秋の野

     ◦秋の野をわたしに似た子ひとりゆく
(あきののをわたしににたこひとりゆく)
 白秋の「秋の野」
   あの子がゆくよ  見たよなあの子
   おんなじ道を   おんなじ方へ
   だれだろあの子  ちいさなあの子
   わたしの前を   わたしのように

   
   あの子がゆくよ  髪の毛が光る
   野の道小径    もう日は暮れる

   はぐれなあの子  見たよなあの子
   お月さま出たよ  ほおいとよぼう