うぐいす菜

     ○稚き胸のふくらみ鶯菜
(いとけなきむねのふくらみうぐいすな)
鶯菜の一夜漬け
 私の漬物好きは子供の頃から始まる。きっと京都という環境から与えられた嗜好に違いないが、当時の漬物事情はご飯を食べるためのおかずだったもので、漬物は今もその感覚で大量に食べているのである。
 そんな漬物遍歴で恋して止まないのは、滋賀県で食したの日の菜漬けと、京都でこの時期毎朝お粥とセットのように出されていた鶯菜の浅漬けである。いうまでもなく夏は茄子やキュウリの糠漬け、一重に祖母や母がつけもの好きだったことに発するのである。