2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

大晦日

◦明日から荒れる予告に大晦日 (あしたからあれるよこくにおおみそか)

今年果つ

◦悉く「哉」「けり」捨てて今年果つ (ことごとく「かな」「けり」すててことしはつ

海鼠

◦海鼠噛むこりこりこりッ孤独噛む (なまこかむこりこりこりッこどくかむ)

冬菫

◦この頃の腰屈まりて冬菫 (このごろのこしかがまりてふゆすみれ)

冬耕

◦冬耕や眠る蛙の温かし (とうこうやねむるかえるのあたたかし)

日記買う

◦横書きに合わぬ暮しの日記買う (よこがきにあわぬくらしのにっきかう)

風邪

◦校則を解かれて出すや風邪の熱 (こうそくをとかれてだすやかぜのねつ)

冬の北斗

◦灯を消して冬の北斗を引き寄せる (ひをけしてふゆのほくとをひきよせる)

年の暮

◦図書館に逃げて来ている年の暮 (としょかんににげてきているとしのくれ)

冬至

◦冬至とてトンガの国の南瓜買う (とうじとてトンガのくにのかぼちゃかう)

大掃除

◦西鶴の片下駄に泣く大掃除 (さいかくのかたげたになくおおそうじ)

冬茜

◦図書館の閑客といし冬茜 (としょかんのかんかくといしふゆあかね)

雪囲い

◦竜宮も雪囲いなどしていしか (りゅうぐうもゆきがこいなどしていしか)

雪霏霏

◦雪霏霏と聖戦に消ゆ海の墓 (ゆきひひとジハードにきゆうみのはか)

冬の池

◦冬の池骨もあらわに胸の内 (ふゆのいけほねもあらわにむねのうち)

師走

◦一句二句四句五句八句師走の苦 (いっくにくしくごくはっくしわすのく)

日向

◦票開かばアベノミクスの日向かな (ひょうあかばアベノミクスのひなたかな)

寒夜

◦北斗星大きく見ゆる寒夜かな (ほくとせいおおきくみゆるかんやかな)

今朝の霜

◦少年の靴跡のこす今朝の霜 (しょうねんのくつあとのこすけさのしも)

凍星

◦凍星や神の金槌振るわれし (いてぼしやかみのかなづちふるわれし)

麦踏み

◦麦踏みの賢治のやうに歩みけり (むぎふみのけんじのようにあゆみけり)

冬銀河

◦冬銀河胸奥の灯を鷲掴む (ふゆぎんがむなおくのひをわしづかむ)

冬の川

◦冬の川争いの種子流れざる (ふゆのかわあらそいのたねながれざる)

薄氷

◦大がめや目高ねむらす薄氷 (おおがめやめだかねむらすうすごおり)

懐手

◦子の真似て父と山みる懐手 (このまねてちちとやまみるふところで)

龍の玉

◦龍の玉撃てば昔のがき大将 (りゅうのたまうてばむかしのがきたいしょう)

初雪

◦初雪や口あけて待つ子の居たり (はつゆきやくちあけてまつこのいたり)

いちょう散る

◦いちょう散る街手品師のイルージョン (いちょうちるまちてじなしのイルージョン)

冬の公園

◦冬の公園手品師の鳩もどる (ふゆのこうえんてじなしのはともどる)

極月

◦極月やまた絡繰りの絵を回す (ごくげつやまたからくりのえをまわす)