2011-01-01から1年間の記事一覧
◦晦日蕎麦 (
◦凍て土や逆縁の子を弔ひに (いてつちやぎゃくえんのこをとむらいに)
◦冬座敷逆縁の子の寝かされし (ふゆざしきぎゃくえんのこのねかされし)
◦飾り売りスーパー裏に年つまる (かざりうりスーパーうらにとしつまる)
◦雪しぐれ窓のひとひに日記果つ (ゆきしぐれまどのひとひににっきはつ)
◦寒昴王も農夫も六連星 (かんすばるおうものうふもむつらぼし)
◦数え日や都大路を襷継ぐ (かぞえびやみやこおおじをたすきつぐ)
◦生ハムを添えてワインの聖夜かな (なまハムをそえてワインのせいやかな)
◦煌めくも聖樹の夜は縛られて (きらめくもせいじゅのよるはしばられて)
◦冬至湯やぷかりと柚のひとつかな (とうじゆやぷかりとゆずのひとつかな)
◦蒲団干す人消えて日の余りける (ふとんほすひときえてひのあまりける)
◦着ぶくれて何を言っても厭はるる (きぶくれてなにをいってもきらわるる)
◦大声に互ひ確かむ頬被 (おおごえにたがいたしかむほほかぶり)
◦波に乗る海猫の沈めぬ冬の濤 (なみにのるごめのしずめぬふゆのなみ)
◦初雪の一天深く生まれけり (はつゆのやいってんふかくうまれけり)
◦襟巻きに業平気どり老の伊達 (えりまきになりひらきどりろうのだて)
◦新調の横顔見せる冬帽子 (しんちょうのよこがおみせるふゆぼうし
◦月凍ててもののけの森鎮まりぬ (つきいててもののけのもりしずまりぬ)
◦荒星の億光年や垣間むに (あらぼしのおくこうねんやかいまむに)
◦この道につながって行く冬の影 (このみちにつながってゆくふゆのかげ)
◦寒月の蝕まれつつ煌めきぬ (かんげつのむしばまれつつきらめきぬ) ◦巳が陰に満月尽きて寒夜かな (しがかげにまんげつつきてかんやかな)
◦貰ひ菜に茎桶借りて帰りけり (もらいなにくきおけかりてかえりけり)
◦家々に家々の灯や冬の月 (いえいえにいえいえのひやふゆのつき)
◦電熱の火抱いて遣りぬ冬の雨 (でんねつのひだいてやりぬふゆのあめ)
◦迷ひ猫お店の裏の返り花 (まよひねこおたなのうらのかえりばな)
◦朝刊の白息かけて配られる (ちょうかんのしらいきかけてくばられる)
◦鴉らの塒の中に冬の鐘 (からすらのねぐらのなかにふゆのかね)
◦夜半から霙になるを聞き分けり (やはんからみぞれになるをききわけり)
◦種物の日々に倣ひて日向ぼこ (たねもののひびにならひてひなたぼこ)
◦縁側のよもやま話し冬の蝶 (えんがわのよもやまばなしふゆのちょう)