新米

     ○新米担ぐ女丈夫の悲哀かな
(しんまいかつぐめじょうぶのひあいかな)
滋賀へ
 私の母の実家は滋賀県にある。そこには94歳になる叔母が地元の老人施設に入所していた。実家の後を継いでいる従弟が近江米を育てているので、京都の娘一家に車を出してもらって米の買い出しに繰り出した。序でということにして森の中の施設に皆で叔母を見舞う事になった。
 丁度昼食のために施設の老人たちはホールに集まっていた。しばらく待つと車いすに乗った叔母が押されて現れた。「○○ちゃんか?」2年ぶりの再会であった。「〇〇ちゃんか?太ったな」確かに私はどんどん太っていた。「うん」。しばらく、滋賀の本家の話などして又「〇〇ちゃんか?太ったな」自分の頬をさすりながら「ほっそりしてたのにな太ったな」昼食が始まるしばしの間5,6回は同じ言葉を繰り返された。まったく私自身要注意なのであった。