秋雨

     ◦秋雨や二学期の子を送り出す
(あきさめやにがっきのこをおくりだす)
 雨の登校
 二学期の始業から一週間経った月曜日。勝って気ままに過ごしていた夏休みから自由を奪うようにして始まった二学期、漸くその変化にも慣れ始めていたのに、昨日の日曜日でまた愚図が戻ってしまったのだろうか、登校のひとりの子に母親が付き添っていた。傘の中の母子の会話や様子は二階の部屋に居る私には分からなかったが、人数は揃ったらしく集団登校は歩き始めた。黄色い傘は上下に並びながら進んで行った。一つの傘も振返ることはなかったが、母親は畑を越えて隣の集落の角へ最後尾が曲がって仕舞うまで見届けるように立っていた。