新涼

     ○新涼やいつもの犬に今朝の道
(しんりょうやいつものいぬにけさのみち)
散歩の楽しみ
 5時半に出ると、かの犬に逢うことができる。彼はもっと早く来ているのかもしれないが、校庭の西の道にはこの頃白い猫が現れるようになっていて、イヌは何やら白猫と親しくしている風もあったが、私の姿を見ると彼の散歩を続行させるのである。例によってしばらく行き過ぎたあと2,3回に分けて半分くらい私の方へ戻ってくるのである。いつもその距離は思案しているように見えるからおかしい。
 今朝はちょっと彼がみすぼらしく見えた。いつの間にか老犬になっていた。同じ場所に座ったままでいる白猫も耳が片方たれた老猫なのである。老(私)、老(犬)、老(猫)、3種の生き物はそれぞれの老いを確かめ合っているのであろうか。