水番

     ○水守の一人銀天いただきぬ
(みずもりのひとりぎんてんいただきぬ)
番小屋の時計
 梅雨はまだ明けませんが田圃の水は掛けいれ時のようです。水番は夜中にも懐中電灯で畦道をてらしながら稲の間の水嵩を見てはそれぞれの田へ水を入れていきます。
 隣の部落には水番の小屋があります。小屋に扉はなく外からでも真ん中の柱に大きな時計がかかっているのが見えます。黒板には水かけの当番表も見えます。農事の日程がそこでは秩序正しく進行しているのでしょう。
 もう一句   ○水番の鍬に堰切る天の川  秋甫