2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧
〇福来らと黒豆に照り年越しぬ (ふっくらとくろまめにてりとしこしぬ) 〇年越の儀式のやうに鰊蕎麦 河童三子 〇レンジの火一つ物煮る去年今年 々 〇年越や冷凍お節宅配で 々 婆ごころ 30日の絵 31日の絵 〈此の一句〉 〇あおあおと年越す北のうしほかな 飯…
〇龍の玉零れて髭に隠れむや (りゅうのたまこぼれてひげにかくれんや) 〇龍の玉をのこにしめし摘ませむや 河童三子 〇空の碧漆黒の闇龍の玉 々 〇弟の嘘哀しけり龍の玉 々 婆ごころ 30日の絵 31日の絵 〈此の一句〉 〇地球またかく青からむ龍の玉 鷹羽狩行…
〇天功のイリュージョンかな年の暮れ (てんこうのイリュージョンかなとしのくれ) 〇歳晩を逃げて銭湯に浮いてをり 河童三子 〇年末や物動かせる鼻欲りぬ 々 〇年の瀬の海銅鐸のごとくかな 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇戦争に値上げに不感年つまる 相馬遷子…
〇四五頁残し今年の日記果つ (しごぺいじのこしことしの日記はつ) 〇安曇野の紅葉挟んで日記果つ 河童三子 〇日記果つ旅の案内など貼って 々 〇旅の日はパンフレットの日記果つ 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇来る年の夢書き入れて日記果つ 高橋悦男(1934年…
〇数へ日や海鮮丼の海老の髭 (かぞえびやかいせんどんのえびのひげ) 〇数え日やエクササイズのPPK 河童三子 〇数え日や香典袋の墨を磨る 々 〇数え日の日航にサイバー攻撃 々 婆ごころ 26日の絵 27日の絵 〈此の一句〉 〇数へ日のどこか無骨にラ・フランス…
〇いそいそと銚子二本を温め酒 (いそいそとちょうしにほんをぬくめざけ) 〇一口の口ほころびて温め酒 河童三子 〇温め酒二口のめば頬に出て 々 〇辛口を熱燗にして舌鼓 々 婆ごころ 26日の絵 27日の絵 〈此の一句〉 〇嗜まねど温め酒はよき名なり 高浜虚子…
〇哀感の日々の記憶や古暦 (あいかんのひびのきおくやふるごよみ) 〇古暦八つ切りにして新メモ帳 河童三子 〇一年を不可なく過ごし古暦 々 〇古暦走り書きの字読み返す 々 婆ごころ 〇ヒマラヤの麓に古りし暦かな 山本洋子(1934年~)
〇仏壇に蝋燭ともる聖夜かな (ぶつだんにろうそくともるせいやかな) 〇一切れの聖菓いただくお仏壇 河童三子 〇碇泊の船の灯りも聖樹めく 々 〇オリオンのベルトが赤き聖夜かな 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇ヴェール被てすぐに天使や聖夜劇 津田清子(1920…
〇角切の鰤の頭に目玉かな (かくぎりのぶりあたまにめだまかな) 〇大時化の海の色して鰤ならぶ 河童三子 〇鰤荒もだいこもゴロと鰤大根 々 〇鰤大根照りを出す派と出さぬ派と 々 婆ごころ (22日の絵) (23日の絵) 〈此の一句〉 〇海荒るる鰤おもへりき…
〇登校の角のミラーや霜の道 (とうこうのかどのミラーやしものみち) 〇霜日和傘寿を一つ越しにけり 河童三三子 〇足跡の儚きものや霜の上 々 〇今朝の霜パン焼きあがる湯気少し 々 婆ごころ 22日(絵) 23日(絵) 〈此の一句〉 〇わかれ鹿霜の笹山わたる…
〇六切れほど冬至南瓜煮て独り (むきれほどとうじなんきんにてひとり) 〇山より出で海へ沈みし冬至の日 河童三子 〇冬至湯やカピバラは天竺鼠 々 〇冬至日や吾に再生する気力 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇物干の影に測りし冬至かな 正岡子規(1867━1902) …
〇煤払い窓にオリオンの足見へて (すすはらいまどにオリオンのあしみえて) 〇オリオン座に神の刺客の蠍(さそり)迫る 河童三子 〇オリオンの大暴れする冬の星 々 〇描かれしオリオン星座みて眠る 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇中空にオリオン揚げて村凍てし…
〇凍蝶はふたたび翅を広げざる (いてちょうはふたたびはねをひろげざる) 〇凍蝶の翅閉ずごとく終はりたし 河童三子 〇翅閉じて堕つ凍蝶の薄明かり 々 〇風葬のごと凍蝶は風に乗る 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇記憶古りて凍蝶の翅欠きやすし 寺山修司(1935…
〇忽がせぬ信念忽と海鼠噛む (ゆるがせぬしんねんこつとなまこかむ) 〇海鼠の姿進化図のどの辺り 河童三子 〇本心は在りやなきや海鼠切る 々 〇手榴弾のやうなる海鼠潮を吐く 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇一念の凝りて海鼠や桶の底 奥坂まや 実は、作者奥…
〇冬鵙や窓へ斜めに陽の落ちをり (ふゆもずやまどへななめにひのおちおり) 〇目患ひて耳聡くなる冬の鵙 河童三子 〇冬鵙や目患ひて母の声 々 〇日当りに胸膨らます冬の鵙 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇詩を捨て得ず冬鵙胸を照しをれり 米沢吾亦紅(1901━198…
