秋の潮

     ◦浮き雲の島浮かべおり秋の潮
(うきぐものしまうかべおりあきのしお)
 朝の散歩
 この頃の朝5時はまだ外が暗い、少しづつ夜明けが遅くなっている。散歩もそれに合わせて少しづつ遅い出発になっていくようだ。それでも、お寺では本堂のお勤めの灯が脇障子を明るく照らしているし、われわれの足音は途中にある鶏小屋の鶏を起こしてとおり過ぎる。
 30分も歩くと、国道の隣町のコンビニに到着する。一応そこがこの散歩の目的地に定着しつつある。そこで飲むいっぱいのコーヒも今朝からはホットになった。
 国道に沿って西へ歩く帰途はもう海も明るかった、海面へ水平に浮かんでいた雲が、瀬戸内に浮かぶ島々のような錯覚を誘った。