2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

稲の花

○ちらほらと稗の穂もあり稲の花 (ちらほらとひえのほもありいねのはな) 田圃の中の稗 ○稲の花観察の子はまだ起きぬ 秋甫 ○稲の花パン食の子の知らざりき 々 ○稲の花兄嫁を愛称で呼び 々 田舎の暮らしで、この田草を取る頃の記憶ほど面白くないものはなかっ…

烏瓜の花

○逆走の台風一過烏瓜咲く (ぎゃくそうのたいふういっかからすうりさく) 烏瓜の花 ○烏瓜白いレースの花嫁衣裳 秋甫 ○烏瓜咲いて天女の羽衣に 々 ○烏瓜の花祈りのベール被りをり 々 自然の不思議。11月頃に真っ赤になる烏瓜は、今白い花を手入れの届かない雑…

○次の世は汗芳しき漢ならむ (つぎのよはあせかんばしきおとこならむ) ○汗疹の背中かしかし掻くくじら指し 秋甫 ○一村(田中一村)の汗に描かれし檳榔樹(びんろうじゅ) 々 ○この風が今年の汗を拭いてゆく 々 逆走の台風一過。 颱風12号 小笠原諸島を北上…

古簾

○一匹の虫が賑やか古簾 (いっぴきのむしがにぎやかふるすだれ) 古簾 ○夕簾外に佇む影ふたつ 秋甫 ○青簾明日を約して別れゆく 々 ○古簾朝は早いが夜も早い 々 古簾もまた生活のありようが滲みでるものである。何年も使って裾の方が崩れかかっているのは侘し…

黄金虫

○黄金虫大金持ちはZOZOTOWN (こがねむしおおがねもちはゾゾタウン) ○かなぶんの強き足掻きに手を放つ 秋甫 ○ぶんぶんの丸刈り頭に体当たり 々 ○ぶんぶんや死んだふりしてそのままに 々 ZOZOTOWN 若者向けのファッションなどを手がけて一代で1兆円企業を築…

遠花火

○漸くにドンと音する遠花火 (ようやくにドンとおとするとおはなび) 港まつりの花火大会 ○子の花火孫の花火と買い継いで 秋甫 ○急がしき音して花火おわる頃 々 ○瀧花火流れるころや夢の中 々 昨夜7月25日は港祭りであった。ここ何年かは雨で延期になったり…

熱帯夜

○熱帯夜蒲団被って怪奇譚 (ねったいやふとんかぶってかいきたん) ○死神に足掴まれし熱帯夜 秋甫 ○熱帯夜天井裏に大目玉 々 ○熱帯夜魑魅魍魎(ちみもうりょう)が胸の上 々 連日30度を越す寝苦しい熱帯夜が続いている。 子供の頃、江戸川乱歩の怪奇ものを好…

極暑

○極暑の地球捨てて火星人となるか (ごくしょのほしすててかせいじんとなるか) ○火の山か夜の溽暑に火星見る 秋甫 ○腹据えて天ぷら揚げる猛暑かな 々 ○大暑二つほどもゐて夜になる 々 極暑日。暑いという考えられる文字が束になってかかって来たような日。 …

含羞草

○含羞草袖すれ合うも他生の縁 (おじぎそうそですれあうもたしょうのえん) 今日大暑 ○含羞草律義者なら子沢山 秋甫 ○ポイズンは使っていません眠り草 々 ○眠り草言わせてもらえば怠け者 々 猛暑日。 連日の35度に草花はたいてい含羞草(おじぎそう)のよう…

土用丑

○椋鳥も羽脱けになりて土用丑 (むくみどりもはぬけになりてどよううし) 羽脱鶏 ○土用照成り物がみな顕れり 秋甫 ○三十八度京都四条の土用かな 々 ○土用の日三男揃って壮健なり 々 この猛暑にも負けずキッチンの窓辺の凌霄花は盛んに咲いたが、その花の蜜を…

