2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒月光

○赤銅に地球の影の寒月光 (あかがねにちきゅうのかげのかんげっこう) 皆既月食 夜9時過ぎに起きて庭へ出てみたけれど雲に覆われて月は隠されていた。もし晴れていればスーパーブルーブラッドムーンという赤銅色からブルーに染まる月が見えたのかもしれな…

○白波のカモの数ほど立ちにけり (しらなみのかものかずほどたちにけり) 印刷製本 今年の句集のタイトル「応々と坊さんが行く雪の街」としてお地蔵さんを表に六体と裏へは二体描いてみた。

冬の靄

○うす青き鵞鳥の卵冬の靄 (うすあおきがちょうのたまごふゆのもや) 家鴨か鵞鳥か? 秋じゃがを掘ったのだろう、くれるというので取りに行ったら、倉庫の前の小畠には半分放し飼いにしている家鴨?鵞鳥?がグェッグェと鳴きながら4羽でひと塊になって徘徊し…

寒の水

○鳩の飲む一口づつの寒の水 (はとののむひとくちづつのかんのみず) 寒の水 ○寒の水道後の朝に湯の太鼓 秋甫 ○鳩の喉グリュッグリュゥと寒の水 々

白菜

○白菜に八つ裂きと石の拷問 (はくさいにやつざきといしのごうもん) 白菜漬け ○茎漬けの石は大きい物持てる ○白菜の二度漬けに味曲がらせる 立派な白菜をもらいました。やっとです。ずっしりと手応えのある赤ん坊ほどもあるやつです。早速裂いて、干して、…

水仙花

○ちらちら舞う雪より白し水仙花 (ちらちらまうゆきよりしろしすいせんか) 寒の底 とても冷たい、昨夜は水道が凍ってはいけないと思って少し栓を緩めて流しながら眠ったほどであった。 恒例の俳句集作りに取りかかっている。一年ごとの総集編は7冊めになる…

初天神

○願い事絶えることなき初天神 (ねがいごとたえることなきはつてんじん) 25日は天神さん 初大師や初天神などと一月はなんでも初をつけて、まるで一番最初にありがたい事がいっぱいあるのだよ、と言わんばかりだ。 京都の天神さんにお参りしてきた孫は去年…

寒雀

○寒雀絵に描けばみなまん丸し (かんすずめえにかけばみなまんまるし) 寒雀 この季節の雀はみんな丸々と太っている。越冬熊よろしく冬眠の前にすこぶる食い貯めたわけではない。寒さに耐えるために羽毛を立てて空気をため込んでいるのだそうだ。言わばダウ…

悴む

○ロボットの二足歩行や悴めり (ロボットのにそくほこうやかじかめり) 白根山噴火 今朝孫がスキー合宿に出発したとメールが入ったあと、群馬県の白根山が噴火したというニュースがあった。孫たちの高校の合宿先は志賀高原であったが噴火したのは群馬県白根…

冬薔薇

○唇に紅の寂しき冬薔薇 (くちびるにべにのさびしきふゆそうび) 冬のばら ○冬薔薇哀れを誘う色に長け 秋甫 ○冬のばら言葉少なく逝きにけり 々 ○強かに艶に長けけり冬薔薇 々 第158回芥川賞の発表があった。二人の受賞となったようであるが、はっとするこ…

初弘法

○初弘法昔も今も古着売り (はつこうぼうむかしもいまもふるぎうり) お大師さん ○湯気吹いてうどん食らうや初大師 秋甫 月の21日は空海(弘法大師)の月命日で、京都の東寺では市ができる。京都ではそれを弘法さんと呼んで老若男女親しんでいる。一方四国…

大寒

○大寒や利休鼠の海の色 (だいかんやりきゅうねずみのうみのいろ) オウム裁判終結 オウム事件の一連の裁判が結審したとニュースは報じた。 1995年3月地下鉄サリン事件、その前哨の松本サリン事件など首謀者松本智津夫(麻原彰晃62)死刑囚をはじめ1…

仏の座

○薺すずしろ仏の座など噛でみる (なずなすずしろほとけのざなどかんでみる) 野菜の高騰 1月7日(人日)の節句に七草を食する昔からの典雅な風習ではなく、日常の営みの中で七草に熱い目を向けかけているのだ。 暮れからずっと野菜の高騰がつづいている。…

冬の山

○冬の山熟寝の子らに忍び足 (ふゆのやまうまいのこらにしのびあし) 眠る子は起こすな ロシアのイルクーツクでは−60°C以上の想像もつかない極寒になっているという。さて、この4月にロシアの海外ツアーに申し込んでいるのであるが、その頃の気候は大丈…

