雛(ひいな)

     ◦ひとり娘の嫁(ゆ)きて小さき雛(ひいな)かな

 
 ぶらりと讃岐のうどん屋巡りに行ってみました。わたし自身は特に麺類が好物という訳でもないのですが、四国の人にはうどん好きが多いように感じます。こちらに来た一期松山から叔母がやって来る時は、捏ねたうどん粉と麺棒を携えてきて手打ちうどんを拵えてくれたほどです。
 十数年まえ、「おそるべき讃岐うどん」という本が出て、地方版ではありましたが、その本を片手に讃岐のうどん行脚をするのが流行りました。その延長で数年まえから全国的に讃岐うどんがクローズアップされるようになったと思っていますが、この頃ではどうでしょうか。

谷川米穀店

 お客は十人も入ると店内はもう一杯になるほど小さな店です。個人的にはここの麺とシンプルな食べ方が好きです。暖かくした丼に湯を切ったうどん玉と葱を入れてくれます、それへ勝手に酢と醤油を合わせてかき混ぜて食べるのですが、自家製の青唐辛子味噌をほんの少し鉢のふちへつけて、うどんに香りを移しながら食べると、あっという間に平らげてお替わりがしたくなります。お替わりは自分の食べた鉢へついでくれます。


大庄

小縣家


 大庄屋は白旗、小縣家は赤旗、まるで古の源平合戦のように幡を翻して激戦区のうどん合戦は繰り広げられています。


大釜うどん

 国道11号線がバイパス工事で広げられて今の店はずっと奥へ建て替えられました。昔使っていた釜でしょうか、大釜が店の看板になっています。