入道雲

○入道雲も同じ背丈に伸びにけり (にゅうどうぐももおなじせたけにのびにけり) ○瀬戸の海割けているよな雲の峰 秋甫 ○入道雲ドリルに垂るる涎(よだれ)かな 々 ○雲の峰苺のシロップかけてある 々 NHK俳句8月号に今年度初めての佳作が載った。然も二題が入…

百日紅

○百日紅ダビットソンの僧来る (さるすべりラビッビトソンのそうきたる) 百日紅の木肌 百日紅の花 ○禅寺の庫裏に真っ赤な百日紅 秋甫 ○百日紅広島のケロイド思う 々 ○思い出に彩を載せたる百日紅 々 お盆の勤行に実相寺の僧が来られた。この猛暑である、檀…

月見草

○釣人の帰りし後の月見草 (つりびとのかえりしあとのつきみそう) ○月見草浜は潮騒ばかりかな 秋甫 ○海暮れて砂浜灯す月見草 々 ○漂着の終の棲家に月見草 々 連続の猛暑日。テレビは命に係わる危険が迫っていると呼びかけているし、まるで毎日天災の真っ只…

○油蝉茶粥ひやして昼餉にす (あぶらぜみちゃがゆひやしてひるげにす) 奈良桜井三輪山 ○蝉穴出るや一日の茶粥炊く 秋甫 ○茶粥啜る祖父の三輪山蝉しぐる 々 ○三輪山に祖父の霊あり蝉啼けり 々 祖父は奈良県の桜井生まれだった。子供の頃、祖父からよく寝物語…

夏の潮

○投げ釣りのウキの辺りや夏の潮 (なげづりのウキのあたりやなつのしお) 鱚狙い ○炎天や釣りする人に鱏(えい)の影 秋甫 ○鱚釣りの胡坐(あぐら)組たる提の上 々 ○蝉啼くや養老院の松林 々 早朝に下の浜で陽が昇るまでの間釣り糸を垂れてみた。一匹鱚が釣…

海の日

○海の日や飛び込み台に人の無く (うみのひやとびこみだいにひとのなく) 今日は海の日 ○海の日の浜にライブの綱張らる 秋甫 ○海の日や色ぬられたる貝堀ぬ 々 ○海の日や父は海軍二等兵 々 近年海の日はすっかり忘れられた感じだ。時々キッチンの窓から下の海…

虫送り

○石搏ちて地の虫散らす虫送り (いしうちてちのむしちらすむしおくり) 実盛さんの霊 ○子らが搏ちわが庭の虫送る 秋甫 ○虫送り平家の白き布揚げて 々 ○わが亡夫の虫にはをらず虫送り 々 我が家は虫の家である。蟻、ダンゴムシ、ゲジゲジ、ヤスデ、ゴキブリ、…

青葡萄

○青葡萄AIの「一茶くん」かな(あおぶどうAIの「いっさくん」かな) AIの「一茶くん」 ○葉の上は赤き満月青葡萄 秋甫 ○イソップの狐素通りす青葡萄 々 ○青ぶどうアルパカに乗る夢の中 々 人工知能の世界にもいよいよ俳人が登場するようである。 「アル…

百合

○百合の香や苦にもならずに病みもせず (ゆりのかやくにもならずにやみもせず) 肺炎球菌の予防注射 ○鬼百合の蕊(しべ)のんのんと伸びにけり 秋甫 ○ソロモンの栄華と百合の一本と 々 ○白百合も鬼百合も咲き庭盛る 々 突然長寿に目覚めたのだろうか。希望と…

時計草

○パンにバターたっぷりぬって時計草 (パンにバターたっぷりぬってとけいそう) 時計草 ルーアンの大時計 ○時計草ルーアンの大時計にも 秋甫 ○時計草むかしインカの道を来る 々 ○時計草惚けのテストを受けている 々 時計草 蔓性の植物で花の形が時計を連想さ…