松取れる

○松取れて酒も大儀を取られけり (まつとれてさけもたいぎをとられけり) 雨の一日 知人のブログを見ると、やっぱりそこも雨が降っていたらしく気分転換にパンを焼いてその香ばしい香にほっこりしているとあった。私はパン焼き機もパンを焼くすべも知らない…

冬日

○新婚の蒲団へ冬日入れて編む (しんこんのふとんへふゆびいれてあむ) 四畳半一間 編むのは毛糸でも、レースでもなく四畳半一間の暮らし。不思議なことに、独りでなく二人というのは生きるのに悲壮感がない。思い出せば東京オリンピックの年だった。

女正月

○この上に何を望むと女正月 (このうえになにをのぞむとめしょうがつ)

駅伝

○駅伝の都大路を上り下り (えきでんのみやこおおじをのぼりおり) 36回皇后杯全国女子駅伝 ○雪崩れ込む駅伝襷一区二区 秋甫

大寒波

○アナウンサーの声もカチカチ大寒波 (アナウンサーのこえもカチカチだいかんぱ) 日本海で大雪 そういえば今日から大学受験共通一次のセンター試験が始まる。この大雪でローカル線が車と接触事故を起こし、その処理にあたっていたパットカーは車内に居た4…

寒旱

○ピシピシと柱鳴る日や寒旱 (ピシピシとはしらなるひやかんひでり) 軋み 築30年も経つと方々がギシギシ鳴り始める。風は吹いていたし戸もガタガタと鳴ったりして寒い一日であった。食事の後の洗い物も積み上げたままお尻が上がらない。

筆始

○筆始醴泉銘を選びけり (ふではじめれいせんめいをえらびけり) 欧陽詢の文字 仕事をリタイアした一時、書道の筆を持った。最初の臨書は欧陽詢の九成宮から入ったのである。何年ぶりかで当時の書道誌を開いてみると、孔子廟堂碑、張孟龍碑、真草千字文、造…

寒の入り

○子らの蹴る空缶カンと寒に入る (こらのけるあきかんカンとかんにいる) 般若心経の額 一昨年の寒明けの頃、永平寺の雲水という修行僧がやって来て自筆の般若心経の額を置いて行ったのであるが、ペン書きの個性的な文字であったので今もプリンターの上に飾…

鴨の陣

○鴨の陣朝の職安思い出す (かものじんあさのしょくあんおもいだす) 日雇い労働者 随分昔のことになる、昭和30年代の職安の朝の風景を思い出す。その日の労働現場を求めてやってくる日雇い労働者が職安の前の広場に朝早くから集まっているのだ。広場の周…

小寒

○小寒や阿蘭陀からのエアメール (しょうかんやオランダからのエアメール) アニタへの返信 Thank you for the New Year's message! We are cheerfully celebration its 2018year. I am glad that Anita and your family are always fine. Well, I sent to y…

薺爪

○薺爪剪ればポチンと独りかな (なずなつめきればぽちんとひとりかな) 春の七草 1月7日は春の七草を粥に入れてたべる日。七草粥を食べて今年一年の無病息災を祈るようだ。また正月の間は爪を切ることも忌むべきこととされ、7日まで待って切る習慣もあって…

初読

○初読は大長編のプルースト (はつよみはだいちょうへんのプルースト) (コンプレの町) 「失われた時を求めて」へ挑戦の出発である。 ○初読みや行方不明の老眼鏡 秋甫 筑摩書房の世界文学大系にあるプルーストは、3段構成になっていて活字が特別小さいので…

福寿草

○福寿草眷属そろい日当たりぬ (ふくじゅそうけんぞくそろいひあたりぬ) プルースト 我が家の本棚にもプルーストがあった。これは前に進めということである。 福寿草は一族の繋がりを顕著にしている草花だと思う。厳しいこの時期に家族がそろって芽を出すの…

年賀状

○松取れてわが年賀状戻り来る (まつとれてわがねんがじょうもどりくる) [:年賀状戻る 「宛先に尋ね当たりません」と宛先の住所の文字の上へ朱のハンコが押されて戻って来た。なるほど今年先方から届いた年賀状の住所を見てみると、同じ市内で引っ越しでもし…

初夢

○初夢に何やら罪を犯しをり (はつゆめになにやらつみをおかしをり) 正夢になるかも 秘かに抱いていること(昨日の邦訳) その頃、私は体調を崩して数日間寝込んだことがあった。最悪の状態から脱し、ずっと寝ていたいと思わなくなった時、しばらくの間うっ…

初日記

○自由とは謂え罫線に初日記 (じゆうとはいえけいせんにはつにっき) さて抱負など Around this time, I came down with a virus and spent a few days in bed. When I came out of the worst of it, and I didn't feel like sleeping all the time, I disco…