2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小六月

〇小六月車窓間近き瀬戸の波 (ころくがつしゃそうまぢかきせとのなみ) 〇小六月京の雑踏より戻る 河童三子 〇遥かなる小島の晴れて小六月 々 〇縁に座せば我が山となる小六月 々 婆ごころ 障子を開けて ガラス窓から入る日当りにパソコンを移動させて 日向…

初冠雪

〇初冠雪女ごころの胸騒ぎ (はつかんせつおんなごころのむなさわぎ) 〇村人の消えてゆく日や初冠雪 河童三子 〇前山の今朝の初雪雲でなく 々 〇初冠雪ゆすぶってみる灯油缶 々 婆ごころ 秋からこっち 初めて豊受山に雪がかかりました 居間のブルばあちゃん…

寒風

〇寒風や底冷えを舞い上げていく (かんぷうやそこびえをまいあげていく) 〇寒風に口の回りを晒されし 河童三子 〇寒風や京都盆地を西廻り 々 〇寒風の一夜の宿を借りに来し 々 婆ごころ 新幹線を岡山で降りて「しおかぜ」に乗り換えると やがて瀬戸大橋を…

朴落ち葉

〇朴落ち葉夕暮の魔女の落とし物 (ほうおちばゆうぐれのまじょのおとしもの) 〇一踏みで木っ端みじんの朴落葉 河童三子 〇キャンパスは朴の落葉を絨毯に 々 〇一刃に朴の落葉の虚空斬る 々 婆ごころ よく乾いた枯葉は小さい物ほどおしゃべりで陽気に騒ぎだ…

根深汁

〇いま掘った大きな穴の根深汁 (いまほったおおきなあなのねぶかじる) 〇下仁田の太き一切れ根深汁 河童三子 〇根深汁金時芋に場所譲る 々 〇九条葱山ほど乗せて掛けうどん 々 婆ごころ 今年の5月の半年検診のときは従姉妹と会っていなかったから 久しぶ…

闇鍋

〇闇鍋に悲鳴のあがる蟹の爪 (やみなべにひめいのあがるかにのつめ) 〇闇鍋や神経研げる箸の先 河童三子 〇柔らかき物闇鍋に摘まみあぐ 々 〇闇鍋を無闇やたらに搔きまわす 々 婆ごころ 9時30分 リンパ浮腫外来受診 腫れは変化なし 11時30分 乳腺外来受診 …

綿虫

〇綿虫を連れて極楽浄土観る (わたむしをつれてごくらくじょうどみる) 〇夕暮の西京の野に綿虫と 河童三子 〇平安に綿虫の舞ふみやびかな 々 〇綿虫のふわりふわりと京の町 々 婆ごころ 今回の京都行きのために ブログに虫食いの空白ができてしまいました …

小春

〇小路まで人波入るる京小春 (こうじまでひとなみいるるきょうこはる) 〇小春日や知恩寺に古本を読む 河童三子 〇古本市小春陽あてて古地図見る 々 〇小春日やランチに並ぶめし屋かな 々 婆ごころ 京都に来ると古本屋さんを思い出します ちょっとしたお寺…

冬の蜂

〇約束の蜜を夢みる冬の蜂 (やくそくのみつをゆめみるふゆのはち) 〇冬暖にあだな命や冬の蜂 河童三子 〇日当りに脚のばしをり冬の蜂 々 〇冬の蜂電車に乗って検診に 々 婆ごころ 三階の広い窓からは欅の梢が覗いています 久しぶりに見る居間からの 光景に…

ボジョレーヌーヴォー

〇ボジョレーヌーヴォー知らぬ顔してチリワイン (ボジョレーヌーヴォーしらぬかおしてチリワイン) 〇通ぶってボジョレーの赤冷やしおり 河童三子 〇ボルドーの第三木曜新酒に湧く 々 〇ボジョレーもアルパカもワイングラスで 々 婆ごころ ブルばあちゃんは…

河豚

〇てっちりや腹空にして河豚提灯 (てっちりやはらからにしてふぐちょうちん) 〇づぼらやの提灯下りて河豚の季 河童三子 〇大阪の食道楽に河豚屋消え 々 〇大皿にてっちりの身の薄さかな 々 婆ごころ きのう 谷川俊太郎氏の訃が報じられました 92歳というお…

落葉

〇落葉着てお地蔵のオートクチュール (おちばきておじぞうのオートクチュール) 〇欅落葉金波銀波の陽の溜まり 河童三子 〇お地蔵の赤い落葉を好むかな 々 〇落葉して禊に在るや大欅 々 婆ごころ 今朝はすっかり寒くなりました お豊受山を見ると 頂上辺りが…

障子

〇絵草子や朝な夕なの障子の影 (えぞうしやあさなゆうなのしょうじのかげ) 〇小鳥きて障子の影に遊ぶかな 河童三子 〇障子あけて遊ぶ小鳥を逃しけり 々 〇障子洗ふ山から雲が降りぬ間に 々 婆ごころ 障子の影絵と言えば 俳句を初めてから3年目に はじめて…

神迎

〇盛塩に神を迎へる心かな (もりじおにかみをむかえるこころかな) 〇柏手(かしわで)を三回打って神迎へ 河童三子 〇氏神や出雲の旅を無事に了へ 々 〇がやがやと八百万神家に戻る 々 婆ごころ この頃夜の明けるのがとても遅いように感じられます 夜中に…

藷粥

〇息吹いて藷粥の湯気ふくらます (いもがゆやほほふくらますゆげのなか) 〇藷粥を行平に炊く一人かな 河童三子 〇藷粥や沢庵の音噛みころす 々 〇十日夜の大釜に粥炊くまわり 々 婆ごころ お粥さんはブルばあちゃんにとっては 幼い頃から親しみのある食事…

