○あの世から赤い糸張る曼珠沙華
(あのよからあかいいとはるまんじゅしゃげ)
○曼珠沙華咲き切って絡まりにけり 秋甫
○曼珠沙華中華の街の灯を愛す 々
○彼岸花葉を忘れきて寂しけり 々
下の畑の畦に咲いていた彼岸花を切ってきて机の上に置いてみた。何かを希求しているようにも、ある種の情念に燃えているようにも見えた。葉の無いのがこの花の特徴なのだが、土からしっかりした太い茎を真っすぐに伸ばしている姿はそれなりに力を感じる。
何故なのか釣りでゴカイを触った時の感覚が蘇ってくるのだ。あのトクトクと指先に自分の脈拍と連動するように力強く打っていたゴカイの鼓動は私に何かを訴えていたのではなかったかと思える。