夏の潮

     ○投げ釣りのウキの辺りや夏の潮
(なげづりのウキのあたりやなつのしお)
鱚狙い
       ○炎天や釣りする人に鱏(えい)の影   秋甫
       ○鱚釣りの胡坐(あぐら)組たる提の上   々
       ○蝉啼くや養老院の松林          々
 早朝に下の浜で陽が昇るまでの間釣り糸を垂れてみた。一匹鱚が釣れた後は静かに寄せる波ばかりみつめるはめになった。小さな魚は集団で堤防の傍を往ったり来たり、100匹近い群れがあるかと思うとその半分の群だったりして、よく見るとそれぞれの群は大きさも種類も同じ形の仲間なのである。
 まるで、学校の学年別の団体行動のように泳いでいるのだ。
さかなのスイミー
 レオ=レオニの絵本「スイミー
 スイミーはかんがえた。いろいろかんがえた。うんとかんがえた。
 それから とつぜん スイミーはさけんだ。「そうだ!」
 「みんな いっしょに およぐんだ。うみで いちばん おおきな さかなのふりして!」谷川俊太郎