秋湿り

     ○秋湿り画帳抱へて教室へ
(あきじめりがちょうかかえてきょうしつへ)
絵の日は雨が多い
 画帳や絵具など入れるとバッグは少し大きめになって、車止めから広い庭を傘さして行くのは厄介なことだった。しかもこの教室の日には雨がよく降るのだ。庭には四季おりおりの花や木が植えられていて、それらは画題に用意されるのであるが、天邪鬼な私は用意された物を一度も使ったことがないのである。
 この頃は霧雨のような降り方ではあるが何日もお天気の悪い日がつづいている。絵を描くこと六分にお喋り四分の自由な時間を得ているが、もう一人いる仲間はもっと真剣に描きたいと思っているに違いない。彼女は家でピアノ教室を開いていて、何人か生徒さんが通ってくるらしい。
近辺で開催されるセミプロの音楽会など案内してくれるので楽しんでいる。