○凍て土におしん大根白かりし
（いてつちにおしんだいこんしろかりし）
おしん大根
１９８３年４月からＮＨＫの朝ドラで放送された「おしん」は有名である。あのドラマのおしんから名前が付けられたのか、大根にも「おしん」というのがあった。名前の通り辛抱強く逆境にめげず育つのが売りだったのだろうが、最近はあまり聞いたことがない。
話は変わって「 NHK俳句」の今年度の担当は、今井聖、高柳克弘、夏井いつきの諸氏で、毎月其々４，５句づつは投句しているのだが入選はむろん佳作にもまだ入っていなかった。
高柳克弘は中でも一番若く、ちょっと中原中也のような雰囲気が感じられる文学青年と見受けた。気に入っているのだけれど先方は一向に振り向いてくれない。
ところが１２月号ではじめて夏井いつきの「鳥威し」の課題で佳作に入っていた。夏井いつきは愛媛県出身で、愛媛びいきではないのかとそれはそれで素直な投稿者ではないのであるが。
因みに佳作の句は ○威銃海へ向かって往ったまま 秋甫
９月の投稿だった。９月は北朝鮮がやたらとミサイルを発射させていた、みんな海へ落下したようだったが、海上を航行する船などによく当たらなかったものだ。そんな感慨もある句であったように思う。
