山梔子の実

〇山梔子の実に雨溜めて静かな日 (くちなしのみにあめためてしずかなひ) 〇饒舌もよかり山梔子は口閉じて 河童三子 〇山梔子の口閉じて過ぐ総選挙 々 〇山梔子の口閉じしまま朽ちてゆく 々 婆ごころ 雨が降っています 北からの風も少しあって 肌寒い日にな…

新米

〇魚沼の新米二合焚きにけり (うおぬまのしんまいにごうたきにけり) 〇新米の一合袋の土産かな 河童三子 〇百五十グラム入り新米セット 々 〇新米の香りたつかな白ごはん 々

入内雀

〇魚沼に入内雀の啼くことよ (うおぬまににゅうないすずめのなくことよ) 〇大釜に越後の新米炊きあがる 河童三子 〇魚沼のみやげは新米百グラム 々 〇入内雀京の車に止まりけり 々

秋の灯

〇秋の灯や都心の闇を高く競ふ (あきのひやとしんのやみをたかくきそう) 〇秋灯の上を疾走羽田線 河童三子 〇秋灯に会議映りしビルの窓 々 〇秋の灯や旅の終りの首都高速 々 婆ごころ

榠樝の実

〇家々の屋根くっ付けて榠樝の実 (いえいえのやねくっつけてかりんのみ) 〇花梨の実宿の浴衣に足取られ 河童三子 〇花梨の実越後の酒を並べけり 々 〇どの顔も頑固一徹かりんの実 々 婆ごころ ━〈4日目〉━ 大源太キャニオン〈約30分〉 湯沢高原ロープウェ…

籾焼き

〇安曇野に籾焼く狼煙揚がりけり (あずみのにもみやくのろしあがりけり) 〇旗揚げの心意気にも籾殻焼き 河童三子 〇籾焼きの蒸気機関車走るごと 々 〇籾山に煙突立てて烟りけり 々 婆ごころ ━〈3日目〉━ 清津峡〈約60分〉 750mの洞窟の先はUの字になってい…

葛の原

〇真葛原真白き砂州の梓川 (まくずはらましろきさすのあずさがわ) 〇葛の原黒姫山はちひろの郷 河童三子 〇真葛原妙高山に登らんと 々 〇真葛原夕暮れ早やき旅の道 々 婆ごころ ━〈2日目〉━ 白馬岩岳ゴンドラリフト 白馬マウンテンハーバー 白馬ヒトトキノ…

鬼の子

〇鬼の子の鳴くや夜雨の降り始む (おにのこのなくやよさめのふりはじむ) 〇鬼の子やテーラー仕立の三つ揃え 河童三子 〇父よ父よ鬼の子の首出して呼ぶ 々 〇鬼の子や鳴く虫の子と呼ばれをり 々 婆ごころ ブルばあちゃんたちは 4時半に出発する予定だった…

秋思

〇祭近き夜の太鼓の秋思かな (まつりちかきよるのたいこのしゅうしかな) 〇秋思ふ宮の眠らぬ神楽かな 河童三子 〇夜神楽の笛にも泣けて秋思ふ 々 〇あれほどの虫一匹となり秋思 々 婆ごころ 今日の日曜美術館は 竹久夢二でした 以前に夢二の故郷である岡山…

蓑虫

〇蓑虫や引き籠る子の揺れてをり (みのむしやひきこもるこのゆれてをり) 〇蓑虫のハンドメイドの服を着て 河童三子 〇蓑虫の雨降る夜は父(チチ)と鳴く 々 〇蓑虫の見上ぐる空の十六夜 々 婆ごころ ブルばあちゃんは 午前中のほとんど 机に頬づえついて …

秋澄む

〇秋澄むやシンメトリーに吾の澄む (あきすむやシンメトリーにわれのすむ) 〇海の空山の空澄む今日の秋 河童三子 〇秋気満つかずら橋より平家の郷 々 〇和紙の里一人の弟子に秋澄める 々 婆ごころ ブルばあちゃんは 車で町へ出ました 郵便局で切っ手と葉書…

穭田

〇穭田の日本晴れや遍路道 (ひつじだのにっぽんばれやへんろみち) 〇穭田の青さも哀し蘖(ひこばえ)に 河童三子 〇穭田に犬放たれてまろびをり 々 〇穭田のまっすぐ天を仰ぎけり 々 婆ごころや ブルばあちゃんのスマホのラインがピロンと鳴りました 「裏…

神の旅

〇神の旅出雲路に八百万神 (かみのたびいずもじにやおよろずがみ) 〇刈終へて稲穂の神も発ちにけり 河童三子 〇葛原に獣跋扈(けものばっこ)す神の留守 々 〇神棚の開いてをりぬ神の留守 々 婆ごころ 周辺の町のお祭りは昨日までの3日間で 取り行われまし…

十月

〇十月の風ごーごーと月明り (じゅうがつのかぜごーごーとつきあかり) 〇十月や一日青菜を茹でてをり 河童三子 〇十月や間引き菜にみな双葉持ち 々 〇十月に生れ風と光に愛される 々 婆ごころ 十月は ブルばあちゃんの生れ月です この秋が好きなのです こ…

破荷

〇破蓮の命尽きゆく勇姿かな (やれはすのいのちつきゆくゆうしかな) 〇破蓮の下ぬくぬくと子が育ち 河童三子 〇一条の光貫く破れ蓮 々 〇破蓮の醜くて且つ清々し 々 婆ごころ K子さんが赤カブと白菜の間引き菜を届けてくれました ついこの間まで 畑の中は…

