虫売り

     ◦虫売りの生業もなし虫の家
(むしうりのなりわいもなしむしのいえ)
 虫の音の佳境
 夜目を覚ますと、虫の音に包まれている。春から夏は賑やかな蛙の声、朝や夕には鳥の声、一年を通して何やらの生き物が生活に音色を与えてくれる。

 昔は今頃の季節になると、町方に「虫売り」が出て秋の虫を商って歩いていたようである。
      ◦虫売りのくらきに点すたばこの火  嶺治雄