送り火

           〇持て成しもせず送り火に送り出す

              (もてなしもせずおくりびにおくりだす)

         

           〇妙と法其々の火に送るかな    河童三子

           〇迎火も送り火もなく迷へるや   々

           〇送り火の西の二山は見ざる儘   々

 

     私の本棚

 

                           レオ=レオニ

                               訳  谷川俊太郎

   レオニのちいさな主人公たちの前には、いつも広大で多彩なこの地球上の

  世界がひらけています。そういう現実への信頼感が、レオニのイマジネーション

  を豊にしている。そこに単なるおとぎばなしでない、彼の作品がおとなにも

  楽しめる理由があると思います。

   翻訳にあたっては、原本のもつ視覚的な美しさを損なわぬことを、まず第一に

  心がけました。文章のレイアウトを、できるだけ原本どおりにするために、

  その内容の一部を省略せざるを得ない場合もありましたが、これは俳句的な

  凝縮された表現を好む日本人には、かえってふさわしいと考えています。

                              谷川俊太郎

 

 絵本の中には黒い小さな魚が

父さんみたいに、ぽつんと一匹で泳いでいた

これがスイミーだったんだなあと母さんは思った。

 谷川俊太郎の前書きは

何十年も経って、今日はじめて読んだのだ

俳句的に凝縮したという言葉にいたく感動したみたい。