○唇に紅の寂しき冬薔薇
(くちびるにべにのさびしきふゆそうび)
冬のばら
○冬薔薇哀れを誘う色に長け 秋甫
○冬のばら言葉少なく逝きにけり 々
○強かに艶に長けけり冬薔薇 々
第158回芥川賞の発表があった。二人の受賞となったようであるが、はっとすることは63歳の主婦が貰っていることである。「おらおらでひとりいぐも」テレビのニュースでは、作者は夫に先だたれた喪失感から立ち直るために通い始めたのがカルチャーセンターの創作部らしかった。小説学校なるものがあるのも面白いことだが、それによって彼女の内なる能力が開花されたことは間違いない。