〇歳時記と国会中継冬籠 (さいじきとこっかいちゅうけいふゆごもり) 〇樹を伐られ海の披(ひら)ける冬籠 河童三子 〇荷揚げ待つチップ船みて冬こもる 々 〇冬籠り山に降る雪見て一日(ひとひ) 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇人形に愛憎すこし冬籠 後藤夜半…
〇鉄塔を哭かせて走る虎落笛 (てっとうをなかせてはしるもがりぶえ) 〇樹を伐って海へ出て行く虎落笛 河童三子 〇第九聴いて街へ出れば虎落笛 々 〇虎落笛漁師の路地で行き止まる 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇訪ひ来しは待つ人ならず虎落笛 鈴木花蓑(1881…
〇大杉の伐られし夜の雪起こし (おおすぎのきられしよるのゆきおこし) 〇山からの雪起し来る海の町 河童三子 〇漁師町幾曲がり行く雪起し 々 〇雪起し鴉伐られし巣を探す 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇照るときの伊吹の鞍や雪起し 阿波野青畝(1899━1992) …
〇河豚でなく鴨でもなくて卵のおじや (ふぐでなくかもでもなくてたまごのおじや) 〇弟に食べさすおじや我が口へも 河童三子 〇雑炊を粋に思へぬ不幸かな 々 〇汁物にすぐ飯入れる雑炊癖 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇雑炊をよろこぶ我は戦中派 森田峠(1924…
〇マルキスト赤い襟巻してねむる (まるきすとあかいえりまきしてねむる) 〇マフラーより出てゐる眼(まなこ)澄めるかな 河童三子 〇マフラーとニット帽子どもは風の子 々 〇襟巻して風のない日の散歩かな 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇桂郎の赤い襟巻畦の…
〇冬帽子夜勤あがりの朝の街 (ふゆぼうしやきんあがりのあさのまち) 〇二ット帽肩竦(すく)め行く雪空の下 河童三子 〇ロシア帽ウオッカ呑めば労働歌 々 〇冬帽子ボルサニーノのデカプリオ 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇磔像の前冬帽を鷲掴み 山田弘子〈19…
〇坊ちゃん湯朝の太鼓や漱石忌 (ぼっちゃんゆあさの太たいこそうせききそうせきき) 〇イギリスはいつも傘さす漱石忌 河童三子 〇其れからは未読のままに漱石忌 々 〇湯上がりに絣着てみる漱石忌 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇漱石忌洋間の冷えに爪立ちて 鍵…
〇鴨川に首垂るる鷺冬の月 (かもがわにくびたるるさぎふゆのつき) 〇浄土寺の鐘楼高く冬の月 河童三子 〇冬の月二匹の猫が屋根の上 々 〇子狐の母待つ空に冬の月 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇長安の糸より細き冬の月 有馬朗人(1930━2020) 有馬明人は東大…
〇来年もがんばりませう納め句座 (らいねんもがんばりませうおさめくざ) 〇ネット句に人柄見へて納め句座 河童三子 〇納め句座石の上にも三年や 々 〇納め句座きりっと締まる句も出来ず 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇恙なく一門揃ふ納句座 吉野濃菊 「納め…
〇湯豆腐を掬ってもらふ崩れぬ仲 (ゆどうふをすくってもらうくずれぬなか) 〇湯豆腐の湯気の此方に並ぶかな 河童三子 〇湯豆腐や死後を認めぬ人と食ぶ 々 〇湯豆腐や雨音きえて雪になる 々 婆ごころ 〈此の一句〉 〇湯豆腐やいのちのはてのうすあかり 久保…
〇枇杷の花ジェネリックにて生き延びし (びわのはなジェネリックにていきのびし) 〇枇杷の花むかし長屋の子沢山 河童三子 〇軽口をたたいて寒し枇杷の花 々 〇この庭に子の声なくて枇杷の花 々 婆ごころ 早朝から ブルばあちゃんの 山の裾野に煙が棚引いて…
〇狸谷北風に舞ふ木の葉銭 (たぬきだにきたかぜにまうこのはせん) 〇平成の狸子もなく木の葉髪 河童三子 〇ポンポコリン貉(むじな)こぞりて年忘れ 々 〇掛帳持つ陶の狸に師走かな 々 婆ごころ ブルばあちゃんは今月の血圧の薬をいただきにクリニックへ行…
〇冬陽選り六角堂の鳩歩む (ふゆひえりろっかくどうのはとあゆむ) 〇冬日射し手術の予後のまた伸びし 河童三子 〇日当りを求めて歩く冬の鳩 々 〇きのふより今日おとろへて冬日受く 々 婆ごころ 京都、滋賀から戻って漸く ブルばあちゃんは12月(師走)を…
〇浅漬けの色はんなりと京の彩 (あさづけのいろはんなりときょうのいろ) 〇朝粥に浅漬けしぼり添えにけり 河童三子 〇浅漬けに京の思いで鏤(ちりば)めし 々 〇浅漬けの赤白緑京の彩 々 婆ごころ 浅漬けの美味しい気候になりました ブルばあちゃんの従妹…
〇狐火や土葬に苔のしめり哉 (きつねびやどそうにこけのしめりかな) 〇村長の狐火談義目がひかる 河童三子 〇狐火や夜空に走るドロン砲 々 〇狐火にも見まよふ岡の我が家の灯 々 婆ごころ 滋賀県の甲賀町は 甲賀流の忍者の里でした 子供のころ「猿飛佐助」…