◦林檎むくエヴァの無邪気にもどりつつ (りんごむくエヴァのむじゃきにもどりつつ)

文化の日

◦文化の日筆持ち替へてペンキ塗り (ぶんかのひふでもちかえてペンキぬり)

烏瓜

◦からす瓜闇にも赤き烏瓜 (からすうりやみにもあかきかからすうり)

凩の

◦凩の一号吹いて神もどる (こがらしの一ごうふいてかみもどる)