凌霄花

     ◦凌霄に覗かれている朝の卓
(のうぜんにのぞかれているあさのたく)

 梅雨明けして真夏日の陽射しが早朝から差し込んでいます。きのう下の海が大音響をたてているので何事かと畑の途中まで出て見てみました。変わった形の船が水煙を高く巻き揚げながら海水浴場の波止めの中と近海をゆっくり往復しているのです。一瞬それは潜水艦が浮上してくるところだろうかと、想像をたくましくさせる光景でもありました。しかし、雨期があけて海開きも間近に迫っている日、海の清掃をしている事に気づくのに時間はかかりませんでした。
 カメラを拡大して船と水煙を撮るべく試みましたが、その轟と海水を噴き上げている勢いに迫ることはできません。車で浜まで行けば五分もかからない所です。家に入ってからも、底を揺らす音に間近で見てみたいという気持ちはありましたが、降りて行く途中で作業が終了してしまうかもしれない。方向を切り換えるためか、エンジン音は時々止んではまた作業を繰り返していたのです。
 結局、午前と午後の数時間に及びつづけられました。しかし、車を出すことはありませんでした。