土用照

     ○土用照お灸据えゐるごと座する
(どようてりおきゅうすえいるごとざする)
土用の丑は25日
 朝から部屋はもう30度を越えています。昔からこの暑さを乗り越えるための工夫はいろいろあったようです。土用灸といってお灸をすえて血液の巡りをよくしたり、うなぎを食べて体力を保持したりなど。田舎で育った割にはありがたいことにお灸とは縁がなかったのですが、写真の土用灸では頭に焙烙を乗せてその上からお灸をしているようです。何でも自律神経のバランスを調整するのだそうです。
 眠れなくなっているので、ついでに子供の頃の土用の思い出を。
 そう言えば、この時期にドジョウが食卓にのぼっていたのを思い出しました。祖父が前日に田圃に浸けていた「もんどり」という竹の細長い網篭を持って帰ると、中にはドジョウがばちゃばちゃもがいていました。それを生姜か何か臭みけしを入れて煮たのでしょうが、まだまだ臭くて食べられたものではなく、味は知るよしもありません。下の家の喜之助さんというおじいさんはそれを生きたまま呑み込んでいるからいつまでも元気なのだという大人たちの話を聞いたときは、私の喉の奥にぬるぬると滑りこんでいくドジョウの感じが想像されていつまでも気持ち悪いものがありました。そんなドジョウもこの頃ではめったに見ることができなくなりました。
で、まあ、本題に戻れば、うなぎも食べず、お灸もせず、この土用を乗り切るには丹田にぎゅうと力を込めて頑張りましょうって、言いたのです。