どんぐり

〇団栗と転がって行く遍路道 (どんぐりところがっていくへんろみち) 〇団栗にのっぽ太っちょちびもゐて 河童三子 〇掌にのせて団栗のまだ緑いろ 々 〇団栗で足し算をする親子かな 々 婆ごころ 夏布団は干して仕舞い 今日は大蒲団や毛布をフェンスいっぱい…

鹿鳴く

〇奥山に闇ひろがりて鹿の声 (おくやまにやみひろがりてしかのこえ) 〇ぴいーと鹿鳴いて寂しき夜のとばり 河童三子 〇風の音しきりと鹿の哭く夜かな 々 〇女子寮の窓の灯近く鹿の鳴く 々 婆ごころ ノーベル物理学賞は米プリンストン大学とカナダ・トロント…

椋鳥

〇椋鳥やビルの谷間の暮れ早し (むくどりやビルのたにまのくれはやし) 〇椋鳥の群れて家路やビルの街 河童三子 〇椋鳥の鎮まり街の冷えそむる 々 〇緩やかややがて賑やか椋の群れ 々 婆ごころ 「青ぞらのはてのはて」 宮沢賢治 青ぞらのはてのはて 水素さ…

柘榴

〇駅前の柘榴がひらき拐す (えきまえのざくろがひらきかどわかす) 〇柘榴の実子を喰らふてふ鬼子母神 河童三子 〇柘榴の実おいて置くより他になし 々 〇産まれでる柘榴の陣痛見るおもひ 々 婆ごころ 今日は本当によく晴れました ⒑月10日ブルばあちゃんの頭…

萱刈る

〇檀家みな寺の萱刈る日和かな (だんかみなてらのかやかるひよりかな) 〇萱刈や老ひも若きも結の郷 河童三子 〇萱刈って陽に当てられる獣径(けものみち) 々 〇萱刈や八百万神(やおよろずかみ)おはす村 々 婆ごころ 美智子さまが 御所で転倒して右足の…

牛蒡引く

〇全きに牛蒡が抜けて歓声湧く (まったきにごぼうがぬけてかんせいわく) 〇根回しのすんだ牛蒡を子に引かす 河童三子 〇牛蒡引く犬の鼻さき泥だらけ 々 〇真っすぐに牛蒡の太い穴残る 々 婆ごころ 今日も朝から雨でした ブルばあちゃんのいつもの視線の先…

今年酒

〇乾杯は目で頷いて今年酒 (かんぱいはめでうなずいてことしざけ) 〇まず呑めることに喜び今年酒 河童三子 〇父方の血脈にゐて今年酒 々 〇辛口を豪語して呑む今年酒 々 婆ごころ 一日静かに雨は降っていました 霧雨の時もありました それでも夜になってか…

そぞろ寒

〇そぞろ寒窓辺の朝の光かな (そぞろさむまどべのあさのひかりかな) 〇蒲団出る気をそがるるやそぞろ寒 河童三子 〇そぞろ寒沖ゆく船の汽笛かな 々 〇浮腫の腕また太くなりそぞろ寒 々 婆ごころ 奈良におられる人で 最近ブログの更新がないなあと 思ってい…

秋夕焼け

〇消へてゆく砂の足あと秋夕焼け (きえてゆくすなのあしあとあきゆうやけ) 〇海へ入る秋夕焼けの憂いかな 河童三子 〇秋夕焼け砕氷船の寄港かな 々 〇さよならは振り返らない秋の夕焼け 々 婆ごころ 午前中二度ほど 港の方から汽笛が聞こえてきました お友…

秋あかね

〇一匹は風に逆らふ秋あかね (いっぴきはかぜにさからうあきあかね) 〇秋あかね尻の先までマニキュアに 河童三子 〇桑の葉の色を好むや秋あかね 々 〇秋あかね夕暮の茜色かな 々 婆ごころ 三島の港に南極観測砕氷船「しらせ」が寄港しています 35年ぶりと…

新藁

〇今年藁マンモス象のよく出来て (ことしわらマンモスぞうのよくできて) 〇藁の馬青い鬣(たてがみ)今年藁 河童三子 〇ほっこりと草履編まれる今年藁 々 〇新藁や鬼も逃げ出す大わらじ 々 婆ごころ 朝から小ぬか雨です 台湾の近くでゆっくりしている台風1…

虫しぐれ

〇喝采のなかにゐるなり虫しぐれ (かっさいのなかにいるなりむししぐれ) 〇虫しぐれ一つ二つは聞き分けて 河童三子 〇打楽器も確かに聞こゆ虫時雨 々 〇虫しぐれアンコール曲に夜が明ける 々 婆ごころ 裏のひまわりの花は 少し小さくなっているけれど まだ…

新生姜

〇新生姜恥じらふやうに紅さして (しんしょうがはじらうようにべにさして) 〇かりと噛めば秋ひろがりぬ新生姜 河童三子 〇酢を注せば薄桃色も新生姜 々 〇新生姜ラインダンスの脚そろふ 々 婆ごころ 新生姜をきれいにして スライスするのは パートナーさん…

吾亦紅

〇吾亦紅寡黙に間合いとってをり (われもこうかもくにまあいとっており) 〇Jesus(ジーザス)も釈迦も黙する吾亦紅 河童三子 〇一病の予後が余生や吾亦紅 々 〇丘の上の風にとんとん吾亦紅 々 婆ごころ さて、今日はきのうに頂いた 新生姜を白肌に疵が付か…

錆鮎

〇錆鮎に北の故郷江の川 (さびあゆにきたのふるさとごうのかわ) 〇錆鮎や下りし山を今見上ぐ 河童三子 〇荒鮎の泡立つ水面きのふ見し 々 〇錆鮎や川面に揺れる月仰ぐ 々 婆ごころ 近くに住むK子さんが この人はブルばあちゃんの家の本家のお婆さんです ま…