新涼

            〇新涼や鰓で吊るさる糶の魚

             (しんりょうやえらでつるさるせりのうお)

            

            〇水呑んで胸に広がる涼新た    河童三子

            〇水茄子の紺鮮やかな新涼に       々

            〇新涼やカラカラ下駄の縁廻る   々

 

     私の本棚

  

      「ゆき」    ユリ・シュルヴィッツ   さくまゆみこ訳

    はいいろの そらから ひらひらの ゆきが まいおりてきました。

    「ゆきが ふってるよ」 いぬを つれた おとこのこが いいました。

    ゆきは じめんに おちると、 たちまちち とけてしまいました。 

    ゆきはただ そらから まいおりるだけ。 

 

   つぎから つぎへと なかまをよべば、あっちも こっちも しろくなり 

   どこも かしこも ゆきげしょう。 

    「ゆきが ふってるよ」おとこのこが  いいました。

    やねが しろい ぼうしを かぶります。

    まちじゅうが しろく かがやきました。

 

  朝のうちいっときは それはもう涼風が吹いて来るやら 虫はまだ鳴いているやらで

  すっかり気持ちのいい季節になった気がするのですが

  町が動き始めると じりじり 暑さが戻ってきて やっぱりかわらず夏です。

 

 ブルばあさんは 何とか涼しくならないかねと

 本棚から 今日の本を探しました。

 

 「ゆき」あった あった 今日はこれにしょう。