原爆忌

     ○黒い雨降ったあの日の原爆忌
(くろいあめふったあのひのげんばくき)
「黒い雨」
 井伏鱒二の小説「黒い雨」をラジオで朗読していた。
 N市の文化センターである「東予地区合唱フェスティバル」へ車を走らせる車中で聞いている。原爆が投下されたのは1945年8月6日、72年まえの今朝8時15分ということだった。二歳の私は疎開した母たちと滋賀の甲賀にいたはずである。
 井伏鱒二の「黒い雨」は痛ましかった。広島に居た者は誰も被ばくしたことを隠した、隠さなければ差別のために生きていけなかったのだ。理不尽に怒りが込み上がってくる。