筆始

     ○筆始醴泉銘を選びけり
(ふではじめれいせんめいをえらびけり)
欧陽詢の文字
 仕事をリタイアした一時、書道の筆を持った。最初の臨書は欧陽詢の九成宮から入ったのである。何年ぶりかで当時の書道誌を開いてみると、孔子廟堂碑、張孟龍碑、真草千字文、造像記、光明皇后楽毅論、空海の風信帖、顔真卿の争座位文稿、そうそうたる文筆家の臨書をやってきたものだ。残念なことに最後は顔真卿の文字でギブアップしたのであるが、欧陽詢九成宮はいつ見てもこんな字を書きたいと思うのである。