2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧
◦此の闇の黄泉平坂鉦叩き (このやみのよもつひらさかかねたたき)
◦興もなし切り藁敷ける苅田かな (きょうもなしきりわらしけるかりたかな)
◦新豆腐自己申告の大豆哉 (しんとうふじこしんこくのだいずかな)
◦この頃は倖も不幸も秋の色 (このごろはこうもふこうもあきのいろ)
◦蘊蓄を聞いてから食ぶ走り蕎麦 (うんちくをきいてからたぶはしりそば)
◦栗の実の爆ぜて転がる昔道 (くりのみのはぜてころがるむかしみち)
◦捨てられし山の駅舎の草の花 (すてられしやまのえきしゃのくさのはな)
◦駅前の店に笊盛る蒸かし藷 (えきまえのみせにざるもるふかしいも)
◦靴の紐二重結びに秋うらら (くつのひもにじゅうむすびにあきうらら)
◦括られて家にや哀れ萩芒 (くくられていえにやあわれはぎすすき)
◦秋更けし人差し指に聖書繰り (あきふけしひとさしゆびにせいしょくり)
◦新米や白飯好きの孫いのち (しんまいやしろめしずきのまごいのち)
◦稲雀落ち穂銜えて飛び立てず (いなすずめおちぼくわえてとびたてず)
◦秋場所や豪栄道の弁当食ぶ (あきばしょやごういえどうのべんとうたぶ)
◦騎馬戦のほどけて戻る天高し (きばせんのほどけてもどるてんたかし)
◦敬老日古稀は入口席立ちぬ (けいろうびこきはいりぐちせきたちぬ)
◦秋の航静かに潮を裁ちて行く (あきのこうしずかにしおをたちていく)
◦石蹴りの案山子跳びけり路地の秋 (いしけりのかかしとびけりろじのあき)
◦爽やかや七草散れる高野切 (さわやかやななくさちれるこうやぎれ)
◦観月の磧に芋を拾ひけり (かんげつのかわらにいもをひろいけり)
◦目薬の溢れて秋の泪かな (めぐすりのあふれてあきのなみだかな)
◦鬼の子の蓑捨てられず口きけず (おにこのみおすてられずくちきけず)
◦丘の上に碧き家見ゆ秋意かな (おかのえにあおきいえみゆしゅういかな)
◦無花果にアラビア遠く祈り捨つ (いちじくにアラビアとおくいのりすつ)
◦秋雨のダム放流や庭の池 (あきあめのダムほうりゅうやにわのいけ)
◦色鳥の来てコンビニの二十四時 (いろどりのきてコンビニのにじゅうよじ)
◦夜半から虫驚かす秋の雷 (やはんからむしおどろかすあきのらい)
◦寄りよりて転びて果つる芋の露 (よりよりてまろびてはつるいものつゆ)
◦世を翻し翻し秋めける (よをひるがえしひるがえしあきめける)
◦防災の日の島見えて雨あがる (ぼうさいのひのしまみえてあめあがる)