2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧
◦復興の加速促す二月尽 (ふっこうのかそくうながすにがつじん)
◦面舵に霞の中の歩かな (おもかじにかすみのなかのあゆみかな)
◦遺言を夢に綴りぬ春の鐘 (ゆいごんをゆめにつづりぬはるのかね)
◦探梅にいつか浸しの菜を摘みぬ (たんばいにいつかひたしのなをつみぬ)
◦鶏の胃を借り受けん黄砂来る (にわとりのいをかりうけんこうさくる)
◦野焼の火わが心中に飛火かな (のやきのひわがしんちゅうにとびひかな)
◦男句も女句も春のさざ波 (おとこくもおんなくもはるのさざなみ)
◦春めくや浮かれ迷ひぬ小群鵯 (はるめくかれまよいぬこむれひよ)
◦白魚の釜から出て目の黒し (しらうおのかまからいでてめのくろし)
◦円安や爪に火ともす余寒かな (えんやすやつめにひともすよかんかな)
◦春の子の木を集めおる鴉かな (はるのこのきをあつめおるからすかな)
◦たらの芽のハウスにありて何ぞ知る (たらのめのハウスにありてなんぞしる)
◦落椿隕石燃えて地を覆う (おちつばきいんせきもえてちをおおう)
◦春寒し一墓を廻り死生観 (はるさむしいちぼをめぐりしせいかん)
◦いざ出よ早春の道汝がために (いざいでよそうしゅんのみちながために)
◦丸刈りに春一番の思惑かな (まるがりにはるいちばんのしわくかな)
◦真贋の自ずと現れて春は来ぬ (しんがんのおのずとあれてはるはきぬ)
◦鞠つきの歌も昔の紀元節 (まりつきのうたもむかしのきげんせつ)
◦春浅しレプリカの像拝しけり (はるあさしレプリカのぞうはいしけり)
◦一山を吹きては晴れて春の雪 (いちざんをふきてははれてはるのゆき)
◦泣き面のマラソンの子に寒戻る (なきつらのマラソンのこにかんもどる)
◦先に出て春待つらしく杉の実も (さきにでてはるまつらしくすぎのみも)
◦ハードルの下げ幅変えて春隣 (ハードルのさげはばかえてはるどなり)
◦寒卵殻の烙印四日迄 (かんたまごからのらくいんよっかまで)
◦身ひとつそっくり捨てて厄落とし (みひとつそっくりすててやくおとし)
◦福豆も年々餘る齢かな (ふくまめもねんねんあまるよわいかな)
◦狐火を見たという爺身罷りぬ(きつねびをみたというじじみまかりぬ)
◦二月まだ底というもの蔵しけり (にがつまだそこというものぞうしけり)