○蜩や鈴振る音と今朝の聴く (ひぐらしやすずふるおととけさのきく) ○蜩や崩れし山の肌に生う 秋甫 ○かなかなと呼ばれしわが子名は加奈子 々 ○蜩や今朝の目覚めの哀しけれ 々 今朝蜩が鳴いた。 今年の蝉はなかなか鳴き出さないなと、この所耳を澄ますともな…

青葉闇

○爆睡のサラリーマンや青葉闇 (ばくすいのサラリーマンのあおばやみ) ○下闇に幻惑されて及び腰 秋甫 ○宿り木の下闇丸き形して 々 ○後ろから木下闇をば押し出さる 々 Life is while one is alive. One may want to give thoughts now on how to live one's …

○約束の覆りつつ今朝の虹 (やくそくのくつがえりつつけさのにじ) 庭の朝焼け ○決壊の上にも今朝の虹架かる 秋甫 ○虹顕(た)てば神の約束ノアとのこと 々 ○凌霄の朝焼けに嫉妬(やく)心かな 々 神との契約(旧約聖書) 一、神はノアとその子とを祝福して…

夏寒し

○田も畠も大河に呑まれ夏寒し (たもはたもたいがにのまれなつさむし) 大雨特別警報出る ○田は海に寒さの夏をおろおろと 秋甫 ○出水してボート漕ぎゆく町の道 々 ○洪水はわが魂に及び冷夏 々 中四国、近畿、中部地方の大雨災害にお見舞い申し上げます。

落し文

○危ぶまる雨降りやまず落し文 (あやぶまるあめふりやまずおとしぶみ) 広島に大雨災害 ○お隣の塀乗り出して落し文 秋甫 ○衣食住親の遺産に落し文 々 ○落し文親の思いに包まれて 々 落し文、なんて優雅な呼び名だろう。 現実には昆虫が栗や楢などの葉に卵を…

梅雨籠

○窓からの眺めも無くて梅雨籠 (まどからのながめもなくてつゆごもり) 雨つづく ○梅雨籠経済戦争始まりぬ 秋甫 ○濁流の川の映像梅雨籠 々 ○子に出るなと電話に言われ梅雨籠 々 オウム教団(麻原彰晃)松本智津夫死刑囚と教団の幹部の死刑囚を含めて7人の死…

凌霄

○凌霄に朝餉の卓を冷やかされ (のうぜんにあさげのたくをひやかされ) 雨ふる窓 ○凌霄の雨に椋鳥現れず 秋甫 ○凌霄の落ちても庭の賑わいや 々 ○新聞のお悔やみ欄や凌霄花 々 撮影に窓際へ歯ブラシなど持ってきて演出してみた。 毎日よく降る。京都の鴨川や…

心太

○磯の香と喉に涼しき心太 (いそのかとのどにすずしきところてん) 心太の思い出 ○心太沼津の浜の葦簀かな 秋甫 ○正雀の裏街暮し心太 々 ○心太ラムネと浸かる盥かな 々 二か所の心太 初めて所帯を持ったのは阪急電車が裏を通る大阪郊外の正雀という街であっ…

○雷公の湖へ太鼓を落としけり (らいこうのうみへたいこをおとしけり) 大津絵の鬼 ○大津絵の雷公太鼓釣り上げる 秋甫 ○ヒカヒカと夜の部屋犯す稲光 々 ○稲妻や入魂の筆狂わせる 々 運転免許証更新のため認知機能検査を受ける。 教室の学生用の机に向かって…

半夏生

○農もせず蛸を買ひけり半夏生 (のうもせずたこをかいけりはんげしょう) カラスビシャク(毒草) ○半夏雨さけて茄子の届けらる 秋甫 ○朝からの餅蒸す湯気に半夏生 々 ○うどん食う慣わしもあり半夏生 々 今年は2日が半夏生になるらしい。農家はこの日までに…