柊の花

〇柊咲く億劫になる水仕ごと (ひいらぎさくおっくうになるみずしごと) 〇一本の柊に一房の花 河童三子 〇家守る柊の花香も秘そか 々 〇いつの間に柊咲きし石に落つ 々 婆ごころ 朝から雨模様でした フェンスには一日中 雨の雫が溜っていて 乾くことも流れ…

重ね着

〇マトリョーシカ彩ぬり替えて重ね着る (マトリョーシカいろぬりかえてかさねきる) 〇夜神楽に皆ころころと厚着かな 河童三子 〇重ね着て胆斗(たんと)のごときお婆かな 々 〇重ね着して平安朝の物腰に 々 婆ごころ 数年前 旅行でロシアへ行きました 何日…

石蕗の花

○梵字書く札所の僧や石蕗の花 (ぼんじかくふだしょのそうやつわのはな) 〇陽だまりを歩く遍路と石蕗の花 河童三子 〇花石蕗の首を伸ばして誰を待つ 々 〇石垣の下の花石蕗背が高き 々 婆ごころ テレビではカラリと晴れて絶好の洗濯日和と言ってますが 朝か…

末枯

〇末枯れて終に払拭されしかな (うらがれてついにふっしょくされしかな) 〇末枯のすき間を風の走る音 河童三子 〇末枯や縁のほとりの日溜まりに 々 〇末枯野しゅぅしゅぅ哭かす空があり 々 婆ごころ 夕べおトイレに立った時窓の外が とても明るかった ブル…

〇すき焼きは昔百匁の鯨にて (すきやきはむかしひゃくめのくじらにて) 〇家族六人丸く座って鯨鍋 河童三子 〇新聞に血滲ませる鯨買ふ 々 〇背に近き鯨の赤身より知らず 々 婆ごころ ブルばあちゃんの絵てがみは 今日から叉新しい絵本になりました 「おおか…

自然薯

〇自然薯も生きにくそうに育ちけり (じねんじょもいきにくそうにそだちけり) 〇すりこ木に返す力や自然薯 河童三子 〇とろろ擂る戸を鳴らし行く山路風 々 〇擂鉢をことこと鳴らしとろろ擂る 々 婆ごころ 小春日和を思わせる とてもいいお天気です もう大方…

返り花

〇門口に吾を待つなり返り花 (かどぐちにわれをまつなりかえりばな) 〇忘れ物さがす貌して返り花 河童三子 〇しみじみと一人で咲きぬ返り花 々 〇晩年をそっと看に来る返り花 々 婆ごころ 先日 西田敏行氏が亡くなりました 「ドクターX」のドラマで観た時…

山装う

〇山装ふ十二単を着るやうに (やまよそおうじゅうにひとえをきるように) 〇吊り橋を渡って山の装へる 河童三子 〇又造の絵よりも赫く山装う 々 〇山装ふかずら橋から奥の径 々 婆ごころ 毎朝 もう冬になったような寒さがあります それが本当の気温なのでし…

冬支度

〇蜑が家は石積み上げて冬支度 (あまがやはいしつみあげてふゆしたく) 〇裏に海前に山おく冬支度 河童三子 〇此処彼処食べもの置いて冬支度 々 〇冬支度舟屋は舟を納めけり 々 婆ごころ ブルばあちゃんは 孫が泊まっていた 二階の書斎の掃除に上りました …

〇思い出は庭の狸と柿の実と (おもいではにわのたぬきとかきのきと) 〇柿の実の笊に盛られて売られけり 河童三子 〇柿の実も朝採れ市に並ぶかな 々 〇富有柿なら渋柿の貧乏柿 々 婆ごころ 娘さんと孫は高速バスで帰って行きました まだ高速バスを利用した…

鵙の贄

〇引きこもる小鳥も居ろう鵙の贄 (ひきこもることりもおろうもずのにえ) 〇いつの間にか無くなってまた鵙の贄 河童三子 〇干し鱈のごとく乾きし鵙の贄 々 〇鵙の贄すこし動いてをるやうな 々 婆ごころ 何年か前に ブルばあちゃんは 娘さんから「母が重い」…

十一月

〇日めくりの大かた消えて十一月 (ひめくりのおおかたきえてじゅういちがつ) 〇十一月雨の中来る遍路笠 河童三子 〇十一月しとどに濡れて遍路行く 々 〇午後晴れてこんな明るい十一月 々 婆ごころ 孫たちが四国へやって来た時は みんな揃って回転すし屋に…

文化の日

〇麺麭焼器パン跳びだしぬ文化の日 (ぱんやけばパンとびだしぬぶんかのひ) 〇文化の日食卓に蠅一匹来 河童三子 〇子ら来れば電源足りぬ文化の日 々 〇日の丸の朝日昇りし文化の日 々 婆ごころ 昨日の雨は上がって 東の空は太陽が上昇ってくる気配です 広縁…

林檎

〇白い雲赤い林檎と黒姫山 (しろいくもあかいりんごとくろひめやま) 〇プリとかむ林檎の音にあこがれし 河童三子 〇林檎むく宿のナイフをすべらせて 々 〇梓川紅いりんごを映しけり 々 婆ごころ お昼前になって 愛媛県に記録的短時間大雨警報がでていたよ…

冬めく

〇冬めくやひくくたなびくののけむり (ふゆめくやひくくたなびくののけむり) 〇野づら這う畑の煙の冬めきぬ 河童三子 〇工場の空低くして冬ざるる 々 〇烟みな南に焦れ冬めきぬ 々 婆ごころ 今日から11月です 今朝は肌寒さが一段と身にしむようです ブルば…