稲の花

     ○ちらほらと稗の穂もあり稲の花
(ちらほらとひえのほもありいねのはな)
田圃の中の稗
       ○稲の花観察の子はまだ起きぬ    秋甫
       ○稲の花パン食の子の知らざりき   々
       ○稲の花兄嫁を愛称で呼び      々
 田舎の暮らしで、この田草を取る頃の記憶ほど面白くないものはなかった。朝は早いし夕刻も長い。さすがに昼餉の後は田圃に出ず、みんな昼寝をするが、それがまた子供の私にとっては詰まらないのだ。むろん稲の花など見ずに成長してしまった群の仲間である。